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CES 2024 ガイド: 世界最大のテックカンファレンスの基本情報と見どころ7選
毎年メディア枠で参加している世界最大のテックカンファレンス、CES。今後のテクノロジートレンドを把握し、より良いプロダクト作りに繋げるためにはかなり重要な機会となる。
しかし、現場での発表や展示エリアが東京ドーム4個分と膨大すぎて何から見て良いかわからくなりがち。そして近年のテクノロジー進化も著しい。そこで、CES 2024で注目したい10のテクノロジーと、見どころを7つまとめてみた。
CES 2024の基本情報
開催時期: 2024年1月9-12日 (Media Dayは7, 8日)
開催場所: ラスベガスコンベンションセンター、Venetian Expo. Venetian, Aria, Bandaley Bay等
出店社数: 3,500以上 (見込)
来場者数: 13万人以上 (見込)
公式サイト: https://www.ces.tech/
イベント・展示エリア
CESでは、LVCCだけではなく、ストリップと呼ばれるラスベガスの中心エリアに複数のイベント・展示エリアを設置する。それらは大きく分けて3のエリアに分布し、それぞれのエリアの複数の建物の中で開催される。
Tech East:
- Las Vegas Convention and World Trade Center (LVCC)
- Westgate Las Vegas
- Renaissance Las Vegas
Tech West:
- Venetian Expo
- The Venetian
- The Palazzo
- Wynn Las Vegas
- Encore at Wynn
Tech South:
- ARIA
- Cosmopolitan
- Park MGM
- Vdara
- Mandaley Bay (Media Day)
時間節約のコツ3選
これだけ膨大なエリアを回らなければならないので、時間がいくらあっても足りない。なので本題に入る前に時間を節約するためのコツ3つほど紹介する。
1. スケジュール管理は公式アプリで
まずはどこに行ってどの展示やセッションを見るかを事前に決めておくのが良い。というのも、現地に到着してからだとあまりにもバタバタしすぎてて、それどころでは無いから。
ここで問題になるのが、同じ時間に複数のセッション・展示が同時に行われていおり、それも前後の予定の場所とかなり離れている可能性もあるということ。
一つずつのセッションをWebで確認して、カレンダーに入れていくのは気が遠くなるレベルの作業になる。
ここで便利なのが、公式アプリ CES App。こちらをダウンロードしてログインすれば、日時に合わせたスケジュールが表示され、”Add to Agenda” をタップしておくだけで、 事前に、そして自動的にスケジュールが生成される。
2. 入場バッジのピックアップは空港で
イベント会場に到着してまず最初の難関は入場バッジの引き換えプロセスだろう。事前にメールやアプリ経由で受け取ったQRコードを紙の入場バッジに変えるのだが、かなりの列になっていることが多い。
そこで便利になるのが、空港に設置された引換所だ。
飛行機を降りて荷物を受け取るエリアの駐車用に近い側、エスカレーター横に設置されており、フライトごとに到着時間が異なるので、大きな混雑になることが少ない。
また、開催日の前日や、結構夜遅くまで開いているので、かなり便利で時間の短縮につながる。
3. LVCCの建物間移動は無料のTeslaタクシー (Vegas LOOP) で
イベントの会場が複数の建物に点在しているため、建物間の移動だけでもかなりの時間を要する。また、タクシーやUberなどのライドシェアを捕まえようとも、なかなか時間がかかってしまう。
加えて、交通渋滞も予想されるので、予定していたセッションに間に合わないケースが多発する。
それを解決してくれるのが、通称 Teslaタクシーと呼ばれるVegas LOOPだ。これは3つあるLVCC間をトンネルを通じてつないだルートをスムーズに移動してくれる便利な乗り物。それも完全無料!事前予約も要らないし、待ち時間もほぼ無い、かなり画期的な移動手段である。
CES 2024で注目したいテクノロジーセッション
CESでは、テクノロジーのさまざまな分野を議論する幅広いセッション複数ある。 ざっと考えても、デジタルヘルス、AI、サステナビリティ、ゲーム、自動車テクノロジー、サイバーセキュリティ、フィンテック、さらには宇宙テクノロジーなどが含まれる。
そんな中でも、今回特に注目したいセッションはこちら。
CES 2024の注目セッションの一部をご紹介:
- デジタルヘルス: テクノロジーがヘルスケアをどのように変革しているか、デジタルヘルスの最新動向、そして未来予測
- 生成AI: AIがどのように新しいコンテンツ、デザイン、ソリューションを様々な業界に生み出しているか
- サステナビリティ: テクノロジーと持続可能な未来への役割について。グリーン化へ向けたテク企業の取り組みなど
- ゲーム関係: ゲーム業界の最新動向とテクノロジーの方向性について
- モビリティーテクノロジー: 自動車などの未来と新技術が移動手段をどのように変えるか
- サイバーセキュリティ: オンラインの安全性、課題、デジタル世界での安全対策など
- 金融の未来: デジタル通貨を含む、金融をテクノロジーがどのように変えるか
- 宇宙テクノロジー: 最新の宇宙探査技術と未来の宇宙について
シュワルツネッガーが登場したBMWのセッション
CES 2024に登壇予定の主な著名スピーカー
展示や各テクノロジーセッションと同時に注目したいのが、世界の企業のトップエクゼクティブたちによるキーノートセッション。CES 2024では下記のスピーカーの登壇が予定されている。
- JENNY ABRAMSON, Founder and Managing Partner, Rethink Impact
- JOSÉ ANDRÉS, Chef and Humanitarian
- ED BASTIAN, CEO, Delta Air Lines
- OMI BELL, CEO, Black Girl Ventures
- LIZ CLAMAN, Anchor, Fox Business
- ADENA FRIEDMAN, Chair and CEO, Nasdaq, Inc.
