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【UXリサーチとは?】法人向けサービス領域で軽視されがちな3つの理由
UX Collectiveが毎年発表するUXトレンド予測で、2024年は「後期UX」という新しい概念が取り上げられていました。
この用語は「後期資本主義」にちなんでおり、記事ではAIの進化がUX業界にもたらしうる劇的な変化がダークなイラストで表現されています。
AIの普及により素人でも簡易なウェブサイトであればデザイナーなしで簡単に且つ安価に作成ができてしまう時代が訪れ、これまでウェブデザインを生業としてきた人々にとって、常識や既存の枠組みが脅かされている昨今。
しかし、不安を煽るような予測がある一方で、UXリサーチとUXストラテジーの重要性が一層明確になってきたことについてもこちらの記事では取り上げられています。
UXの領域において、AIに全てを任せて自動化させるのではなく、戦略的なデザイン思考、目的に基づくデザイン決定、そして作品に対する独自の視点の価値が、今後かつてないほどに重視されることが強調されています。
UXリサーチに対しての理解が足りない
筆者はBtraxでUXリサーチャーを担当しているのですが、近年日本でもUXデザインというワードは認知されるようになったものの、UXリサーチについてはまだ十分に理解が広まっていないように感じています。
特に法人向け(BtoB)のサービスやプロダクトにおけるUXリサーチは、その重要性にもかかわらずしばしば見過ごされがちです。
- UXリサーチって本当に必要なの?
- AIが発展した後もデザイナーやリサーチャーに依頼する価値はあるの?
という疑問が沸々と湧いてきそうな今だからこそ、今回はUXリサーチとは何かという基本から始め、特にリサーチが軽視されがちな法人向けサービスのUXリサーチに焦点を当て、その特徴や重要性についてご紹介していきたいと思います。
二本立ての記事の前編となる本記事ではUXリサーチとは何か?そして法人向けのサービスでUXリサーチがスキップされがちな理由について見ていきたいと思います。
以下の後編では、法人向けサービスのためのUXリサーチのメリット、及び、実践する上でのコツをご紹介しています。
そちらもぜひ合わせてご一読ください。
サクッとおさらい!そもそもUXリサーチとは何か?
UX(=ユーザーエクスペリエンス)リサーチとは、サービスやプロダクトの要件と、ターゲットとなるユーザーを体系的に研究し、文脈に沿った現実的な洞察をデザインへ落とし込むための手法です。
UXリサーチの特徴は、「ユーザーが求めているものを推測や作り手の思惑ではなく、ユーザーの生の声・実際の行動をデータとして用いて特定していく点」にあります。
定性調査と定量調査の手法を組み合わせ、目的に合致した手法を使ってデータ収集及び分析をしていきます。
集めたデータからインサイトを抽出し、デザインへ反映していくことで、ユーザーを中心においたサービス・プロダクトが生まれます。
UXリサーチはUXデザインのプロセスの一部であり、ユーザーのニーズにあったサービスを設計する上で不可欠な要素です。
なお、UXリサーチを担当する役職ですが、専任のリサーチャーがいる場合はリサーチャーが担当しますが”UXデザイナー”、”プロダクトデザイナー”などの肩書きの人がUXデザインのプロセスの一部として担当することも多いです。
専任のリサーチャーがいる場合も、UX設計においてデザインチームとの連携は必須です。
例えば、Btraxでは組織図上デザインチームという枠の中に、リサーチチームが置かれており、リサーチャーも基本的なデザインの原則やノウハウを理解しています。
UXリサーチが法人サービスの領域で軽視されがちなのはなぜなのか?
新規サービスを生み出す過程で、「本来ならばリサーチもできたらいいんだろうな」と思いつつも、より優先すべき事項が多いために、リサーチをすっ飛ばし、ありものの情報で初期デザインを組みサービスローンチ。
しばらく経った今、ある程度、顧客もついてきて組織も拡大しつつあるが、最近伸び悩みを感じている…というような経営者層の方はいらっしゃいませんか?
UXリサーチャーとして様々なプロジェクトに関わる中で、『一般消費者向けのサービスよりも、法人向けのサービスの方が、初期段階でのリサーチへの時間的・経済的投資に対してオーナーが抵抗を感じている傾向が強い』と感じます。
これはユーザーの軽視からきているわけではなく、大きく分けると次の3パターンのいずれかが理由であることが多いです。
①法人向けサービスの複雑性とリサーチ実施の敷居の高さ
法人向けのサービスは複雑です。
購入の意思決定だけを切り取って考えても、消費者向けのサービスであれば個人がサイトを見て欲しい!と思えば、多くの場合そこで購入へ至ります。
しかし、法人の場合はそもそも実際にサービスを利用するユーザーと、購入品を選定する人、決済をする人がバラバラだったりします。
そんな複雑なサービスを相手に、目標設定からリサーチのプランニング、実施、分析に着手するためには、多くの時間やリソースが必要になります。
そのハードルの高さゆえに、「もう少し余裕ができたら」と先延ばしにし続け早数年が経っている。というようなケースは少なくないと思います。
②短期的なROIの不透明性
通常、UXリサーチはリサーチの実施・サービスへの落とし込み・検証など、一連のプロセスにおいて時間とリソース、コストを要します。
特に、ステークフォルダーが多く、複雑性も高い法人向けのサービスでは、開発サイクルが長期にわたることが多く、リサーチの結果が目に見える形で出てくるまでにかなりの時間がかかります。
投資効果の不透明さゆえに、短期的なROIを重視して見送られるケースが非常に多いです。
「自分はリサーチが大事だと思っているけど、他の担当者たちが首を縦に振ってくれない、、」というお悩みを抱えている方もいるのでは?
③自社のソリューションへの過信
法人向けのサービスに携わる人は、「法人顧客は心理的な満足ではなくビジネスソリューションを求めている」という考えに基づき、業界特有の要求に合ったサービスを提供していれば、ユーザーリサーチを行わなくても自社の製品が売れると信じています。
この考えがベースとなって、前述の二つの点が強化され、リサーチが永遠に行われないというのが王道のパターンのように思います。
実際、多少見かけのインターフェースの見栄えが悪くとも、使いにくさがあったとしても、ビジネス上必要なツールであるが故に使われ続けているサービスはあります。
とはいえ、変化の激しい現代社会では、予期せぬ競合の出現もありえます。
国境を超えて様々なツールを試せる環境下で目の肥えたユーザーを相手に、同じ提案を続けているだけで期待に応え続けることは、なかなか難しいのも事実ではないかと思います。
また、デジタルネイティブ世代が労働人口における比率が増している現在、法人向けの領域でも一般消費者向けのサービスに近い消費行動が増える傾向にあるとも言われています。
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