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なぜ日本ではデザイナーの地位が上がらないのか?~海外デザイナーとの比較~
最近は海外を中心にエンジニアと共にデザイナーの需要が高まっている。理由はシンプルで、プロダクトに加え企業経営にとってデザイン思考やサービスデザインなど、「デザイン」の言葉で表現されるマインドセットやスキルが求められているからである。
実際に、O’Reilly Mediaが2017年に世界のデザイナー324人を対象に行ったリサーチによるデザイナーの給与調査レポートでもそれは顕著になっている。
このレポートでは世界中のデザイナーにアンケートを取り、デザイナーの待遇や地位に関するデータをまとめた。この膨大なデータの中でも特筆する点としては下記があげられる。
世界のデザイナーの待遇調査結果 (中間値による算出):
- 世界のデザイナー平均年収額は$91,000
- アメリカのデザイナー平均年収額は$99,000
- カリフォルニア州のデザイナー平均年収額は$128,000
- アメリカ国内デザイナーの1週間の平均労働時間: 42
- 29歳以下のデザイナーの平均年収額は$71,000
- 30-50歳のデザイナーの平均年収額は$116,000
- 51歳-のデザイナーの平均年収額は$94,000
- 10年以上経験のあるデザイナーの平均年収額は$114,000
- 年間平均昇給額は$2,890
世界の役職別デザイナー待遇調査結果:
- 最も平均年収の低いデザイナーはグラフィックデザイナーで$49,000
- UXデザイナーの世界的平均年収は$91,000
- UXデザイナーのアメリカ国内平均年収は$99,000
- 肩書きに”マネージャー”がつくデザイナーの平均年収は$126,000
- 肩書きに”ディレクター”がつくデザイナーの平均年収は$116,000
- コーディングができるデザイナーは平均年収が$16,000高くなる
- マネージメントができるデザイナーは平均年収が$10,000高くなる
日本でのデザイナーの待遇の悪さは世界的に見ても異質
上記のデータをご覧になってどう思っただろうか?もし、現在日本国内のデザイナーで上記の結果とあまり大きく差がない待遇の方がいたとしたら、おそらくかなり恵まれているだろう。
と、いうのも、日本国内におけるデザイナーの待遇および地位が世界水準と比べるとかなり低いと感じるからである。例えば下記のような記事からもわかるとおり、日本ではデザイナーに対して劣悪な労働環境と低い待遇になっていることがわかる。
”デザイナーの平均年収は男女合わせて「432万7,600円」です。年間賞与を除くと、「30万7,400円」がひと月の平均給与となります。男女別でみると、男性「34万4,800円/月」に対して、女性「27万3,100円/月」と「7万1,700円」の差がみられます。”
引用元: クリ博ナビ: デザイナーの年収一覧!グラフィック・WEB・ゲーム・UXなど種類別に紹介
日本でデザイナーの地位がこれほどまでに低い理由
では、どうしてこのような差がついてしまっているのか?むしろ、なぜ日本ではデザイナーの待遇がまだこんなにも悪いのか?自分なりに、企業側、デザイナー側、そして社会的な仕組みのそれぞれの角度から、いくつかその理由を考えてみた。
【企業側の問題】
- デザインを上手にお金に変換できていない
- 組織の中でデザイナーのポジションが確立されていない
- ビジネスをグローバルに展開していない
- ユーザー体験を真剣に追求できていない
- デザイン“サービス”に対しての正当な対価を払う気がない
【デザイナー側の問題】
- デザインを安売りしすぎ
- 時代に合わせたスキルを身につけていない
- “好きを仕事”にしてる意識が高すぎる
- 専門性が高く、ユニーク性が低すぎる
- プロとしてのビジネスディールができていない
【社会的仕組みの問題】
- 価値のあるデザイン教育がされていない
- 人材の流動性が低い
- いまだに広告代理店至上主義
- ユーザーの教育レベルが高い
【企業側の問題】
1. デザインを上手にお金に変換できていない
