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なんちゃってUXデザイナー見破る7つのポイント
UXデザイナーの重要性が高まるにつれて、多くのデザイナーが自分のことを “UXデザイナー” と呼ぶようになって来ている。
その一方で、その仕事内容があまりにもぼんやりしすぎてて、面接の際にどの人が本当にUXデザインスキルがあるのかがわかりにくい。という疑問を持つことがある。
そもそもUXデザイナーは本当にデザイナーなのか?という説もあるくらいだ。
ポートフォリオに騙されるな!
実際のところ、ポートフォリオに掲載されている作品の質だけで判断することは難しいし、そもそもほとんどのプロジェクトがチームで行うため、その人がどこまで関わっているのかを見極めるのも容易ではない。
また、freshtraxを日々読んでいれば、デザイナーとしての知識はかなり蓄積するが、残念ながら、それだけで優れたUXデザイナーになれるわけでもない。
UXデザイナーの標準スキルが明確ではない
そもそもUXデザイナーという肩書き自体が比較的新しいものであるため、その仕事内容とスキルセットが明確になっていないのも一つの原因だろう。
元々Webデザイナーをやっていた人が、ワイヤーフレームとフローチャートを作成した経験を元に「UXデザインできます!」と宣言しているのかもしれない。
偽物デザイナーをあぶり出す
では逆に “なんちゃって” のデザイナーを見極めることができれば、消去法で自ずと本物をあぶり出すことができる。これまで何十人も面接してきた経験を元に、偽物のUXデザイナーの見分け方を公開する。
志望者の多いUXデザイナー職を採用する際に、下記の5つのポイントに関する質問を行い、その答えの内容でその人が本物のUXデザイナーを見分けることができるだろう。
1. よく聞くと単なるUIデザイナー
これが一番あるあるなパターン。UXデザイナーポジションに対しての応募者のかなりの割合が、実はUIデザイナーのスキルしか持ち合わせていない。
これまでの実績を見てみても、明らかにUIのデザインやビジュアルデザインの作り込みはしているが、ユーザーリサーチや体験の設計などのUXデザインに関するプロセスを実践した経験はない。
もしくは、UIデザインとUXデザインを混合してしまっているケースすらある。
まずは、UIデザイナーとUXデザイナーの役割の違いを理解するところから始めた方が良いだろう。
2. UXデザインの経験がワイヤーフレーム作成のみ
元々WebデザインやアプリUIデザインを行っていたデザイナーが、手っ取り早くUXデザインができるふりをする方法がワイヤーフレームの実績をポートフォリオに掲載する事。なんとなくもっともらしく見える。
しかし、そもそもワイヤーフレームの役割や、作成に至るまでのプロセスが理解できていないと、UXデザイナーとは言えない。
ワイヤーフレーム自体はあくまで全体像を把握したり、ユーザーテストで利用し、データを収集するための際の手段でしかなく、目的にするべきではない。
そもそも、マルチデバイスが当たり前の現代においては、ワイヤーフレームの作成はコンテンツ作成と同時に進める必要があり、むしろ全体を通じたメッセージングの方が重要なので、ワイヤーフレーム自体の価値がかなり低くなっているのも事実。
UXデザイナーの仕事は、伝えるべきことに対して最も効果的な体験を構成することである、ワイヤーフレームの作成自体が目的になるべきではない。
3. UXデザインの基本的な構成要素が理解できていない
これもUXデザインにおける基本的な内容だが、その構成要素が理解できていないパターン。
真のUXデザイナーであれば、タスクフローや情報アーキテクチャ、インタラクションデザインといった個々の要素はもちろんのこと、それらを体系的に統合することで、誰しもが直感的に利用できるシームレスなユーザー体験をデザインできるはず。
しかし、名ばかりのUXデザイナーにこの基本的な洞察が欠けているケースがしばしばある。単に綺麗な画面を作ることに注力し、ユーザーが目的を達成するまでの一連の流れを明確にデザインできていない。
本物のUXデザイナーを見極めるには、その人物がユーザー体験全体の森を見渡す目を持っているかどうかを確認することが不可欠になる。
4. UXデザインのプロセスを知らない
UXデザインのプロセスには、調査、アイデア創出、プロトタイピング、テストといった一連の段階が存在する。
