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時代の変化でこれから生まれる8のデザイナー職
”デザイナー”という仕事は時代やテクノロジーの進化によりどんどんその内容が変化する。一昔前はWebデザイナー、そのもう少し前はグラフィックデザイナーと呼ばれていた人達もいまではUIデザイナーやUXデザイナーを名乗っている。
また、クリエイティブテクノロジストなど最近だと数年前には存在していなかった肩書きのデザイナー関連職も出て来ている。
理由は単純で、Webデザイナーやグラフィックデザイナーの仕事がどんどん減って来ているから。言い換えると、世の中のニーズが変化するにつれ、デザイナーに必要とされるスキルと役割が変わってくる。ビジネスやユーザーの問題を解決するのがデザイナーの最大の役割なのであれば、その仕事内容が求められる
いままでは1mmにこだわるのがデザイナーの仕事だったかもしれないが、これからビジネスにデザインを活用出来る人材が求められる。また、全てがインタラクティブになっていく中で、静止画をつくり出すだけでは十分ではなく、以前説明したように、これからはデザイナーとエンジニアの境界線もどんどん薄れていくであろう。
これから紹介するのは、Google, Microsoft, Autodeskなどのテクノロジー企業と、IDEO, Lunar, fuseprojectなどのデザイン会社のデザイナー達が考えるこれから新しく生まれるデザイナーの仕事内容と肩書きである。
時代の変化とともに進化するデザイナーの仕事
デザインの重要性が高まるにつれてデザイナーの仕事も広がる一方である。新たなテクノロジーとビジネス課題、そして世の中の問題を解決する為に、今後新しく必要とされる”デザイナー職”を紹介する。
1. Non-UI デザイナー
過去20-30年程の間、デザイナーがつくり出したものはスクリーン上に表示されていた。言い換えるとデザイナーの主な仕事はコンテンツを上手に表示し、ユーザーに届けたり、使いやすいインターフェースを設計する事にあった。しかし、そろそろ平面画面以外のメディア向けのデザインが必要とされる時代になって来ている。
ウェアラブルやIoTなど、これまでのパソコン、タブレット、スマホ以外の方法でユーザーとのインタラクションが必要とされるようなデバイスを中心に、UIを使わない方法、例えばジェスチャーや視点の動きなどで操作を行なうシステムのデザインを司るのがNon-UI デザイナーの仕事になる。
UIが存在しないのだから、今までの様にPhotoshopやIllustratorを利用してのデザイン作業は極端に減って行くであろう。逆に目に見えない動きやインタラクションをデザインするには、新たな表現方法が必要とされてくる。
2. VRデザイナー
ここ数年で新しいデバイスとして最も注目されているのがゴーグル型のVRデバイスであろう。3次元の仮想空間でゲームや動画などの新しいエクスペリエンスを体験する事が可能になる。加えてVRは今後教育やヘルスケア分野にまで活用される事が予想され、市場は拡大する。同時に課題となってくるのは、そのコンテンツ作りとVR型インターフェース向けのエクスペリエンスデザインであろう。
例えばリアルタイムで生成される3Dオブジェクトの表示方法や、人工知能 (AI) をベースとしたシステムを活用してVR環境内を動き回るアバターキャラクターのデザインなど、これまでには存在していなかったタイプのスキルが必要とされる。
また、リアルな画像/動画とバーチャルオブジェクトを組み合わせた形のいわゆるAR型インターフェースのデザインの出現も予想される。そこにはPCやスマホなどの既存のデバイスとは別次元の操作性とユーザー体験の設計が求められる。
3. ドローンエクスペリエンスデザイナー
VRが次世代のバーチャル空間だとすれば、リアル空間での次世代デバイスで最も期待されているのがドローン。米軍がスパイ用に活用してるとか、Amazonが配達で利用する予定があるとか、許可が無いと飛ばせなくなるだろうなど、その話題は尽きない。
今後の活用方法や操作性、プライバシーの問題など、ドローンを取り巻くユーザー体験をデザインする事が急務とされており、それにあわせてドローンに対するエクスペリエンスを設計するデザイナーの必要性も高まっている。
その操作性や利用価値、セキュリティーやプライバシーをどのようにして保持するかなど、彼らの仕事内容はかなり広い。
4. AIデザイナー