そもそもなぜアメリカ、特にカリフォルニア州でデザイナーの待遇が良いのか。答えは簡単で、デザインをビジネスに最大限活用できているから。言い換えると、デザイナーの能力を経営側がビジネス=お金に変換することを知っているからにほからならない。
その一方で、日本はまだまだデザインを小手先のテクニックとしてしか認識していないケースや、場合によってはその重要性をほぼ理解していないこともあるだろう。
最近でこそデザイン思考などのフレームワークを経営に取り入れる動きもあるが、全体的に見るとまだまだメインストリームではなく、営業力に頼りすぎている懸念がある。
その点においては、国土の広いアメリカなどは営業のゴリ押しで顧客を獲得することが難しく、あくまでプロダクトやサービスの品質、それもデザイン的魅力で顧客獲得をする必要性が高く、デザイナーの重要性も自ずと高まっている。
イタリアなんかも、優れたデザイン性をもとにグローバルブランドを構築している。フェラーリの創設者のエンツォ・フェラーリもデザインの重要性の一つとして”高く売れるから“を宣言している。
しかし、日本ではやはり今だに多くの企業が経営にデザインを導入できてなく、経営側がデザインをビジネスに活用し、お金に変換する術を身につけていないと思われる。自ずと、デザイナーの地位がないがしろにされてしまいがちなのであろう。
2. 組織の中でデザイナーのポジションが確立されていない
ビジネスにおいてデザインの重要性を理解していない場合、企業の中でのデザイナーの立ち位置が非常に難しくなる。デザインチームが存在していないどころか、デザイン作業を他の業務と一緒に”片手間”で行っているケースすらある。もしくは、絵を描くのが上手なスタッフがそれだけの理由でデザイン業務をやらされている事もあったりする。
そうなってくると、デザイナーが経営の根幹に関わることは難しく、結果的にデザインバックグランドを持つスタッフが組織において重要なポストにつきにくくもなってしまうだろう。
むしろ、日本企業でデザイナーは、ある意味孤立していて、他の部署との連動がうまくできていない。結果的にデザイナー職が確立していないどころか、組織内にデザイナーの居場所がなくなってしまう事もあるだろう。
その一方で、サンフランシスコ・シリコンバレーのスタートアップの経営陣の中にはデザイナー出身の人が多くおり、Twitter, Airbnb, Pinterest, Dropboxなどのデザインオリエンテッドな会社=デザインの力を活用してビジネスを成長させることに成功している会社が多く存在している。彼らはもちろん強いデザインチームを有しているだけでなく、デザインを会社のカルチャーとしても導入している。
デザインを会社のカルチャーにすることで、1. ユーザー視点でプロダクトを作ることができる。2. 最適な方法で問題解決が可能になる。3. 将来に必要とされるイノベーションの原動力なる。と言ったメリットをあることができる。
しかし、現在の日本で、デザイン力を武器に勝負している企業がいくつあるだろうか?もちろん見た目の素晴らしさを重要視しているケースはあるだろうが、会社全体でデザインの重要性を真剣に考えていると思われるところはあまり多くないと考えられる。
3. ビジネスをグローバルに展開していない
実はいくら素晴らしいデザイン力を持っていたとしても、それが日本国内だけで展開されている場合、企業の売り上げも限定的になり、スタッフの待遇も頭打ちになるだろう。
単純に計算してみても、世界で日本語を話す人口は2%に満たない。もし提供しているプロダクトやサービスが日本国内向けに限定している場合は、どんなに頑張っても、これを超えるシェアを取ることは不可能なのだ。日本国内シェア100%は世界でのシェアの2%に到達しない。
そうなってくると、デザイン力を武器に勝負したところで、その”あがり”は知れている。デザイナーに良い待遇を与えられない理由が実はここにある。
言い換えると、デザイナー達がどんなに頑張ってプロダクトづくりをしたり、経営にデザイン思考を導入したところで、そのビジネスが国内専用なのであれば、作り上げたデザインを使う人は世界の2%もいないのだ。
そうなろうと自ずと売り上げも儲けにも限界が生じ、デザイナーの待遇を改善するのはやはり難しい。また、せっかく頑張って作っても日本国内のユーザーにしか使ってもらえないとなると、デザイナーとしても頑張るモチベーションが湧きにくくもなるだろう。
