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シリコンバレーのキーパーソン3人が語る、次世代イノベーションとは
3/21にSOY TRIPというイベントで、次世代イノベーションをテーマにしたセミナーがサンフランシスコで開催された。このSOY TRIPとはShop of the Year Tripの略称であり、楽天市場で年間トップ100に選ばれたショップを祝い、毎年彼らをシリコンバレーに招待しイノベーションや次世代のビジネスを学ぶ為のプログラムが組まれる。
このプログラムに参加出来るのは実に全出展ショップの中でも上位0.3%だという。まさに彼らは日本のECを代表する企業であり、それぞれを代表する起業家および楽天スタッフが合計100人程サンフランシスコに集まった。
セミナーシリーズ一日目にシリコンバレーを代表するキーパーソンとして、500 StartupsからGeorge Kellerman, Airbnb CTOであるNathan Blecharczyk, そして弊社 CEOであるBrandon K. Hillが次世代のイノベーションをテーマに登壇した。
セミナーは3月5日の午前中から市内中心部にあるホテルで開催された。完全プライベートイベントであるが、今回はそれぞれのプレゼンテーションの様子をご紹介する。
“とりあえずやってみろ”
by George Kellerman – Investment Partner, 500 Startups
シリコンバレーを代表するスタートアップ向けアクセレレーターの500 Startupsにて日本、アジア戦略担当を務めるGeorge Kellermanは日本のビジネスリーダーに向け、次世代を切り開くイノベーションを創出する方法について語った。
みんな、この写真は知っている?
これはバチカン市国にてローマ法王の謁見の際に集まった民衆の姿を撮ったものである。2005年には誰もモバイルを利用していないのに対し、8年後の2013年にはほぼ全ての人々がスマートフォンやタブレットで写真を撮っている。これは、たった8年の間にモバイルが普及した事実を端的に表している。
2007年にAppleがiPhoneをリリースしてから、スマートフォンの普及が著しく進み、iPadの普及で多くのアメリカ国民がタブレットデバイスを所有する様になった。5年後にはもしかしたら全ての人々がタブレットを所有しているかもしれない。
この写真を見て考えてほしいのは、8年前と今では人々の生活スタイルも違えば、市場のニーズも違うという事。2005年より前に出来た会社がもし今でもその頃と同じプロダクトやサービスを提供していたとしたら、一度すべてを考え直した方が良いだろう。市場のイノベーションに対応出来る様に企業も常にイノベーションを生み出さなければいけないからだ。
タッチパネルが発明されたのはいつ?
スマートフォンもタブレットも無かった2005年に、誰が8年後にこのような状況を想像しただろう?でも、この写真で見られるイノベーションは一晩にしてなったものではないんだ。タッチパネルが一番最初に発明されたのはいつごろだと思う?答えは1965年。意外と昔だよね?
その当時は航空管制レーダー用に作られた。それから何度も改良が重ねられその後PalmやAppleのニュートンなど消費者向けのプロダクトにも使われたが、あまり成功はしなかった。
そんな前からこの最先端とも思えるテクノロジーがあったのに、誰もヒット商品を上手く生み出す事が出来なかったんだ。技術はあったのに、イノベーションは生み出す事は出来なかった。
その当時はAppleでさえもタッチパネルを実装したニュートンをリリースしたけど、鳴かず飛ばずだった。でも彼らは自分たちの信じるビジョンの実現のため諦める事はしなかった。
その後も試行錯誤を繰り返し、インターネットやモバイル環境が整った時代にもう一度iPhoneやiPadといったデバイスをを世に送り出し、人々の生活にイノベーションを起こした。
そして、その情熱と執念が現在のスマートフォンの普及であったり、これからリリースされるスマートウォッチの発展にまで繋がっている。
そして、次のイノベーションが起きるサイクルは明らかに速くなっている。インターネットとモバイルデバイスの普及で、多くの人がリアルタイムで情報を交換する様になり、情報の伝達スピードとテクノロジーの進化を加速させたのが理由だ。
ユーザーが思いつかないものを創り出せ
覚えておいてほしいことは、イノベーションとは誰も想像もつかないところから生まれるものということ。Appleはカスタマーの声を聞いてからプロダクトを作ったりはしない。彼らはとりあえずやってみる!の精神で、自分たちのプロダクトを世に送り出してきた。
いつだって、プロダクトを発表する段階というのは、始めから成功できるという確実な状況などない。それでも世の中に無いものを創り出し、人々の生活を改善する為に頑張るんだ。
売り上げや利益が全てではない
