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VRの仕組みで押さえるべき3つのポイント
「VRとは一体何か?」、「どうして別世界にいるような感覚になるの?」こんな風に感じたことはないだろうか?今回は、VRが私たちの脳にどのような影響を与えているのか分かりやすく解説したい。
まず基本知識として、Oculus、Sony、HTC、Samsung Googleなどが開発するVRヘッドセットのセットアップには以下の3つが必要である。
- パソコンやコンソール、スマートフォン(ゲームやアプリの使用に必要)
- ヘッドセット本体
- ヘッドトラッキングやコントローラー、ハンドトラッキングなどの付属品
ユーザーがVRヘッドセットを通じて得られるリアルな体験は、ユーザーにその世界がコンピューターの映像であることを一瞬で忘れさせる。そして、ヘッドギアをつけていたことさえ忘れさせ、あたかも現実にいるかのような感覚にさせるだろう。では、どのようにしてそのような体験を作っているのか。
VRの基礎
Oculus RiftやPlayStation VRのようなVRヘッドセットは、HDMs(ヘッドマウントディスプレイ)と呼ばれる。例え音声やハンドトラッキングがなくてもGoogle Cardboardにスマートフォンを入れ、画面が目の方向を向くように設置すれば、それだけでVRの没入感を味わうことができる。
しかし、ハードウェアとして目指すゴールはテレビやコンピューターのようなスクリーン画面を見せるのではなく、3Dバーチャル環境で辺り一面をリアルなサイズで見せること、つまりどこを向いても見た方向の景色が映るようにすることである。これは、実際に見えている世界の上にグラフィックを重ねるARとは異なる仕組みだ。
映像の映し方には2パターンあり、1つはHTC’s ViveやRiftのように、コンソールもしくはコンピューターからHDMIケーブルを通してヘッドセットに送られるもの。もう1つは、Google’s DaydreamやSamsung Gear VRのようにヘッドセットにスマートフォンを入れて映像を映すものがある。
また、両目にそれぞれ焦点を合わすことで映像が見える仕組みなので、2枚のレンズもそれぞれ異なる2D画像を映しており、それらの角度を調整することによって立体的な3D映像を作り上げている。これは予備知識にすぎないが、映像がフリーズしたり、プレイヤーが酔わないために必要な最小のフレームレート(単位時間当たりに処理できるフレーム数)は約60fpsと言われている。
しかし、最近のVRヘッドセットはこの基準を超えていて、Oculusは90fps、Sony’s PlayStation VRは120fpsと言われている。
【ポイント1】ヘッドトラッキング
ヘッドトラッキングとはVRヘッドセットを装着したとき見える映像が、顔を見上げれば上がり、見下げたら下がり、左右や頭の角度にも対応できることを指す。6DoFと呼ばれるシステムによって頭の動きを前後、左右、上下に検知したものを、コンピューターはx,y,z軸で描く仕組みになっている。ヘッドトラッキングシステムの内部は、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計などいくつかの要素で構成される。
Sony’s PSVRは、360°どこを向いてもヘッドトラッキングができるよう、ヘッドセット内に9つのLEDが入っており、更に部屋に設置したPS4カメラでこれらの信号を読み取っている。ちなみに、オキュラスは20個のライトが入っているがそれほど明るくはない。
高度なヘッドトラッキングと言われるには、レイテンシが小さいことが重要である。レイテンシとは、ある装置間において、一方がもう一方へデータを要求してから、そのデータが実際に届き始めるまでの時間を指す。ここでの時間のラグ(遅れ)は50ミリ秒かそれ以下でなければならず、そうでなければ顔の向きを変えたときに画面の対応が少し遅れてしまうのだ。
驚くことに、Oculus Riftはたったの30ミリ秒のラグに収めている。ラグは、ヘッドトラッキングだけでなく、モーショントラッキング(手や腕の動きを追跡する技術 ex.PS Move-styleコントローラー)においても繊細な問題である。
また、没入感を更に高めるためにヘッドホンが導入され始めた。アプリやゲームのデベロッパーは、臨場感のある音を演出するためバイノーラルや3Dオーディオを取り入れているが、これにより音が背後や横、また、遠くから聞こえるような感覚を与えることができるようだ。
【ポイント2】モーショントラッキング
ヘッドトラッキングは高性能なVRが持つ大きな魅力であるが、大半のVRプレイヤーは未だモーショントラッキングで楽しんでいる。VRヘッドセットをつけて下を向いたときにバーチャル世界でも自分の手が見えていて欲しいためだ。
Oculusは以前、2つのカメラがついたキネクト(音声認識で操作できるデバイス)で人の動きを検知していたが、最近エキサイティングなトラッキング手法を開発しているようだ。なお、ワイヤレス・コントローラーOculus Touchは、VR内で自分の手を使っているように感じられる。
例えば、シューティングのゲームを例に挙げると、コントローラーを掴み、ボタンや親指スティックを使えば、あたかもトリガーを引っ張って銃を撃つように感じる。コントローラーにはマトリクス上のセンサーが搭載されており、指差しや手を振るなどの動作に反応する。
【ポイント3】アイトラッキング
最後の解説はアイトラッキングだ。アイトラッキングとは、赤外線センサーが目の動きを追うことでプレイヤーのがどこを見ているのか確認できることを指す。RiftやVive、PS VRには搭載していない機能だが、VRのスタートアップFOVEはアイトラッッキングに力を入れている。
その仕組みは、赤外線センサーがヘッドセット内の目を確認することで、視点がVR内のどこを追っているのか分かるもの。最大の利点はフィールドの奥行をよりリアルに再現できる点である。
普段の生活の中で遠くを見ていたら近くがぼんやりしてくるのが普通だと思うが、従来のVRヘッドセットでは全てのモノに焦点が当たってしまい、映像全てがはっきりと映ってしまっていた。しかし、アイトラッキング搭載のFOVEグラフィックエンジンなら、VRの3D映像でも普段の見え方と同じような見え方を体感することができるので、よりリアリティある世界観を生み出すことができるのだろう。
参考:
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