4. ユーザー体験を真剣に追求できていない
冒頭のリサーチ結果からも分かる通り、最も待遇が良いデザイナー職の一つが”UXデザイナー”である。正しいユーザー体験を設計するのが彼らの仕事なのであるが、プロダクトのサービス化が進むここ数年で、最も注目されているデザイナー職の一つと言える。
UXデザイナーは、マーケティング、営業、ブランディング、プロダクト、サポートなど、異なるタッチポイントにおいて一貫した体験をユーザーに提供することゴールになる。
これは、デジタル化とコネクテッド化が進む中で、見た目のかっこよさだけで顧客からの支持を得る時代から、総合的な体験への変化の中で、正しいユーザー体験の提供することが企業の利益に直結しているからだろう。
また、UXデザインはユーザーとブランドのそれぞれの目的を達成する役割を果たすために、最も重要なデザイン領域になっている。それもあってか、世界の多くの企業が率先してUXデザイナーやUXデザインチームの採用を進めている。
Amazon, Google, Appleなどの代表されるような世界的に活躍している会社は全て共通して、UXデザインに対しての意識が高く、そこに対してしっかりとした予算を組んでいる。
その一方で、UXデザインの概念、およびその言葉自体が日本企業にはまだ浸透している感が少なく、あったとしてもまだまだ、”UI/UXデザイナー”とUIデザインとの掛け持ちになっているケースが多くみられる。
また、UXデザイナーはその特性上、企業内の複数の部署と連動することでユーザーに一貫した体験を提供するのだが、まだまだ独立したチームが作れないため、結局どの部署に配属して良いかわからないという状況も発生している。
これからの時代は見た目に加えて、体験のデザインも非常に重要になってくる。もしこれがちゃんと行われないと、ブランド価値も生み出せなくなるため、最終的に安売り競争に巻き込まれてしまう。その辺が理解できれば、UXデザイナーの重要性が高まると思うのだが、日本ではまだまだその概念は浸透しづらいのが現状である。
5. デザイン“サービス”に対しての正当な対価を払う気がない
これまでは主に企業の内部のデザイナーとしての話であったが、現在の日本の商習慣では、多くの企業がデザイン機能を外部の会社に委託している。
それ自体は大きな問題ではないのであるが、その契約方法と価格帯がデザイナー達を苦しめている。そもそも今の時代にデザインの仕事を”納品型”で受発注しているのは非常にナンセンスである。
これは、グラフィックデザインなどの、作って収めるタイプのものから、サービスデザインに代表されるような、常に改善し続けるものへの価値のシフトが進んでいるため、その仕事に終わりはない。
アメリカではすでに納品型の契約、支払いプロセスを廃止しているデザイン会社が増えてる。契約内容は期間とプロジェクの内容ベースで行い、支払いもプロジェクトの進み具合にかかわらず、時期が来たら支払いが行われるというのが、業界の一つのスタンダードとなっている。
しかしながら、日本ではいまだに悪しき納品文化が横行しており、時代に全く合っていない。納品型のいちばんの問題は、クライアントが気にいるまでやり直しをさせられるため、デザイン会社は下請け的動きしかできなくなり、ブラック企業を生み出しやすくなる。そうなるとデザイナーの労働環境の改善は難しくなる。
加えて、発注する側もまだまだデザインに対して適切な予算が組まれていないと思われる。表面のデザインしか発注しないのが一つの理由で、真剣にデザインに対して向き合い、そのエキスパートに対して対等な予算を組んでいるケースはまだまだ少ないだろう。
場合によっては、デザインに関する予算を広告費やR&D予算から捻出してる事もあるが、これだとどうしても規模が限定的で、デザインが”片手間”な存在にならざるを得ないだろう。
【デザイナー側の問題】
実は日本でデザイナーの地位が向上しないのにはデザイナー達自身にも責任があるのではないかと思わざるを得ない。自分たちの価値をしっかりと理解していないことと、キャリアアップにたんと取り組んでいないのが大きな理由。
1. デザインを安売りしすぎ
