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【推しの子, ハイキュー!! etc,.】有名アニメキャラに学ぶ デザイン思考のマインドセット
世界的に高く評価されている、日本のアニメ。
ストーリーが面白い、作画や音楽のクオリティーが高いことはもちろん、教訓や考え方だったり、はたまたトリビアだったり、たくさんのことが学べるので、著者はそんなアニメ文化が好きだ。
先日、いつも通りごろごろしながらアニメを観ていたら、デザイン思考のマインドセットに通ずる教えやセリフがあった。今回はそれらを3つご紹介する。
「デザイン思考」というと難解に聞こえがちだが、アニメのようなエンタメの媒体からも、そのフィロソフィーを学べることがあると知っていただけたら幸いだ。
デザイン思考とは
そもそもデザイン思考とは何か。
簡単にご説明させていただくと、私たちが定義するデザイン思考とは、「人(生活者・ユーザー)やその暮らしを深く理解し、人々が上手く言い表せない本質的な課題や願望を見つけることからより良いモノ・サービス、社会を作ろうとするマインドセット」である。
より基礎からデザイン思考について学びたい方は、以下の記事を読んでいただきたい。
このデザイン思考の手法をbtrax流に簡易化すると「観る」「気づく」「ひらめく」「試す」の4つのフェーズに分けられる。
もちろん実際のプロセスはこんなにシンプルではない上に、プロセス間を行ったり来たりすることもあるが、基本の骨組みとしてこのようなモデルで表すことができる。
漠然としたテーマから始まり、リサーチとその分析を通して方向性を決めていく。その後、その方向性から定められたゴールを達成するにはどうしたらいいのか、アイディア出しと検証を繰り返し、よいサービスやプロダクトは作られていく。
このデザイン思考についての基本的な知識を踏まえた上で、以降を読んでいただきたい。
【この記事で紹介するアニメと登場人物のセリフ】
- 推しの子 / 黒川あかね
- ブルーロック / 潔世一
- ハイキュー!! / 田中龍之介
推しの子 / 黒川あかね
特徴はやっぱりあの瞳…自信から来るもの?
1つ目のセリフは、2023年春アニメの大ヒット作「推しの子」から。
高校2年生の天才女優 黒川あかねが、アイドル 星野アイを完全にトレースするために、彼女の特徴や生い立ちをネット検索し、写真や動画を観ることで、性格や彼女がしそうな行動まで深く分析をしているシーンだ。
UI/UXデザイナーやリサーチャーとして活躍されている方の中には、このシーンに対して「おっ」と思う方もいたのではないだろうか。
黒川あかねの圧倒的な洞察力とプロファイリング能力には正直少しゾッとするが、UI/UXデザイナーとしてはリスペクトせざるを得ない。
また、彼女が星野アイを観察・分析する過程で、気づいたことを付箋に書いて壁にペタペタ貼る様も、デザイン思考のプロセスでよく見る光景で、私たちも頻繁に使う手法だ。
気づきをただ書き上げるだけでなく、「なぜそのような性格なのか」「なぜこの行動を起こしたのか」「背景に何があったのか」などを深く考察する彼女の姿勢は、まさにリサーチャーの鑑だ。
先ほどご紹介したデザイン思考のモデル前半の「観る」「気づく」で行われる観察研究やヒアリング、分析は、その後のサービス・プロダクト制作の基盤になる最も重要な部分で、ペルソナの理解は深ければ深いほど良い。
ペルソナを熟知していると、黒川あかねのようにそのペルソナになりきることができる。すると、そのペルソナにとって何が問題なのか、何を求めているのか、を理解しやすくなるからだ。
ブルーロック / 潔世一
今までの自分にとらわれるな。変わるってのは、今までの自分を壊すことからしか始まらない。
日本一のストライカーを目指す高校生サッカープレイヤー達の物語、「ブルーロック」。
他選手と試合をする中で、主人公の潔世一は今の戦略と行動では他の天才たちに敵わないと考え、行動の前に思考から根本的に変えなければいけないことに気づく。
いつもと異なる視点から物事を捉える、思考プロセスを変えてみる、というのはデザイン思考における「ひらめく」のフェーズのアイディア出しで必要になってくるクリエイティブスキルだ。
自分の中に自分の常識、いわゆるバイアスは必ず存在する。ただ、その自分の常識を破らなければ新しい視点、新しい発想は手に入らない。
口で言うのは簡単だが、自分のバイアスを解くというのはとても難しい。
しかし、潔世一のように自分自身をパズルのピースのように分解して、新しい情報のピースを練り込んでまた作りなおすことができると、視野や物事の見え方が広がり、既存の枠組みを飛び越えた斬新なアイディアが出しやすくなるだろう。
ではこういったバイアスを実際に自力で解きたい時はどうしたら良いだろうか?
