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【出展するならどちら?】海外と国内のプラットフォーム比較編
これまで海外クラウドファンディングについての記事を書いてきたが、もちろん日本にもクラウドファンディングのプラットフォームは存在する。製品やサービスの出展を考えている人にとって、どちらのプラットフォームを使うかは資金調達を達成する上で重要な要素になるだろう。今回は迷っている人のためにも、日本と海外のクラウドファンディングプラットフォームを比較していきたい。
海外クラウドファンディングに関しての記事:
- 海外クラウドファンディング入門編 〜これからクラウドファンディングの時代が来る Part 1〜
- 米国2大クラウドファンディング INDIEGOGOとKICKSTARTER比較編 〜これからクラウドファンディングの時代が来る Part 2〜
- 海外クラウドファンディングから生まれた人気製品TOP5〜これからクラウドファンディングの時代が来る Part 3〜
海外クラウドファンディングの魅力
KICKSTARTER(キックスターター)とINDIEGOGO(インディゴーゴー)に代表される海外クラウドファンディングには日本のプラットフォームと比べて3つの魅力がある。
魅力①:世界から注目される = 調達額が大きい
世界を市場として資金調達できることは、海外クラウドファンディングの最大の魅力である。もちろん日本にも英語で対応しているプラットフォームもあるが、ほとんどは日本国内からの資金調達を目的としたサービスである。そのため、資金調達額、出資者数、プロジェクト数の観点から見ると圧倒的な差ができてしまう。
プラットフォーム別累計資金調達額:
海外:
KICKSTARTER: 約2300億円(21億ドル)
INDIEGOGO: 約900億円(8億ドル)
日本:
Readyfor: 20億円
Makuake: 9億円
Campfire: 7億円
プラットフォーム別累計出資者数:
海外:
KICKSTARTER: 1000万人
INDIEGOGO: 900万人
日本:
Readyfor: 14万人
Makuake: 不明
Campfire: 7万3千人
累計プロジェクト数
海外:
KICKSTARTER: 28万件
INDIEGOGO: 27.5万件
日本:
Readyfor: 3700件
Makuake: 1000件
Campfire: 1400件
*参考: 各サイト及び http://visualizing.info/
魅力②:手数料が安い
プラットフォームに支払う手数料も海外と日本ではことなり約2倍以上の差がある場合もある。*
Campfireは2月17日から5%になった
海外:
KICKSTARTER: 5%+クレジットカード手数料(3%+0.2$)
INDIEGOGO: 5%+クレジットカード手数料(3% +0.2$)
日本:
Readyfor: 17%
Makuake: 20%
Campfire: 5%(2016年2月17日より20%から変更)
魅力③:プロダクトを取り扱ったキャンペーンが多い
キャンペーンの種類も国内と海外では大きく異なる。国内と海外クラウドファンディング、それぞれの資金調達額上位100のキャンペーンを調べると、プロダクトを取り扱ったキャンペーンが海外だと75個に対して、国内は29個と2倍以上の差が出ている。国内クラウドファンディングでは製品を出展するというより、イベントやチャリティー、店舗を開きたいというキャンペーンが人気だ。そのため、プロダクトに関するキャンペーンを行いたいなら海外クラウドファンディングをオススメする。
海外クラウドファンディングでの具体的な日本発のキャンペーン例
キャンペーン名: シェンムーⅢ
調達額: 6,333,295ドル(約7億)
支援者数: 69,320人
詳細: シェンムーⅢは、ドリームキャストで2001年に発売されて以降、物語が未完成のままであったシェンムーⅡの続編である。鈴木裕氏が指揮をとり、約7億円の資金調達に成功し、16年ぶりに2017年の12月に発売される。
キャンペーン名: Mighty No.9
調達額: 3,845,170ドル(約4億3千万)
支援者数: 67,266人
詳細: Mighty No.9は、キャンペーン開始から約40時間で目標金額である90万ドルを達成した期待のゲームだ。カプコンでロックマンシリーズを手がけた稲船敬二氏の新作としてキックスターターに出展されたので、大きな注目を集めた。