まずいちばんの問題が自分たちの正当な価値を知らなさすぎる部分。日本ではデザインというサービスをあまりにも安く提供しているデザイナーが多すぎて、自分たちの首をしめてしまっている。
ありえないほど安い制作会社や、場合によっては無料でサービスを提供しちゃうフリーランスデザイナーなど、自らが自分たちの地位を下げてしまう事がまだまだ多い。
ビジネスに対して大きなインパクトを与える事も可能なデザインなのに、それを安売りしてしまうのは、自分たちの正当な価値を理解していないからなのかもしれない。
2. 時代に合わせたスキルを身につけていない
もう一つの問題が、時代とともに変化するデザイナーに求められるスキルや考え方に追いついていない事。以前の記事「デザイナーに必要なのはスキルアップではなくスキルチェンジ」からも分かる通り、デザイナーは新しいスキルをどんどん導入していく必要がある。
しかし、どうしても日本でデザイナーの仕事は”職人的”になりがちで、新しいデザイン領域にチャレンジしていっているデザイナーはまだまだ少ないように思われる。
そうなると結局、デザイナーという名のオペレーターになってしまうか、デザイナーと名乗っていながら実はイラストレーターであるケースが多発し、その価値が限定的になってしまう。
3. “好きを仕事”にしてる意識が高すぎる
デザイナーの安売りの元凶がこれ。自分がやりたいことをさせてもらってるから、安くてもやりたい、という考えが値引き競争が横行してしまっている原因。
なぜか日本では「好きなことを仕事にする=お金を儲けてはいけない」の概念があり、デザイナーにも浸透している。デザインは趣味の延長なので、待遇がよくなくても構わない、という考えをしてしまうと、プロとして正当な評価を受けにくくなってしまう。
また、デザインは自己表現だと考え、アーティストとデザイナーを履き違えているケースもある。そうなってしまうと、職業としてのデザイナーが成り立たなくなる。
4. 専門性が高く、ユニーク性が低すぎる
日本のデザイナーは総じてスキルレベルが高い。これはおそらく世界的に見ても間違いなく、細部にまでこだわる事のできる日本のデザイナーの能力はもっと評価されるべきである。
その一方で、一般的なデザイン能力は高いのであるが、他にまねのできないユニークな価値が提供できているケースはまだまだ少ない。優秀なデザイナーは多いのだが、どうしても似たり寄ったりになってしまい、自分にしかないスタイルやスキルが保持できていない。
例えばコーディングもある程度できるとか、英語もできるとか、データ分析に強いなど、”デザイン&”の要素を持ったユニークな人材はまだまだ国内には少ないイメージ。どうしてもデザインの専門だけを追求してしまっている気がする。
したがって、デザイン的専門性は高いのであるが、ユニークさに欠けるタイプのデザイナーばかりになり、差別化ができずに結果として価格競争に巻き込まれてしまいがちである。
5. プロとしてのビジネスディールができていない
歌手の矢沢永吉は以前に”アーティストのくせに金儲けを考えるな”と言われたらしい。しかし、ビートルズやローリングストーンズなど、西洋ではアーティストでもしっかりとビジネスディールをし、その地位が確立されていることを知り、音楽をお金に変換する事に真剣に取り組んだという。
デザイナーも同様で、デザインの仕事をすると同じぐらい、デザインをちゃんと一つのビジネスとして提供する必要がある。しかし、まだまだ多くの場合、”デザイナーなのでビジネスのことはよくわかりません“的なニュアンスで、しっかり対価を払ってもらうことから逃げている気がする。
そして、結果的には金額と契約内容が客の言いなりになり、”下請け業者”の一つでしかなくなってしまう。それではデザイナーの地位は一向に改善されないであろう。今後はデザイナーもコミュニケーションスキルをはじめとしたビジネスの仕方を学んでいく必要があるだろう。
【社会的仕組みの問題】
最後に日本社会全体の問題も考えてみたい。おそらく以前よりは格段に改善が進んでるとは思われるが、世界規模で見てみると、どうしてもデザイナーを取り巻く環境にまだまだ改善の余地があると思われる。
1. 価値のあるデザイン教育がされていない