ある程度の顧客を獲得し、売り上げは安定期に入っているトップマーチャントの君たちに伝えたい。現在君たちが最も気にしているのは財務諸表を見て、次の一年をどのようにして売り上げを伸ばしていこうとか、顧客の意見を取り入れてこう改善していこう、とかだと思う。
しかし、次にイノベーションを起こしたいと思うのであれば、君たちがするべきことは現在のカスタマーの声をあえて聞かないことだ。そうしないと、目先の利益を上げることやカスタマーの声に合わせたプロダクトしか作れなくなる。
もう一度、ビジネスをスタートしたあの頃の不確実な状況にあえて戻ってみるんだ。ある程度のリスクを背負いながらも誰も考えなかったようなプロダクトを世にリリースする。
それはまるで、Appleが何度もイノベーションと思われたプロダクトを世に送り出しながらも失敗や成功を繰り返し現在の成功を手にしている現状そのものだ。
リスクを怖れて、目先の利益ばかりを追求していてはそこから新たなイノベーションが生まれることはないだろう。どんな会社も最初はスタートアップだった。
よく日本の人たちに”どうやったら成功しますか?“と聞かれるんだけど、”とりあえず、やってみろ!”と言いたい。あなたが成功するかはあなたにも分からない。私にも分からない。でもやってみないと分からない。その事を意識し、イノベーションを起こしてみてください。君たちは日本の未来を背負うのだから!
“ユーザーにHappyを与えるエクスペリエンスを創り出せ”
by Nathan Blecharczyk – CTO, Airbnb
旅行先でホテルの代わりに個人の空いている部屋をお手頃な値段で借りる事の出来るサービスを提供しているAirbnb(日本語はβ版)。そのファウンダーの1人であり、現在はCTOであるNathan Blecharczykは当サービスを始めるきっかけや起業、プロダクトのあるべき姿について語った。
このサービスを始めるきっかけは2007年にサンフランシスコにて、全米及び全世界から多くのオーディエンスが来る大きなデザインカンファレンスでした。そのカンファレンスの為に全世界から多くのオーディエンスが集まり、ホテルが取れない状況だったのです。
その事に目を付けたその当時のルームメイトでAirbnbのファウンダーの1人であるJoeが家賃を払う為の収入源として、彼らの為に自分のアパートのリビングの一角を格安で貸し出し宿泊料をもらうアイディアを思いついたのです。
その時は部屋を貸すのではなく、部屋のひと区間に空気でふくらませて使うエアーベッドを置きました。最終的に合計3人の方々に貸す事で、$1,000程を稼ぎ、無事に家賃を払う事が出来ました。
小銭稼ぎのはずが人生を変える経験に
実は元々は単純に家賃を払う為のお金儲けのために行った事だったのですが、それがきっかけでその後も泊まってくれた3人の人達、ユタ州から来たお父さん、LAから来たおばさん、そしてインドから来た青年ととても仲良くなり、その後も交友関係が続いたのです。実際に、その青年に会いにインドに遊びに行ったりもしたんですよ。
その経験が忘れられなくて、これは絶対に流行るだろうと思って、全米のイベントに合わせて個人が宿の貸し借りが出来るサービスを始めたのが、Airbnbの始まりとなります。ちなみにサービス名はその時に利用したエアーベッドにちなんで、Air bed & breakfastにしたのですが、URLが長過ぎるため、その後偶然空いていたAirbnbに変更しました。
しかし、そのやり方には問題がありました。実はアメリカには沢山のイベントがあるのですが、先ほどのデザインカンファレンスや、先日行われたSXSWのような大きなイベントは意外と少なく、需要が限定的だと言う事が分かりました。それに加え、イベントが終わるといきなり空室が出てしまうので、貸す方としてもメリットが少なかったんです。
結局リリース後1年間は誰にも知ってもらえずに、鳴かず飛ばずでした。でも、そうしているうちにロンドンのユーザーから、”イベントには関係ないんだけど、宿に泊まりたい”とのリクエストが来て、ニューヨークの都心部を中心にイベントに関係ないカタチでの宿の貸し借りを始めました。
その当時はまだ家主が居る状態で家にゲストを泊めるタイプだったのですが、このやり方にも幾つか問題がありました。例えば、実際にあるときJoeがAirbnbを自分自身で利用して泊まりに行った時の話。最初の数日は家主のおばさんが非常に優しくしてくれました。
しかし3日目頃になりそろそろ支払いをする頃になってそのおばさんがこの青年は本当にお金を払ってくれるんだろうかと心配になってきたんです。
実際に払おうと思った時に現金を持ち合わせていなくて、ATMに走ったりもしたのもあり、そのおばさんがユーザーとして大きな不安を感じてしまう結果になってしまいました。その当時はやり取りもメールか電話、支払いも当日現金でしたので、これはまずいと思いオンライン決済を導入しました。
Airbnbが軌道に乗ったきっかけは?
