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生成AIがこれからのデザインに与える4つの大きな影響
生成AIが世の中で注目されてから約一年ほどが経過した。
去年の今頃はChatGPTの威力に驚き、画像生成の面白さに狂喜乱舞した人たちが、頻繁にそのノウハウや出力した “作品” を自慢げにSNSポストしていた。
そして現在はどうだろう?
恐らく少し落ち着いてきたかな?と感じる。それとも皆少し食傷気味になってるのか、生成AIによる画像でドヤできる感じではなくなってきた。
その一方で、確実に時代は進んでおり、各種業務でのAI活用は着実に進んでいる。
そんな中でも今回はデザイン領域にフォーカスを当てた、生成AIの活用方法、よりカッコよく言うと「生成AIがデザイン業界に与えるインパクト」をまとめてみた。
大きな変化として考えられるのは下記の4つ。
- ワークショップでの活用
- サービスデザインのプロセス変化
- 動画生成に活用
- ブランドエンジンを生成・活用
1. ワークショップでの活用
恐らくみなさんの中でもデザインワークショップに参加された方もいると思う。
新しいアイディアを出したり、既存の企画の可視化、およびプロトタイプを利用したユーザーテストなど、現在のデザインの現場では、ワークショップ活用が一般的になってきている。
我々btraxでも、新規商品の企画出しのためのデザインスプリントや、既存サービスの海外展開におけるフォーカスグループなどなど、多様な場面でワークショップ活用をしている。
その中でも、アイディアの可視化、コミュニケーションの補助、そしてブランドイメージ構築のための方向性を決めるための手法として、様々なビジュアリゼーションを行う。
しかし、慣れていない参加者の場合、それが難しい。もちろんbtraxのデザイナーが一緒になって可視化を行うのであるが、出力できる量には限りがある。
そこで生成AIの出番となる。
例えば、下記の例のように、考えたサービスアイディアの粒度を上げるために、ストーリーボードを生成AIを活用してアウトプットする。これはAirbnbの例であるが、よりそのサービスイメージを得やすい結果となっている。
2. サービスデザインのプロセス変化
AIの威力はサービスデザインのプロセスにも大きな影響を与え始めている。
というのも、これから作り出される商品やサービスは、よりユーザーが使いやすいものにするため、その多くにAIが実装される。
例えば、これまではアプリ経由で餃子のデリバリーを頼む場合、Uber Eatsや出前館のアプリを開き、その中で最もお手頃な食べ物を選んで、オーダーをしていた。
しかし、近い将来はAIソフトや、AIエージェント、そしてスマホ自体にAIが実装された場合、ユーザーは「一番早く、安く餃子が届くようにオーダーして」とだけ言えば、残りのプロセスはAIがやってくれる。
ということは、全体のユーザー体験 (UX) プロセスが大幅に変わる。そして、UIの量も格段に少なくなっていく。
サービスデザイナーとしてみれば、それを考慮したサービス設計が必要になってくるのだ。
実はこの「AIエージェント」というコンセプトは、実際のハードウェアとしても発表されている。
Rabbitのr1や、SoftBankが投資するHumane のAI Pinなどである。
今後これらのプロダクトが普及すればするほど、ヒトとテクノロジーの関係性がどんどん変化し、そこに必要とされるUXデザインやサービスデザインの概念が大幅に変化していくだろう。
3. 動画生成に活用
恐らく生成AIで、現在最も注目を集めているのが動画作成での利用だろう。
これまでもStable DiffusionやMidjourneyなどの画像生成系AIツール経由で画像を生成し。それを動画に変化する方法で “ハック” しながら動画作成を行ってるケースは見られた。
しかし、先日のOpenAIによる動画生成サービス Soraの発表で、この領域への注目が一気に高まった。そのリアルな表現で、動画作成に対するAIの威力がどんどん高まり、次の次元に進んだ感があるからだ。
Soraに加えて注目したいのがPikaだ。
サンフランシスコで定期的に開催されているAIイベント「AI for Designers」で会ったPikaのファウンダーの一人であるMatanによると、Soraが映画クオリティーの動画作成を目指しているのに対し、Pikaはよりカジュアルな動画生成にターゲットを絞っている。
特にアニメ調のショートムービーや、CM, ミュージックビデオの生成などはPikaが得意とするところ。
例えばこの動画を見てほしい。元々約1,200万円ほどの予算で撮影・編集されたサボンのCMを、元の動画を一歳利用せず、プロンプトと商品画像だけを利用して、AIによって1日で再現したもの。
恐らくこのくらいの長さであれば、ほぼ全てAIで生成し、編集してしまえば、かなりコスパの高い方法でアウトプットが得られるだろう。
4. ブランドエンジンを生成・活用
もう一つ生成AIが活躍しそうなフィールドがブランディングである。
これまでの一般的なブランディングは、下記の様に、調査からアウトプットまで、全て「人力」で行う、かなり属人的で地道なプロセスだった。
そこで、より効率を上げ、ブランドの統一性を保持するた目的で、今後は生成AIの活用に注目したい。
ChatGPTsなどの生成AIツールでは、個々のユーザーによってチューニングが可能。AIが出力する内容を、それぞれの好みに合わせて「味付け」が出来るのだ。
ブランドのトーンやバリュー、パーソナリティーなどをAIに教え込むことで、それぞれのブランドに合わせた「AIブランドエンジン」が生み出される。
一度AIブランドエンジンをセットアップしてしまえば「うちのブランドっぽい広告生成して」とか「今度の商品のリリース文章をうちのブランドのトーンで書いて」などの指示をするだけで、AIが生成してくれるという仕組み。
これはではかなり手間のかかる「ブランディング」領域でも生成AIを導入することで、効率化と精度アップが見込まれる。
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