例えばサンフランシスコの凄さの一つが、デザインスクールの数と質だろう。それも、最新のスキルを即戦力で使える人材が街にゴロゴロいる。これは、現役のデザイナーがビジネスとデザインの両方の側面で教えているのが理由。
日本ではまだまだデザインに関する適切な教育を受けられるところが少ないように思われる。もちろん美大とかでも学べるのであるが、例えばよく「UXデザインはどこでも学んだら良いですか?」の質問に対しては適切な答えが見つからない。
そもそもデザイナーはどこから出てくるのか?彼らは文系?理系?実はどっちでもなく、どっちでもある。日本の学校教育だとデザイナーが生まれる仕組みはほぼ存在しておらず、無理やり文系か理系を選択させる仕組みでは、デザイナーになりたくても、どこから始めて良いかがわからない。
アメリカだったらどこの大学でもちゃんと”デザイン学科”が存在するし、社会人でも通える教育機関があるのであるが、日本だとまだまだその環境が整っていない。
2. 人材の流動性が低い
これはデザイナーに限ったことではないが、終身雇用の概念からくる人材の流動生の低さが、待遇の悪さに繋がっている。本来優秀な人材は年齢や経験年数に関係なく、どんどんキャリアアップができるべきなのであるが、日本だとまだその感覚は低い。
海外では、プロのデザイナーとして自分のスキルを武器に企業を渡り歩くケースや、プロジェクトごとに高いギャラで結果にコミットするデザイナーも多くいるが、一部の著名クリエイティブ・ディレクターを除くと、日本では以前としてレアなケースであろう。
そうなると、どうしても現状の地位と待遇で甘んじてしまうことも多い。まあ、一部のベンチャー企業などでは最近ヘッドハンティングも増えているようではあるが、今後に期待したい。
3. いまだに広告代理店至上主義
現在の日本の産業構造では、予算の組み方や取引方法が偏っており、デザイナーの地位向上の妨げになっている。その一つが、広告代理店が多くの予算を牛耳っている事実。
そもそも”広告”は一つのデザインのフィールドでしかなく、そこに様々なデザイン案件を丸投げしている時点で、価値のあるデザインの提供は難しくなる。
代理店としても、下請けのデザイン会社に仕事は流すが、プロジェクトのイニシアチブを握ってしまっているため、実際に手を動かすデザイナーたちが、経営に直結したデザインの仕事をすることがほぼほぼ不可能になってしまう。
また、コンサル業界でも、まだまだ「経営コンサル > システムコンサル > デザインコンサル」の概念が強く、デザイン会社の地位が低い。
4. ユーザーの教育レベルが高い
一昔前のガラケーをあそこまで縦横無尽に使いこなせるのは日本人ぐらいだろうか。あそこまで複雑なケータイはアメリカンには無理だ。また、電化製品を使うときにまずマニュアルを読む。
こんな消費者は日本にしかいない。最近では直感的に使えるプロダクト以外は、ユーザーに相手にされないのであるが、教育レベルの高い日本のユーザーは、我慢強く取説を読んでくれる。
そうなると、ユーザビリティーを追求しなくても使ってくれるし、UXデザインをしっかりとやらなくても、顧客が離れなかったりする。
これがアメリカだったら、わがままなユーザーが多すぎて、極限まで使いやすいプロダクトを作らない限り、ヒット商品は生み出せない。結果として、ビジネスにおいて優れたデザイナーの重要性が高まる。
しかし、日本では適切なデザインをしていない、非常に使いにくいソフトウェアでも会社都合で使ってくれたりするので、デザインの追求がされずに、デザインの価値も理解してもらえてなかったりする。
これからのデザイナーの地位向上を目指して
我々、btraxは、クライアントと共にデザインのチカラを最大活用してイノベーティブなプロダクトを世界に広げることをミッションとしており、それを達成するためには、デザインの価値を最大限にアップさせることが重要だと考えている。
これからも、様々なビジネスにおけるデザイナーの重要性と地位の向上を目指してサンフランシスコと東京で働くスタッフが日々真剣に取り組んでいる。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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