それでもなかなかユーザーが集まらず、最初の一年は本当に苦労しました。その当時、2008年頃はニューヨークに物件のマーケットを絞っており、合計で50件ほどリストされていました。
でも利用してくれるユーザーが集まらない事に悩んだ僕たち3人は、サービス改善を目指しユーザーに直接会う為にその年だけでも合計で4回NYに行きました。掲載されている50件全てのユーザーの家に実際に出向いたんです。
サイト上に掲載されている写真のクオリティがあまり良く無いと気づいていたので、僕たちは高性能のカメラを持ち込み、元々デザイナーだったファウンダーのMattが綺麗な写真を彼らの為に撮り差し替えました。
物件の説明文章も僕たちからベターなものをアドバイスしました。そして夜にはユーザーの方々を飲みに連れて行き、自分達の思いを伝えたり、ざっくばらんにユーザーとしての感想を聞き、彼らの貴重な意見をサービス改善の参考にさせてもらったのです。
また、その後サンフランシスコに戻ってからも掲載されている値段設定や説明文章等、より借り手に魅力的だと思ってもらえる様に継続的にこまめなアドバイスを行いました。それに加えサイトの機能改善を根気よく続けて行った事が実を結び、2009年からは徐々にユーザーが集まり始めたというわけです。
最終目標はユーザーへのHappy体験の提供
Airbnbにおけるユーザーエクスペリエンスの基本は”Simple & Safe.” 使い易さを追求し、ユーザーがサービスを利用する際のハードルを極限まで下げる事を目指している事と、使って頂くユーザーに安心感を持ってもらう為に、実際に泊まる直前まで無料キャンセルが可能です。
物件を見てイメージしていたのもと違ったらその場でキャンセルも出来るんです。そして何か問題があったときの為に、最大100万ドルまでの保険も適用されるようになっています。これらはより多くのユーザーに簡単に、そして安心してAirbnbを利用してもらえるための施策です。
現在僕たちのサービスは世界中192カ国で600万人以上のユーザーに利用され30万件以上の物件が掲載されています。そして、掲載物件の8割以上がユーザーが普段生活している住宅です。
実は僕たちはAirbnbは単純にホテルより安い宿を探す為のサービスだとは考えていません。むしろホテルに泊まるよりもより思い出深い旅の経験をユーザーに提供したいと考えています。通常ホテルは便利な都心部や観光地に立地していますよね。
でも、それだとその街の本当の良さは分からない。実際に生活をしている人の家に泊まりそのユーザーからオススメのカフェやレストラン、近くの面白いスポット等を聞いたりして、まるでその街で生活しているようなリアルなエクスペリエンスを提供出来たら、より味わい深い旅になるのでは無いでしょうか。
実際、多くのユーザーからはホテルに泊まるよりも思い出に残る旅が出来たとのフィードバックが寄せられています。
そして最も嬉しいのが、Airbnbを利用した事がきっかけで生まれるユーザー間の交流です。実に多くのユーザーから”利用後も交流が続いています”との喜びのメッセージが届いています。中にはその相手が人生における重要な存在になったケースも多々あります。
そのような事例を知るたびに、2007年のあの経験があざやかによみがえるんです。あの時に僕たち自身が感じたHappy体験をこれからも多くのユーザーに経験してもらいたいと思います。それがAirbnbの最終的な目標であり、実はお金儲けは二の次だったりするんですよ。
全く違う性格の3人のファウンダーが同じビジョンに向かって突き進む
ある時、僕たちファウンダーの3人が性格診断を行った事がありました。結果は驚く事に3人共全く異なっていたのです。それぞれの性格を円グラフにすると綺麗に120度ずつずれていました。これは価値観や物事に対する捉え方そして問題解決の方法など3人がそれぞれ違ったアプローチをするという事です。
こんなに性格の違う3人ですが、Airbnbに対する強いビジョンは全く同じなので、どんなときもじっくり話し合い、最善の決断をしてきました。異なる性格の3人がそれぞれ少しずつ譲り合いながら出す結論は恐らく多くの人にとっても納得のいくものであると自負しています。
