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デザインの力でケチャップ詐称を見抜け!ハインツのキャンペーンが面白い
アメリカの大手ケチャップブランドのハインツ。そのクラシックなボトルの形が印象的で、世界中のファーストフード店に置かれている。
ただ、オリジナルの瓶ボトルはその使い勝手の悪さから、UIとしては素晴らしいけど、UXが最悪との評判で、最近は上下逆さにしたプラスチック製のボトルが主流になってきている。
ボトルの中身を詐称するケースが多発
そんなケチャップの代名詞とも言えるハインツだが、一つ大きな課題を抱えている。レストランやファーストフード店にてそのボトルに中身をより安価な他社メーカーのケチャップを入れ替えている疑いだ。
これを彼らは Ketchup Fraud (ケチャップ詐称) と呼ぶ。
最近ではそれを逆手に取ったキャンペーンを展開し、話題を集めいている。
これは “’Even when it isn’t Heinz, it has to be Heinz’ ” (ハインツじゃなくても、ハインツじゃなきゃダメなんだ) と呼ばれる広告キャンペーンで、レストランの厨房でこっそりボトルの中身を入れ替える写真や動画を見せ、より “本物感” を演出。
デザインの力を活用してケチャップ詐称を防ぐキャンペーンを展開
そんなケチャップ詐称に対応するべく、ハインツ社は世界共通の色見本帳を提供するPANTONE社とパートナーシップを組み、公式のケチャップ色 = Heinz Redを制定した。
そしてその色をケチャップボトルのラベルに印刷することで、内容物との相違を目視で可能にし、本物を識別できるようにした。
トルコのレストラン500店舗以上で展開
この “Is that Heinz” と呼ばれるキャンペーンは、大手広告代理店のWunderman Thompsonによってトルコ国内のレストラン500店舗以上で展開された。
ハインツのボトルに入っているケチャップとラベルの色との違いで、Heinz, Not Heinz, Still not heinz, Is that even ketchup? と表記されたクリエイティブと、動画を作成。
ハインツの本物感を演出する結果に
このキャンペーンは、合計10万回以上シェアされ、同ブランドの知名度をアップさせただけでなく、ハインツ以外は偽物 = ハインツだけが本物であるイメージ構築に貢献した。
デザインがユーザーの課題の解決と、ブランド構築の両方を上手に達成した好例と言える。