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起業家が知っておくべき31のビジネスモデル(Part 1)
多様化する世界の中で、特にデジタル領域のビジネスにおいては多数のビジネスモデルが存在する。そのため全てのビジネスモデルを把握しきることは困難だ。
今回はこちらの記事を参考に31個にビジネスモデルを類型化し、全3回のシリーズにわたってそれぞれを解説していく。
ビジネスモデルをブラッシュアップしたい起業家や、ビジネスモデルを学びたいビジネスマンにとって参考になれば幸いだ。
まずは1から10。それでは早速見ていこう。
- フリーミアムモデル
- サブスクリプションモデル
- マーケットプレイスモデル
- アグリゲーターモデル
- 従量課金モデル
- FFS(フィー・フォー・サービス)モデル
- Edtechのモデル
- ロックインモデル
- APIライセンスモデル
- オープンソースモデル
1. フリーミアムモデル
例:Google Drive, iCloud, Slack
フリーミアムのビジネスモデルは、ユーザーがソフトウェアやゲーム、サービスの基本機能を「無料」で利用でき、ユーザー側がアップグレードする際に始めて課金されるものだ。
Google DriveやDropboxは、それぞれ15GBと2GBの無料スペースを提供するが、追加スペースを購入する場合は追加料金を請求する。フリーミアムビジネスの典型と言える。
フリーミアムビジネスモデルのメリットは、基本機能が無料で利用できるため、ユーザーの最初の利用障壁を低く保てること、そして、すでに一部の基本機能を使用しそれに満足しているユーザーが課金するため、ユーザーの定着度が高いことだ。
2. サブスクリプションモデル
例:Tinder, Netflix, Shopify
サブスクリプションビジネスモデルは、サービス提供側がプロダクトやサービスを販売し、ユーザーの定期的な支払いによって利益を得るものだ。
ユーザーがプロダクトを使用するため、もしくはプロダクトの中のプレミアム機能を継続して使用する意思がある場合に課金される。
サービス提供側は、フリーミアムビジネスモデルの次の段階としてサブスクリプションのビジネスモデルの適用も検討できるだろう。
3. マーケットプレイスモデル
例:Amazon, Fiverr
マーケットプレイスとは、プロダクトやサービスを第三者の販売者がユーザーに販売するプラットフォーム(eコマースサイトやモバイルアプリ)だ。
Amazonにはプロダクトを販売するサードパーティーの販売者や中小企業のオーナーがいる。Fiverrには、グラフィックデザインやソフトウェア開発のような特定のサービスを他の個人や企業に提供するフリーランサーがいる。
扱っている領域は違えど、両者共にビジネスモデルはマーケットプレイスだ。
4. アグリゲーターモデル
例:Uber、Airbnb
アグリゲータービジネスモデルは、ベンダーのプロダクトやサービスを自社のブランド名で提供することが特徴だ。
例えばAirbnbでは、”Airbnb”というブランドのもとにいろいろなベンダーを出店させ、ブランド価値の担保を試みる。
マーケットプレイスとアグリゲーターのビジネスモデルは似ているように思われるが、大きな違いがある。
AmazonやFiverrのようなマーケットプレイスは、ベンダーとユーザーを結びつける役割を果たすが、ベンダー自身のブランド名で商品を販売する。
一方UberやAirbnbのようなアグリゲーターは、ベンダーを取り込み、彼ら(UberやAirbnb)のブランド名でサービスを提供することが特徴だ。
5. 従量課金モデル
例:Stripe、AWS、Gumlet
従量課金ビジネスモデルは、ユーザーがプロダクトやサービスを使用した量(時間、人数、など)に応じて支払うモデルである。
個人利用、少数のチーム利用、大規模のチームでの利用で料金プランが異なる、ユーザー数による従量課金が想像しやすいだろう。
従量課金ビジネスモデルはクラウド・コンピューティングサービスで特に広く使われている。例えば、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はアマゾンの子会社で、200以上のクラウドサービスを提供しており、各サービスには独自の従量課金制がある。
他にも代表的な例として、Canvaのようなデザイン・ソフトウェアプロダクトが挙げられる。使用したい機能と一つのアカウントを共有する人数によって異なる料金設定となっている。
6. FFS(フィー・フォー・サービス)モデル
例:Stripe, Paypal, PayU
FFSビジネスモデルでは、ユーザーが決済を行うたびにサービス提供側は固定手数料と変動手数料を得る。Fintechスタートアップに適応されることが多いビジネスモデルだ。