- JEREMI GORMAN, President, Global Advertising, Netflix
- JENNIFER M. GRANHOLM, U.S. Secretary of Energy
- PARIS HILTON, CEO, 11:11 Media
- FRANCINE LI, Global Head of Marketing, Riot Games
- SETH ROGEN, Co-Founder, Hilarity for Charity
- DR. LISA SU, Chair and CEO, AMD
CES 2024の見どころ
では、CESの基本をカバーしたところで、本題の見どころをいくつか紹介する。
1. 生成AI搭載の家電
元々は家電の見本市だったCESなだけあって、毎回多くの家電メーカーが最新の製品の発表会および、展示を行うのが恒例となっている。
これまでも、コネクテッド家電やAI搭載のロボットなどの最新テクノロジーを実装したプロダクトが紹介されいたが、2024年はついに生成AI搭載の家電商品のリリースが予想されている。
生成AIを活用することで、これまでのテクノジー搭載家電の弱点であった「複雑さ」を解決し、よりユーザーにとって使いやすいインターフェイスやインプット機構のデザインが可能になっている。
例えばサムスンはすでに生成AIを実装した家電のいくつかを発表している。
例えば、生成AIを搭載したオーブンは、調理している食材の種類を認識し、カスタマイズされたレシピを提供できるようになる。また、冷蔵庫は、保存されている食材を特定し、使用可能なアイテムに基づいて食事の提案をしてくれる。
CES 2024ではより一層生成AIが我々の日々の生活に密着した形で、より豊かな生活をサポートしてくれるプロダクトの発表が期待される。
2. スマートグリッド付きスマートホーム
CESでは4-5年前よりスマートホームの展示が毎年増えている。複数のコネクテッド家電達を繋げることで、より多くの価値をユーザーに届けるのが狙い。
その一方で、消費電力もどんどん増え、世界的なエネルギー危機が叫ばれる昨今においては、根本的なソリューションが求めれている。また、もしもの停電の際にスマートホームシステムは一瞬にして全てが停止してしまう危険性もはらんでいる。
そこで注目したいのが、スマートホームに繋がったスマートグリッドシステムだ。
バッテリー製造販売大手のAnkrはすでにSolixというブランドを発表しており、CES 2024ではSolix名義のプロダクトの発表が期待される。
Solixは家庭用の巨大なバッテリーパック。最大容量180kWhの製品は、一般家庭で1週間分の電力を供給できるとのことで、地域グリッドが悪天候の影響を受けた場合に活躍する製品。
この領域ではAnkr以外にも、TIME誌が選ぶ今年のベストインベンションに選出されているJackery社のSolar Mars Botや、 Schneider Electric, Bluetti社に加え、Exeger, Ugreen, Goal Zer といったスタートアップにも注目。
3. 女性向けヘルステック製品
ヘルステックは近年のCESの重要な分野。CES 2023で印象深かったのはNuraLogixで、30秒の動画を撮るだけで血圧をかなり正確に測定する。
CES 2024でも、ヘルステック関連のパネルディスカッション、基調講演、会話が目白押し。
セッション講演するのは、Noom, Chief Medical Officerのリンダ・アネガワ、米医師会会長のジェシー・エーレンフェルド、モデルナ社長のスティーブン・ホーゲ、Elevance Health CEOのゲイル・B・ブードローなど。
そんな注目の集まるヘルステックの中でも、女性の健康に関する分野に特に注目が集まっている。
女性の健康のモニタリング、維持、改善を助けるイノベーションは、「フェムテック」と呼ばれ、最近では多くの驚くべきものが生み出されている。
一例として、Movano HealthのEvie スマートリングがある。CES 2023でデビューし、月経周期と睡眠習慣などをAIで関連付ける。同社は8月にFDAの医療機器としての承認を申請しており、1月に発売予定。
その他にも多くのヘルステック製品が発表されるが、特に女性向けのトピックが気になる。
4. ビューティーテックも加速
コスメや美容のフィールドは長い間テクノロジーをあまり活用していないと思われていた。
しかしここ数年で、CESで発表・展示されるプロダクトの中にもいくつか興味深いビューティーテック系のものが増えてきている。
特に注目したいのは、CES 2023で昨年はコンピュータ化されたメイクアップアプリケーターと自宅用電子眉毛アプリケーターを発表したロレアルと、スマートミラーやメイクアップ支援ロボットなどを提供する韓国の複数のスタートアップ。
5. AIのマーケティング/ブランディング活用
今年のスケジュールを見てみると、Aria ホテルの “C Space” と呼ばれるエリアで多くのマーケティング、ブランディング、エンタメ系に関するセッションと展示が行われる予定。
特にAIを活用した自動化や効率化、そして画像や動画などのコンテンツ生成に関する内容が目白押しだ。CES 2023と比べてもセッション数が10%増える予定。
ChatGPTを始めとして、もうすでに世界の多くの人たちが生成AIを仕事に活用している。
その一方で、どこのが会社がどのようなプロセスでマーケティングやブランディングにAIを使っているかがはっきりとしていない。
