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プロデザイナーの素質とは?プロになれる人はここが違う
「はたして自分はデザイナーに向いているのだろうか?」デザイナーを目指す人が必ずは自問自答した事があるはず。
特に最近のデザイナーに求められる範囲が、ビジネスやコミニュケーションまで広がり、幅広い教養とバランスの取れた感覚が必要とされてきている。今までの様に「黙って良いものを創る」職人気質ではデザイナーとしての仕事に限界が訪れている。
デザイナーというのは最も残酷な職業の一つで、、10分で最高のデザインを創り出せるデザイナーもいれば、10時間掛けてもしょぼいものしか出来ない人もいる。勉強と頑張り、それだけでは乗り越える事の出来ない壁がデザイナーという仕事には存在する。起業家が特殊なDNAを持ち合わせている様に、恐らく優れたデザイナーには何かしらの遺伝子が組み込まれているはずだ。
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プロの片鱗を感じるデザイナーの気質
優れたデザイナーとそうでない人を分けるのは”センス”の一言で表現する事が多いが、果たしてそうなのであろうか? 実際に会社でデザイナーを採用し、育ててみると同じスタート地点でも伸びるデザイナーとそうでは無いケースがあり、それぞれに幾つかの法則がある事に気づいたので、まとめてみる事にした。
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雑用を楽しむ事ができる
仕事が楽しいかではなくて、楽しく仕事ができるかが重要。どんな雑用でもクリエイティブに行なう事で楽しさを見つける事が出来る。例えば、ハガキに切手を貼るような単純作業であったとしても、タイムトライアル型にして複数のやり方を試す事で最も効率的な方法を見つけたり、エクセルのコピペでも文字列をどれだけ綺麗に枠の中に収めることの可能な幅を見つけるなどして、楽しむ事が可能になる。
デザインの仕事は以外と単純作業も多く、退屈になりがちであるが、どんな小さな雑用でも創意工夫が出来る人はデザイナーとしての将来が期待できる。
制限をクリエイティブへの起爆剤にする
デザイン、クリエイティブなどの言葉を聞くと無限の可能性の中で自由な発想を元に物事を創り出す事を創造しがちであるが、実は現実は全く逆。デザイナーにはかなりの制限が与えられ、その中で最も効率的な解決方法を見つけ出すのが仕事となる。
従って、デザイナーの仕事を”自己表現”と考えている場合は、この仕事には向いていないだろう。逆にその制限クリアする為のクリエイティブな手法を考えられるタイプの方が向いている。
減らす事に快感を感じている
最も優れたデザインとは、これ以上加えることの出来ない状況ではなく、これ以上削る事の出来ない状態である。無駄を最大限に削りとり、目的達成の為の最短距離を見つけ出し形にする事がデザイナーの最も重要な仕事である。その点で言うと、モノやファイルなどを減らす事を喜びと感じられる人はデザイナーの資質があると思われる。
相手への思いやりがある
デザインをするからには、その先にユーザーや消費者などの相手が存在する。デザインプロセスの第一歩であり、最も重要なのはその相手の気持ちを理解出来る事。相手への思いやり無くしては良いデザインをする事は出来ない。
そもそも万人ウケするデザインは品質が低い事が多く、的外れなデザインは目的を果たす事ができない。普段から相手の事を思いやって、相手の気持ちを創造出来るタイプはプロのデザイナーの資質があると思われる。
批判を恐れない
最初のデザインが一発OKで通る事はほぼ無いと思って良い。むしろ社内外のレビューセッションでとことんやり直しをさせられる。それもその多くはかなり理不尽な理由で。一回OKになったデザインがクライアントの気まぐれで後から変更になる事は日常茶飯事で、プロのデザイナーは自分の創り出したデザインを批判される事に対して前向きに取り組めるメンタリティを持っている必要がある。
“デザイナー”という職業に過度な憧れを抱いていない
「デザイナーってかっこいいですね。」絶対に間違っている。外から感じるイメージと実際の現場のギャップはかなり大きい。下手に良いイメージを持っていると、あとあとショックを受ける事になる。
学ぶ前に創りはじめる
おそらく「デザイナーになる為にデザインの勉強をしています」という状態の人は実はデザイナーには向いていないかもしれない。というのも、本当にプロになる人は勉強をするのと同時に既に何かしらを創り始めているケースが多い。
技術や知識が身に付くまで待っていられないのだ。この、クリエイティブの先走りが、やりながら覚える最も良いスキルの獲得方法になる。「どうやって勉強したら良いだろうか」と思う人は、まずはJust do it!
自分のこだわりを貫く為に、未完成のものは見せない。これが大きな間違いで、良いデザインを創り出すには顧客との二人三脚が不可欠。その為には簡単なコンセプトやラフが出来た時点で上司やクライアントに相談出来る気質の人の方がプロに向いている。
無駄なオリジナル精神を持っていない
プロのデザイナーになるにはクリエイティブである事が一番重要であると思っている人は危険である。実際のデザインの現場に経ってみると、実はその内容はかなり地味で、単純作業の繰り返しである事も多い。
まして自分のオリジナルなアイディアが採用される事はほぼ無いと言って良いかもしれない。全てのクリエイティブは既に誰かによって創り出されている。
我々デザイナーの仕事はそれをどのように活用して問題解決に繋げるかである。派手でキレイな仕事をイメージしている人は恐らく始めてからそのギャップに落胆し、プロの道を断念してしまうだろう。
知らないルールは破らない
アメリカのデザイン学校で講師に言われた一言、”You can break the rules only when you know them.” 奇抜なデザインをしたい場合は、まずはデザインに関しての基本的なルールをまずはしっかりと勉強してから。ルールを知らずに破ってしまうと単なる無知の遊びになってしまう。
自分が創り出したものに固執しすぎない
クリエイティブになりすぎないとの同時に、自分が創り出したものへの主観的愛情を持ちすぎない事。デザインはあくまで顧客やクライアントがあっての仕事。デザインを自己表現のツールだと思っていたら大きな間違い。たとえ自分の創り出したデザインを何らかの理由で変えなければいけない場合でも、その理由を理解して受け入れる事。
こだわるポイントと妥協点を理解出来ている
デザインにはこだわりが必要であるが,妥協しなければならない事も多々ある。では、どこでこだわってどこで妥協しても良いのか。そこがプロとアマチュアデザイナーを分けるポイントにもなってくる。ユーザーに対して最も最優先する事項はこだわり、それ以外は柔軟に変更出来る様に考えるのが良い。
学校以外での学習方法をしっている
「どこでデザインを勉強したら良いでしょうか?」もっともよくきかれる質問の一つである。そして、最も答えに困る質問でもある。理由は出来る奴は既になんらかの方法で勝手に学んでるから。
学校でも教えてくれるが、学校で教えてくれる事だけでは絶対にプロのデザイナーになる事なんて出来ない。最近はオンラインでも豊富なリソースがあるので、活用してみるのもよいかも。
履歴書のタポグラフィーとレイアウトが洗練されている
履歴書は実はデザイナーとしての実力を表現する最も最初のクリエイティブである。この書類のデザインをどのように行なうかで、アメリカだとデザイナー職に対しての履歴書をワードで出した時点で秒殺される。また、内容のレイアウトやタイポグラフィーなど、デザインの基本が出来ていない場合でも不採用となる。
田舎育ちである
昔だれかが「自然に勝るデザインは無い」と言っていた。確かに自然の造形には全てその色、カタチになっている理由があり、優れた機能性が備わっている。小さい昆虫から大木まで、そんな自然が創り出したデザインを見て育った人は、デザイナーに向いているのかも知れない。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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