しかし、中にはUXデザイナーを名乗りながら、こうした基本的なプロセスすら理解していない人がいる。
彼らは単に画面のモックアップを作成することに注力し、その先のプロセスを考えようとしない。ユーザー調査なしに勝手な仮定のもとで設計を始めたり、納得のいくまでプロトタイプを繰り返し改善したりすることなく、最初のアイデアをそのまま提供したがる傾向がある。
本物のUXデザイナーは、この定石とでもいうべき一連のプロセスを熟知しており、それを適切に運用して最善の結果を導き出せる能力を備えているはず。プロセスを省略する姿勢は、プロのUXデザイナーの資質に欠けると言わざるを得ないだろう。
5. UXとユーザビリティーを混合している
UXとユーザビリティは、ともにユーザー中心の設計を目指すものの、似て非なる概念である。
ユーザビリティは、主にタスクの遂行効率や使いやすさ、エラー率の低減など、システムの機能面での改善を扱いう。
一方UXは、ユーザーの感情面や価値観に訴えかける体験のデザインを重視する。楽しさ、魅力、満足感といった主観的な側面に注力するのが特徴。
したがって、この2つを混同している人は、UXデザインの本質を見誤っていると言えるだろう。システムの効率化にばかり気を取られ、感性面を置き去りにしがち。結果的に、使いやすいけど、なんかワクワクしないプロダクトになってしまう。
本物のUXデザイナーであれば、ユーザビリティとUXの違いを明確に理解し、両面の改善をバランス良く図ることができるはず。この視点が欠如している場合は、なんちゃってUXデザイナーじゃないかと疑って良いだろう。
6. ビジネスゴールとユーザーメリットのバランス取りが苦手
UXデザインにおいては、ビジネスの目的とユーザーのメリットを両立させることが大切になる。
たとえば、ECサイトの場合、単に商品を売りたいというビジネスゴールと、購入がしやすくなることをユーザーは求めており、その二つを上手に達成するのがUXデザイナーの役割になる。
本来のUXデザイナーであれば、こうしたニーズのバランスを取りながら、win-winなソリューションを生み出す洞察力があるはず。
しかし、中にはビジネス目線のみで設計を進めがちな人もいる。ユーザー体験をある程度犠牲にしてでもコンバージョン率や売上を最大化しようとしがち。特に営業ノルマを重視しすぎるが故にこのパターンにハマるケースがある。
逆に、ユーザー目線に傾き過ぎ、ビジネス上の制約を無視した純粋に使いやすいシステムを提案するデザイナーもいる。この場合は、デザイナーのエゴが強すぎて、企業の利益を置き去りにしてしまうのだ。
いずれにせよ、このバランス感覚が欠如しているのは、本物のUXデザイナーとは言えないだろう。
7. ユーザーテストとフォーカスグループの違いがわからない
ユーザーテストとフォーカスグループは、ともにUXデザインにおける重要な調査手法だが、その目的と方法は異なる。
ユーザーテストは、プロトタイプや実際の製品を個人に操作してもらい、タスク遂行できるかどうかを観察するテスト。使いにくさの発見が主眼となる。
一方、フォーカスグループは、数人のユーザーに意見を求めるグループディスカッション形式で、新機能への要望や概念に対する感想を聞き出すのが目的となる。
本物のUXデザイナーであれば、この2つの手法の違いと使い分けを理解しているはず。言い換えると、目的に応じて適切な調査手法を選択できる力量が求められる。
この基本的知識がない場合は、なんちゃってUXデザイナーである可能性が高い。
まとめ: 優れたUXデザイナーを見分けるのは難しい
デジタル化が進んだ2010年代以降、UXデザイナーはトレンドの職種となり、自称UXデザイナーもも増えている。しかし実際には、本物のUXデザイン能力を備えている人物はまだ少数派なのが現状である。
今回の内容を参考に、優れたUXデザイナーを見極めるためのポイントを抑えたい。ただし、完璧なUXデザイナーは存在しないことも理解しておく必要はある。
大切なのは自身の専門性を磨き続け、ユーザー体験の向上に真摯に取り組む姿勢を持ち合わせているかどうか。
優秀なUXデザイナーの育成には、実践を積み重ねることが不可欠。ユーザーとビジネスの狭間で失敗を恐れず挑戦し続けることが、この分野で成功への近道と言えるだろう。
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