起業はペース配分が重要な長距離走
現在は順風満帆に思われる私たちですが、それまではすごく長い道のりでした。なかなか売り上げが上がらなかったり、セキュリティーや支払いに関して問題が出てきたりとハードルは山ほどありました。それでもここまでやって来れたのは、長期的なビジョンがあり、それに向かって諦めずに進めて来たからです。
これから起業する人や今起業している人にアドバイスしたいのは、起業してビジネスをするというのはマラソンのようなものだという事です。
一定のペースを保ち、長い目でゴールを見る。短期決戦というわけにはなかなかいきません。短いスパンで何かうまく行ったと思っても、続かないのです。逆に最初はうまく行かないと思っても、長期的なスパンで考えればその先に成功があるかもしれません。起業を短期的に捉えるのではなく自分たちのペースでやっていく、ということが大事だと思います。
“イノベーションは会社のカルチャーから生まれる”
by Brandon K. HIll – CEO / btrax, Inc.
これからの時代、日本の企業が世界的競争力をつけるには、既存の常識にとらわれない柔軟な発想と今までに無いアイディアを元にしたプロダクトが必要になる。デザインやユーザーエクスペリエンス面を中心に、企業のグローバル展開をサポートするbtrax社のCEO, Brandon K. Hillは、日米の企業文化比較を中心に、イノベーションの生み出し方を説明した。
最近多くのメディアで”これからはイノベーションが重要だ!”みたいな事を言われていますよね。でも経営者の皆様の立場から考えてみると、ではどうやってイノベーションをおこせば良いんだ、と思われると思います。実際、明日から部下に”イノベーションをおこしてくれ” と言いえば良いというほど単純な事でもありません。
このサンフランシスコという街はこちらの地図を見ても分かる通り、斬新な発想をするスタートアップ企業がひしめき合っている事で有名で、TwitterやUSTREAM, Airbnb等に代表されるような世界的にも人気のサービスの発祥地でもあります。
でも実は街の総人口は約80万人程、面積は山手線の内側ぐらいしかありません。こんな小さな街なのに毎週の様にどんどんイノベーションが生み出されています。
サンフランシスコのスタートアップに代表されるような、イノベーションを生み出している企業には一つ共通点があります。それは、それぞれの会社が自分達独自のカルチャーを持っているという点です。
サンフランシスコやシリコンバレーの企業の多くが既存の概念に捕われる事無く新しい考え方で世界を変えるプロダクトを創り出す事を最大の目標としています。そして彼らは優れた会社のカルチャーこそがその目標を実現する最大のファクターだという事を理解しています。
一つの例をご紹介します。
“イノベーションとは新しく何かをはじめることだ、たとえ他の人がそれをクレイジーだと思っていても”
“良いプロダクトを作るには良いカルチャーを作るところから始めなければいけない”
“なぜなら良いカルチャーは良いプロダクトが自然に生まれてくるフレームワークだからだ”
これらはGitHubのCEO, Tom Preston Werner氏の言葉です。GitHubは最近人気のデベロッパー向け共有Webサービスですが、彼らはスタッフに上司が居ない事や、締め切りが無い事、好きな所で好きな時簡に仕事をしても良い事、いくらでも休暇が取れる事など、会社の仕組み自体がイノベーションで、実際にほとんど従業員が辞めない事でも有名です。新しい事を生み出すために新しい会社のカルチャーを導入した例です。
アメリカは個人も会社も個性重視
GitHubは社内のシステムやワークスタイルから新しいものを取り込む事で、社員一人一人が日々イノベーションをおこせるようなフレームワークを提供しているのです。それでは、GitHub以外にも企業カルチャーが新しい価値を創造したり、イノベーションを作り出している例を幾つかご紹介します。
- Facebook社: Move fast and break (壊れても良いからどんどんハックしちゃえ) > 失敗を恐れずに次から次へとリリース