”あと5年もすればクリエイティブは人工知能が生成する”という噂がある。恐らく全てではないにせよ、ユーザーにとって最適な見た目のデザインや体験をシステムが自動的に生成する事も理論的に不可能ではない。
そうなってくるとデザイナーの仕事は無くなってしまうのか?むしろ、そのAIを最大限活用するのがAIデザイナーの仕事になってくる。
人工知能や機械学習などのシステムが得意とするところと、人間が得意な部分を掛け合わせ、システムにもより良いクリエイティブ作成を教える事によって、最も効率的で効果的なデザインを行なうのがAIデザイナーの仕事。まさに人と機械のハーモニーがゴールの仕事。
この仕事にはビジュアルデザイン、人間行動学、脳科学、ユーザーエクスペリエンス、人工知能など、多くの知識と経験が求められるが,一般そのポジションを獲得すれば将来は安泰かもしれない。
5. プロセスデザイナー
デザイン思考やリーンスタート型開発など、デザイン的プロセスがビジネスにも活用される様になり、デザイナーの仕事内容も一変した。その中で、企業がユーザーに求められるプロダクトを作成する際のプロセス全てをリードするのがプロセスデザイナーの仕事。
ユーザーが求めるニーズを理解し、それを元に仮説を立て、プロトタイプを作成し、検証、改善する。そのプロセスを管理するのが仕事内容。
その中でも最も重要なのがチームメンバーがアイディアを出しやすくし、漠然とたアイディアを具体的なカタチに変換をする事。そこに求められるのは卓越したポストイットさばきとホワイトボーディング。一見簡単そうに見えるこのタスクも実は非常に奥が深い。
例えば文字で書くよりも図解として表現した方が理解度が何倍にもアップする。
漠然としたニーズを具体化し、課題を明確化し、チームメンバーからの共感を獲得する。そして、アイディアを具現化するというポイントにおいてはユーザーとビジネスを繋げる役割。
一見いままでのPMの仕事っぽいかもしれないが、デザイン的思考とスキルが多分に求められるので,実はこれもデザイナーの仕事になってくるだろう。
参考: 【イノベーション×デザイン】深津貴之らが体感するbtraxデザイン思考ワークショップ
6. カスタマーサービスデザイナー
プロダクトのサービス化が進むに合わせ、顧客体験が重要になってくる。顧客満足を得るには製品の品質に加えて優れた購入体験やサポート体験が必須。その点ではカスタマーサービスも重要な”エクスペリエンス”。その体験をデザインするのがカスタマーサービスデザイナーの役割。
その仕事内容は、店舗、Web, Email, ソーシャルメディアなど、複数のチャンネルから得られる膨大なるデータを活用し、それぞれの顧客の行動パターン、嗜好、に対して最適なカスタマー体験の設計。今後、顧客体験の根幹をデザインするという重要なデザインポジションとなってくるだろう。
7. CDO (Chief Design Officer)
マネージャーや事業主任など、リーダーの役割をする人達にとっても、これからはデザイン的考えがとても重要なスキルになってくるだろう。物事の捉え方や解釈の仕方、また判断を下すときなどにもデザイン的考察を入れる事で、結果に大きな差が生まれる。
これは、変化のスピードがどんどん加速して行く中で、ロジックだけでは説明のつかない状況がどんどん増えていくのが理由。
企業のエクゼクティブといえば、これまではCEO (Chief Executive Officer), CTO (Chief Technology Officer), CFO (Chief Financial Officer)などのビジネス系、もしくはテクノロジー系がメインであったが、今後はデザインを理解している重役が会社にいる事がその企業の成長に重要なファクターとなるであろう。
その点では、今後CDO (Chief Design Officer)や、CCO (Chief Creative Officer)などの役職のポジションも生まれるであろう。現にAirbnbやPinterestなどのサンフランシスコ地域のいけてるスタートアップのファウンダー達はデザイナー出身が多い。
8. Uberドライバー
近い未来にシンギュラリティーが実現すれば,あらゆるデザイナーの職がなくなり、我々に残されている仕事はUberドライバーぐらいかも。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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