ガチャガチャを例に挙げてみよう。あなたは今、ガチャガチャで当たりを引こうとしているが、なかなか当たりが出ない。しかし、「ここまでお金をかけたから、当たりが出るまで続けないともったいない」と続けてしまう。
このように、すでに支払った費用やコストに対して「もったいない」や「無駄にしたくない」という心理が働き、合理的な判断ができなくなる現象を「サンクコストの誤謬」と呼び、バイアスの一種である。
では、このバイアスはどうしたら取り除けるのか?ひとつの答えは、「第三者の視点から考える」だ。
もし自分が外部の人間で、今の自分を観察しているとしたら、なんと声をかけるだろうか?そのまま続けることを提案するか、それともこれ以上は無駄だと止めるだろうか?
物事を客観的に見ることはさまざまな状況下において重要視されるが、自分自身のバイアスや「当たり前」を刷新したい場合も同様だ。
ハイキュー!! / 田中龍之介
できるまでやればできる。
デザイン思考はアイディアを出して終わりではない。むしろそこからプロトタイプを作成し、ユーザーテストを何度も何度も繰り返し行い、プロダクトやサービスのさらなる改善を目指すことが肝要だ。
自分やチームでは良いと思っていたデザインでも、いざユーザーに試しに使ってみてもらうと、彼らのニーズと合致していなかったり、テストを通して新しい発見があり、またサービスの練り直しやフェーズ1のリサーチからやり直しになることも多々ある。
ゆえに、このデザイン思考のプロセス、特に4つ目のフェーズ「試す」はかなり根気と忍耐が必要なるのである。ということで、最後にメンタリティーの面に響く、アニメ「ハイキュー!!」からアウトサイドヒッター田中龍之介の名言を紹介させていただこう。
これは、田中龍之介が何度も何度も相手チームのブロックにスパイクを止められ、めげそうになりつつも、このセリフと共にスパイクを決める、という最高にかっこいいシーンだ。
しかし、ただ単純にスパイクを決まるまで打ち続けていただけではない。この大会の前に練習試合先のエースの超インナースパイクを見て学んで、それからずっと練習をしてきた上でのパフォーマンスだ。
また、このスパイクを打つ際も、ブロックやレシーバーの位置などたくさんのことを考えている。
「無鉄砲」とはまた少し違って、それまでのプロセスももちろん大事であることも心に留めていただきたい。この教訓に関しては、デザイン思考に限らずさまざまな面で生かせそうだ。
まとめ
今回は、アニメのシーンやセリフから、デザイン思考のマインドセットに通ずる学びを3つご紹介した。この記事を通してノンデザイナーの方にもデザイン思考やデザインを身近なものに感じていただけていたら嬉しく思う。
アニメの力強いストーリーテリングには心を動かされる。アニメという、映像と音楽、そしてストーリー性が伝わるメディアだからこそ伝えやすいメッセージもあるのだろう。弊社でも、アニメを活用した企業のブランディングのプロジェクトを行っている。
ヤンマーホールディングス株式会社さま『未ル』Anime Expo 2023 出展プロジェクト
btraxではデザイン思考を活用してのサービス向上のサポートや、企業向けにデザイン思考のワークショップを行っている。弊社のサービスにご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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