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エアビー(Airbnb)に学ぶ:デザイン主導の会社の成功例
“More designers should rise up and start a company.”
「もっと多くのデザイナーが立ち上がり、起業するべきだ。」
Figma, Incが毎年開催しているデザインカンファレンスイベント「ConFig 2023」にて、Airbnbの共同創業者兼CEOであるBrian Cheskyがデザイナーに訴えた。
彼のカンファレンスは、著者を含めたたくさんのデザイナーを奮い立たせた。
個人的には、過去聴いてきたトークの中で最もインスパイアリングなものだった。YouTubeでアーカイブが公開されているので、読者の皆さまにも是非観ていただきたい。
過去にもfreshtraxでデザイン主導企業をまとめたことがあるが、
今回はこの「Design-Led Companies」に焦点を当てて、Airbnbの事例と共に考察していく。
そもそも「Design-Led」ってどういう意味?
Design-LedやDesign-Drivenは日本語で「デザイン主導の」と訳せるが、そもそもこのデザイン主導とはどういう意味なのか?
ひとことでまとめると、デザイン主導の企業は、デザインをビジネスの根幹に位置する重要な要素と捉え、デザインの原則や手法を運営や意思決定に活用する企業のことを指す。
現在、ありとあらゆるもののデジタル化と共に無料のアプリケーションが増加し、ユーザーエクスペリエンスが重要視されるようになった。それに伴い、デザインの立ち位置が大きく変わり、デザインを重要視した会社がテクノロジー業界を中心に増えてきている。
現に、世界的に大きく成功しているGoogle、Apple、Airbnbはデザイン主導企業の例として挙げられる。
一般的なビジネス主導の企業となにが違うのか
では、デザイン主導であることにより、具体的に何が違うのか。
違いは大きく分けて三つある。冒頭でも紹介したAirbnbの事例と共にご紹介する。
1. デザイン重視の企業は、ユーザーのニーズを重視。一方、通常の企業は、利益や目標達成を重視する。
Airbnbはユーザー体験を重視しており、その文化や価値観はその中心にある。
これは「Belong Anywhere(どこにいても居場所がある)」という彼らのモットーからも見え隠れするが、これは彼らがユーザーがどこにいても自宅のように感じることを目指していることを示している。
このユーザー体験センタードな考え方は、freshtraxでもよく取り上げられるデザイナーの基礎の部分となるデザイン思考に基づいている。(参照:Airbnb)
例えば、Airbnbは、ユーザーが快適に滞在できるような独自のユーザーインターフェース(UI)や機能を開発している。
これには、利用者が写真を見て宿泊先を選択できるような直感的な検索エンジン、利用者同士が予約前にコミュニケーションを取り合えるメッセージング機能、予約後のサポートや現地でのアクティビティの提案などが含まれる。
また、Airbnbは宿泊先だけでなく、ユーザーが現地でのローカルな体験を楽しめるようなサービスも提供している。
例えば、ホストが地元のおすすめスポットやイベントを紹介する「エクスペリエンス」機能や、地元のガイドとしてユーザーにサービスを提供する「アドベンチャー」機能などがある。
2. デザイン重視の企業は、製品を改善するために、ユーザーテストやフィードバックを繰り返し行う。一方、通常の企業は、より単純な開発プロセスを追求する。
ユーザー体験の優先度が高いということは、必然的にお金をかける部分も一般企業とデザイン主導の企業で変わってくる。
Airbnbは、製品開発においてユーザーのフィードバックを積極的に取り入れている。
彼らは定期的にABテスティングを含むユーザーリサーチを行い、その結果を元にプラットフォームを継続的に改善している。例えば、ユーザーが予約を行う際の手順をシンプル化するなど、常にユーザーのニーズに応えるよう努めている。
3. デザイン重視の企業は、製品の外見や感覚にこだわり、ユーザーとの強い関係を築く。通常の企業は、機能性を重視し、外見や感情よりも機能性を重視する。
彼らのウェブサイト、プロダクト、マーケティングマテリアルをみると、彼らがこれらに力を入れているのは一目瞭然ではないだろうか。
さらに、Airbnbはメインである宿泊設備予約のサイト以外にも、マガジンを作成したり、オフィスのインテリアデザインにも注力している。
AIの発展から急速に加速していくDX。重要になるのはデザイン的思考?
数字からも見てとれるデザイン主導の会社の成功とそれらの会社から誕生し続けるイノベーションの数々。
このデジタル化が加速していく今、大事になってくるのは、利益やゴールに囚われないデザイン的思考をビジネスに取り入れることかもしれない。
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