- Zappos社: 全て従業員がハッピーで居る事をカルチャーにしている > ハッピーな従業員が顧客をハッピーにする事に注力する
- Amazon社: 木製ドアの板をオフィスの机として利用 > 少しでも節約すれば少しでも安い商品を届けられる
- Automattic社 (WordPress運営会社) : 決められたオフィスを持たない > 世界中から優秀なスタッフを獲得
ちなみに我がbtrax社の企業カルチャーのモットーは”Work hard, play even harder”で、仕事に対しては真剣に取り組みますが、遊び心のある楽しい職場を目指しています。それによりリラックスした所から新たなアイディアや斬新な発想が生み出せる様にと考えています。こちらの写真は去年のハロウィーンの際に社内で仮装コンテストを行ったときの様子です。
これも遊び心を大切にした会社のカルチャーを具現化した一つの例です。ちなみに、本日来られているよなよなエールの井手社長は奇抜な仮装で有名だそうですが、素晴らしい試みだと思います。ちなみにアメリカで仮装するのはあくまで10月31日だけですが。(笑)
画期的なプロダクトの第一歩は画期的なカルチャー作り
アメリカで会社を経営していて思うのが、様々なバックグラウンドを持った人達をまとめて一つの会社として優秀な商品やサービス提供を行うのは簡単ではないという事です。でもその一方で、良いカルチャーがあれば、マネージメントや社内のルール設定等を最小限にする事が出来るのです。
スタッフ一人一人が無意識のうちにカルチャーを体感する事で、スタッフ主体で会社全体が同じ方向に向かう為、無駄なシステムやプロセスも必要なくなると考えています。
そして会社のカルチャーを根付かせたいと思うのであれば、トップが率先して行動で示す事が重要です。例えばスティーブ・ジョブスは社内の誰よりも細部にこだわり、他社の真似を絶対にしない、ザッカーバーグは今でもハックしまくっている、リチャード・ブロンソンはサブライズ大好き、等会社のカルチャーの大部分はそのトップのキャラクターがそのまま反映されます。
ところで、サンフランシスコ・シリコンバレー界隈の企業に共通したカルチャーは:
- オープンコミュニケーション
- フラットな組織構成としっかりとしたレポートシステム
- どこでもリラックスして仕事ができるスペース
- フレキシブルな勤務体系
- 権限と責任の絶妙なバランス
- 厳しい評価基準/成果主義
- 同業他社ともコラボレーション
であり、これら点においては日本とは随分と違うかと思います。日本のカルチャーにだっていいところはたくさんありますが、既存の決まりや概念、コンプライアンス的な縛りに捕われ続ける必要はありません。画期的な商品やサービスを提供したいと思うのであれば、会社自体が画期的になる必要があります。社内からイノベーションをおこしたいと思うのであれば、新しいカルチャーを形成する事から始めてみてはいかがでしょうか?
【最後に】イベントに出席して感じたこと
シリコンバレーを代表する彼らの発する言葉のひとつひとつにはすごく重みがあった。それは、この土地で日々彼らが経験し身近に感じていることを真摯に伝えてくれたからだと思う。現在のLINEの成長に見られるように、日本から世界にイノベーションを起こしていくチャンスは山ほどある。実際に、日本は数十年前からTOYOTAやSONYに代表される企業が、多くのイノベーションを起こしてきた。
しかし、海外から見てみて現在の日本から次世代のイノベーションが生まれるかと言われると難しい部分もあると思う。その現状を打破するためにも企業に新たな文化を取り入れていくことが大切なことだと思う。
シリコンバレーで活躍する彼らの言葉を日本とは関係のないものと否定してしまうのではなく柔軟に受け入れていくことで、まだまだ日本からイノベーションが生まれるチャンスはあると強く感じた。
筆者: 大野駿介 @oonoshun
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