2つのキャンペーンはどちらも日本発で海外クラウドファンディングKICKSTARTERで大きく成功した例だ。シェンムーⅢに至っては、ゲーム1本で国内クラウドファンディングのプラットフォーム1つ分の調達額と支援者に匹敵するほどの規模である。
国内クラウドファンディング
ここまで海外クラウドファンディングの魅力を伝えてきたが、MakuakeやReadyforに代表される国内クラウドファンディングにも、日本ならではの魅力がある。
魅力①:日本語での出展・やりとりが可能
国内クラウドファンディング最大の魅力は、日本語で出展ができるということだ。海外のクラウドファンディングに出展する場合、手続きはもちろんのこと、キャンペーンの紹介文や動画も英語で作成しなければならない。さらにユーザーとのコミュニケーションやキャンペーンのプロモーションは英語力だけではなく、文化や慣習を含めた現地の感覚も必要になる。
魅力②:カスタマーサポートが充実している
海外クラウドファンディングで出展する場合、いきなり目標金額や報酬を決めて出展することになる。クラウドファンディングで出展することに慣れている人ならばそれで良いかもしれないが、初めて出展する人やアイデアはあるけど本当に成功するかどうか不安な人にとってはハードルが高い。しかし、国内クラウドファンディングにはとりあえず相談するという選択肢がある。
魅力③:海外の口座を作る必要が無い
海外のクラウドファンディングで出展する場合、調達した資金を受け取るために海外の銀行口座かPayPalアカウントが必要になる。しかし、国内クラウドファンディングならばそういった煩わしい手続きも必要なく、今ある口座を使って資金調達ができる。また、安心度も高い。
魅力その4:日本市場ならではのキャンペーン
日本市場をターゲットにしているキャンペーンは国内クラウドファンディングの方が調達しやすい。例えば、570万円の資金を調達した「まごチャンネル」は高齢化社会という日本ならではの市場特性を生かしたキャンペーンと言える。
Makuakeで570万の資金調達に成功した「まごチャンネル」はITが苦手な高齢者をターゲットにしたサービスだ。スマートフォンで撮った写真や動画を離れて暮らす実家のテレビに届けることができる。受け手は簡単なセットアップで写真や動画を見る専用のチャンネルをテレビに作れるため、ITに疎い高齢者でも容易に孫の元気な姿を見ることができる。
海外・国内どちらが良いのか?
では、クラウドファンディングを活用する場合、国内向けのものと海外のプラットフォームのどちらを活用するのが良いだろうか?実は、同じプロダクトでも、海外と国内では調達できる金額に大きな差が出ている。下記に紹介するのは実際に国内のプラットフォームと海外のクラウドファンディングに同じプロダクトを出展したケースである。
こちらを見ればその差は明らかだ
国内・海外での同一プロダクトキャンペーン比較
同じプロダクトでも国内と海外クラウドファンディングでは注目度、調達額に大きな差が開いている
Impossible Instant Lab
出資額 | 約6,000万円 | 約531万円 |
支援者数 | 2,509人 | 268人 |
キャンペーンページ | キャンペーンページ |
PRESSY
出資額 | 約8,000万円 | 約110万円 |
支援者数 | 28,818人 | 377人 |
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NightCry
出資額 | 約3,400万円 | 約410万円 |
支援者数 | 2,408人 | 313人 |
キャンペーンページ | キャンペーンページ |
iPin
出資額 | 約700万円 | 約37,000円 |
支援者数 | 1,164人 | 7人 |
キャンペーンページ | キャンペーンページ |
NANOTIPS
出資額 | 約800万円 | 約40万円 |
支援者数 | 2,413人 | 125人 |
キャンペーンページ | キャンペーンページ |
まとめ
今回紹介したように、国内クラウドファンディングと海外クラウドファンディングにはそれぞれ一長一短がある。しかし、海外クラウドファンディングに関する数字はかなりインパクトがある。国内と比較すると規模が2桁も違う。もちろん、それぞれのキャンペーンの特性に合ったプラットフォームに出展するべきであるが、日本発だからといって選択肢は国内クラウドファンディングだけではない。
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