そんな生成AIの黎明期であるこの時期に、MediaLinkを始めとした複数の会社のCMOが自分たちのノウハウを公開してくれるのは非常に楽しみ。
6. スタイリッシュなARグラス
ここ数年で盛り上がってはいるものの、いまいち実用化が進まないゴーグル系デバイス。種類としては、ARやVR, MRとXRなんかがあるが、どうしても飛び道具的な存在に終始していて、日々の生活で利用することが少ない。
その一方、CESでは、一般消費者向けのエンタメ用途だけではなくヘルスケア領域や工場での利用など、よりコアな実用例を体験することができる。
また、ウェアラブル観点で言うと、よりナチュラルなメガネやサングラスの形状をしたAR / XR グラスにも注目が集まっている。
この領域では、VuzixやLumusなどの企業が、ARグラスを実現するウェーブガイド技術の先端を切り開いている。
この技術を活用すれば、オンラインとのつながりを保ちつつ、現実世界との触れ合いも失わないARグラス体験が可能になる。
Vuzix社は、超スリムかつ軽量デザインを採用したARグラス Ultraliteを発表予定。Ultraliteはスマートフォンとペアリングし、明るクリアな緑色のディスプレイに通知、案内などを表示する。
また、Lumus社は軽量なARグラスで明るいフルカラーディスプレイを実現するZ-Lens技術の製品を開発中で、プロトタイプの展示される可能性が高い。
このように、CES 2024ではより軽くて薄くてナチュラルな筐体を持つデバイスを試すことができると思われる。
7. もしかしてこっちが本命?レセプション・パーティーの数々
CESの魅力は展示やセッションだけじゃない。
イベント開催期間にはラスベガスの街の至る所で関連パーティーやレセプションも開催され、おいしいお食事とお酒をいただきながら、世界中から集まってきた人たちとのネットワーキングを楽しむことが可能。
ここ数年はパンデミックの影響でしばらく下火になっていたパーティー系イベントも今年はフルスケールで開催されそうな予感がする。
おすすめの数ある中でも、イベントはこちら。
1月8日
1月9日
- Z-Wave Alliance CES 2024 Fireside Chat + Cocktail Hour Series 4-6pm
- Landmark Ventures Happy Hour Welcome To CES 2024 4-6pm
- CES Friends Of Indiana Reception 5:30-7:30pm
- Connections Summit Reception 5:30-7:30pm
- BrandsGPT at CES AI Reception 6-8pm
- Landmark Ventures VIP Dinner Sports, Media and Entertainment 6-9pm
- Covesa Networking & Showcase 6-9pm
- Las Vegas Digital Social Networking Mixer #9 6-9pm
- Amazon After Dark at CES ’24 With Ludacris 8pm-1am
- Late Night With Landmark Drinks & Data Afterparty 9-11pm
1月10日
- Z-Wave Alliance CES 2024 Fireside Chat + Cocktail Hour Series 4-6pm
- Transunion CES 2024 Networking Brunch 8:30-9:30am
- Landmark Ventures VIP Brunch 10:30am-12pm
- Landmark Ventures Power Lunch 12-2pm
- Landmark Venture SIS Happy Hour 4-6pm
- Assurant CES 2024 VIP Reception 4-7pm
- Test. Launch. Drink! CES Cocktail Party 2024 4-8pm
- Pinterest New Era Happy Hour 5-7pm
- Consumer Electronics Marketing Professionals Meet-up 6-9pm
- LevelUp at CES: A Night to Elevate StartUps 6-8pm
- Landmark Ventures VIP Dinner Innovation In Consumer Digital Engagement 6-9pm
- Ansys Executive Event 6:30pm-10pm
- Late Night With Landmark AI Afterparty 9-10pm
- Cooler Master Tech Experience Party 2024 At The View 6pm-2am
1月11日
- Z-Wave Alliance CES 2024 Fireside Chat + Cocktail Hour Series 4-6pm
- The 3rd Annual Battle For Charity Esports Tournament 8:30am-9:30am
- Mistywest Founders & Friends CES 2024 7pm-1am
- Tech Startup Networking Event 6-7pm
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