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シリコンバレーの起業家が失敗した後はどうなるの?
皆さんもご存知の通り、シリコンバレーには多くのスタートアップがひしめき合っている。実際のこちらの統計を見てみても分かる通り、社会人の実に68%がスタートアップに所属している。
ということは、自ずと起業家の数も多い。
そこでふと気になることがある。そう、失敗率が95%といわれるスタートアップの起業家は “失敗” したその後、どのような道を歩んでいくのだろうか?
シリコンバレーにいる周りの起業家たちを見てみると、大体これから紹介する3つのキャリアパスになっていく事が多い。
失敗後の起業家のキャリア
では、シリコンバレー地域で失敗したスタートアップ起業家がその後どのような人生を歩んでいるのかを紹介する。
1. もう一回チャレンジ
カリスマ投資家のロン・コンウェイによる「起業家になる人間は生まれつき起業家の遺伝子が組み込まれている」(エンジェル投資家の裏側教えます) の発言からも分かる通り、そもそも起業家になる人のその多くは起業家にしかなれない人たちである。
なので一度起業家として失敗した後も、次のスタートアップを始める人が多い。むしろ失敗したというよりも、その経験から多くを学んだということで、次に繋げるというロジックだ。
実際、ジャック・ドーシーやショーン・パーカー、トラビス・カラニックなどなど、現在では成功している起業家の多くもそこにたどり着くまで何度か失敗をしている。
投資する側もそれは織り込み済みで、同じ起業家に複数回投資するケースも少なくない。むしろ一度失敗したからといってあっさり諦めるのは起業家としての資質が欠けているのかもしれない。
そして、シリコンバレーには複数の会社を「起業した」人たちの事を指す表現として「連続起業家」という便利な言葉がある。お気づきだろうか?そう、別に全ての会社を成功させていなくても、何社も起業さえしていれば連続起業家と名乗って良いのだ。
まるで複数のビジネスを成功させているようにカッコよく聞こえるが、多くの場合、何社も失敗させているだけだったりする。
2. VCに就職
次はスタートアップに投資する側に回るキャリアパス。
ある程度成功していれば自分の資産で投資するエンジェル投資家になるケースが多いのだが、そうじゃない場合は外部の資金を使って投資運用を行うベンチャーキャピタル (VC) になる方法がある。
成功もしていないのになぜVCになれるのか?と思うかもしれないが、それには幾つか理由がある。
まずは、一度でも起業していればスタートアップに関してのある程度の知識と経験を持ち合わせている。プロダクト作りからピッチ、ユーザー獲得、そして資金調達まで、一通りの知見があるため、教育コストが低い。
また、元々起業家だったということで投資先のファウンダーたちからの信頼が得やすくなる。多くの起業家は若く社会人経験も少ないため、 “大人” 達への警戒心が強い。特に投資家などの金融系の人々に対しては警戒しがちである。
その点「いや、最近まで起業家だったから気持ち分かるよ。僕は他の投資家とは違って君達の味方だよ」的なキャラ設定が可能になるため、投資へのハードルが下げられるというメリットもある。
そして、元起業家の人はシリコンバレー特有のネットワーク = インナーサークルに入っている事も多く、投資会社として有益な内部情報を人づてで得られることがアドバンテージになる。
それらのメリットがあるため、スタートアップ起業家として失敗した人を積極的にリクルーティングしたがるVCも少なくはない。
3. ビッグテックに就職
そしてこれが最もシリコンバレーらしいキャリアパス。
GoogleやAppleに代表されるようないわゆるビッグテック企業は起業経験のある人材を積極的に探している。例えそれが失敗した起業家であったとしてもだ。
なぜ起業家を求めているのか?ビッグテック企業は既存のサービス運営と同時に常に新しいサービス作りも行っている。そこで重要になってくるのが起業家精神である。
しかし、1でも紹介した通り、起業家的マインドセットを持つ人間はあまり多くなく、見つけるのが難しい。
それも大企業に就職を希望する人たちはどうしてもサラリーマン気質になりがちで、リスクを取りたがらない。
実際にGoogleの新規事業を生み出すGoogle Xでは「どれだけ失敗したか」を人事評価基準に入れ、失敗した数が多いほど評価が高まる仕組みになっている。そこまでしないとなかなか斬新なアイディアを形にできる人が少ないのだ。
そんな時に目をつけたのが元起業家達。彼ら彼女らは新しいことを始めるのが大好きで、リスクを恐れない。そして大きな野望を持っている。
よく日本から来た方々に「なぜシリコンバレーのビッグテックはこんなにもイケてるサービスを次から次へとリリースできるのですか?」と聞かれる事があるが、その理由の一つが元起業家の採用にあったりするのではないかと思う。
この仕組みは日本の大企業も取り入れると良いと思うが、なかなか採用の仕組みを変えるのは難しそうだ。
スタートアップの失敗理由 Top10
その95%が失敗すると言われているスタートアップでは、その失敗に関するデータはかなり多い。数ある理由の中でダントツなのは、作り出したプロダクトが市場のニーズに合っていないケース。
このデータを見てもわかる通り、自分たちが作り出したものが本当にユーザーに求められているのかを繰り返し検証するのがとても大切だ。
日本の起業家達の末路は?
ここまでシリコンバレーでの事情を紹介してきたが、日本だとどうなのだろうか?
日本では起業家が失敗した場合、その後どうなるのか。興味があったので、会社の経営をしている友人に聞いてみた。答えは「悲惨だよ」の一言。あまり表には出ていないが、日本では起業して失敗するとその後の人生がかなり厳しくなるというのだ
それを教えてくれた友人が、一つの例として紹介してくれた記事には下記のように示されている。
“信用力の弱い経営者は、融資の担保として、複数の生命保険に加入することをなかば強制されていたことである。みずから死を選ぶことで会社への融資が返される”
引用元: 地方で自殺が急増した「意外な理由」〜日本社会の隠れたタブー
自分の友人の中でも起業経験のある数名はその後他のスタートアップに就職したり、メルカリなどのビッグテックに参画したケースは聞いた事がある。しかしいわゆるレガシー的な大企業に採用されたというケースはあまり無いのではないか?その辺も気になるところだ。
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