例えばStripeでは、ユーザーが決済を完了するごとに、2.9%+30セントが課金される。FFSのビジネスモデルを採用するプラットフォームは、ユーザーからの支払いを受け入れ、支払い先の事業者に決済を行う、支払いゲートウェイの役割を担うのだ。
7. Edtechのビジネスモデル
Edtechのサービスのビジネスモデルにもいくつか特徴がある。典型的なのは、サービス提供側が教育コンテンツを販売することか、エンドユーザーに教育サービスを提供することで収益を上げることだ。
ビジネスモデルには、本記事の1-6で見てきたようなビジネスモデルや広告収入のビジネスモデルが使用されることが多い。以下にEdTechの代表的なビジネスモデルを列挙する。
Edtechサービスに採用される代表的なビジネスモデルの種類
フリーミアムやサブスクリプション – コースのコンテンツは無料だが、コース修了証の発行に費用が必要
例:Coursera
無料トライアル – 無料トライアルを提供し、その後月額または年額のサブスクリプションを提供するモデル
例:SkillShare
マーケットプレイス – オープンマーケットプレイスから学びたいものを選択する自己提供型モデル
例:Udemy
広告収入 – 主要なプロダクトは無料であり、膨大なユーザーベースに広告を表示することで収益を得る
例:Duolingo
8.ロックインモデル
例:Apple, SAP
ロックインビジネスモデルは、ユーザーの競合商品へのスイッチング・コストを感じさせることが特徴だ。
優れたブランド体験や利便性などのインセンティブを提供することで、新たなプロダクトが必要となった時にも、自社ブランドをユーザーに最初に想起させることができるようにしている。
AppleはiPhoneを販売し、他のハードウェア(Apple Watch、Airpods)やApple Store、Apple Music、iCloudなどのプラットフォームサービスによって、ユーザーをAppleサービスのエコシステムに囲い込む。
自社のサービスやプロダクトで買い揃えてもらうことで、利用者や売り上げを伸ばすことができるのだ。これにより、一貫性のある優れたブランド体験のみならず、Appleのサービス間の連携の利便性も向上させている。まさにロックインビジネスモデルの好例とも言えるだろう。
9. APIライセンスモデル
アプリケーション・プログラミング・インターフェース、略称APIは、サードパーティのアプリケーションがユーザーのサービスと通信するためのツールだ。
例えば、UberとAirbnbは、ナビゲーションを簡単にするために、モバイルアプリでグーグルマップAPIを使用している。
APIのビジネスモデルには以下のような種類がある。
無料:最もシンプルなAPI主導のビジネスモデルで、アプリ開発者は自由にAPIにアクセスできる。
例:Facebook、Google翻訳
Developer Pays(開発者負担):このモデルは、アプリケーション開発者が提供されるサービスに対して対価を支払う形で運営される。
例:AWS、Twilio、Github、Stripe
開発者が報酬を得る: APIを配布する開発者やコンテンツの提供者が支払う。
例:アドセンス、アマゾンアフィリエイト
10. オープンソースモデル
例:Android, Firefox, MongoDB
オープンソースソフトウェアとは、誰もが個人利用のために調査、修正、拡張できるソースコードを持つソフトウェアのことである。
オープンソースソフトウェアが利益を得るためのビジネスモデルとして、以下のような種類が挙げられる。
有償サポート – ユーザーがコードベースについて多くの知識を持っている場合必要な部分のみパーソナライズして課金する形式。必要な分のみ支払いが発生し、サービスを利用することができる
SaaS -サービス提供者側はデータベースソリューションを完全無料で提供するが、ユーザーが監視ツールを使用したい場合、費用の支払いが発生する
オープンコアモデル – 企業の中核のソフトウェアをオープンソースとして公開し、エンタープライズ用の拡張部分を通常のクローズドソフトとして展開する方式
GitHubスポンサー – Githubのスポンサーシップ費の100%が、コードを提供した開発者に支払われる
有料機能開発 – サービス提供者側が、既存プロダクトのオープンソース拡張機能を開発し、有料で提供することで報酬を得る
まとめ
いかがだっただろうか。
現在ビジネスモデルを決める段階や、見直している段階の起業家の方々、ビジネスマンの方々にとって、良い機会となれば幸いだ。
次回もVol.1に引き続きVol.2として、約10個のビジネスモデルを見ていく。次回の記事もお楽しみに。
Written by Takaaki Sako
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