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人工知能 (AI) はどこまで進歩しているのか – 4つの知能レベルと実商品例 –
個人の検索データ、行動データを蓄積し、そのデータを使って最適な作業を機械でできることが増えたきた。さらに、テクノロジーの進化により自分で考えて話すことができるPepperやパーソナルアシスタントSiri、Google Nowが活躍できる場が増えてきている。
便利にはなるものの、仕事面で考えると進化する人工知能は将来わたしたちの仕事を奪ってしまうのではないだろうか?もし人工知能が自分の部下として配属される時代がきたら自分はどのように指示を出し一緒に働くのであろうか?
人工知能は現在どこまで進歩しているのだろうか、今回はエンジニアではなくビジネスマンであるわたしが調査した基礎的な概念、構造を中心に第2回に渡って紹介する。
1. 人工知能 (AI) とは
世の中に、人工知能を厳密に定義できるものは研究者、機関によってその解釈や認識にずれがあることがわかっている。日本で人工知能の名著「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」の著者である松尾氏やハーバードビジネスレビューで見識を広めた安宅氏の言葉を借りれば、以下のような定義となる。
この情報科学、有効で豊富なデータ、高度な情報処理力の3つを掛け合わせたもの、すなわち機械学習、自然言語処理など必要な情報科学を実装したマシンに十分な学習を行ったものをAIとイメージできればと思う。
「特化型人工知能」、「汎用人工知能(GAI)」
人工知能には目的やできることよって個別の領域に特化して能力を発揮する「特化型人工知能」、異なる領域で多様で複雑な問題を解決する「汎用人工知能(GAI)」の2つに分類でき、ドワンゴ社が全能アーキテクチャの取り組みを進めている。
「弱いAI」と「強いAI」
また「弱いAI」と「強いAI」と言う分類もある。枠の範囲で考える人工知能を「弱いAI」と呼ばれ、ある一定の範囲ではすでに人間のレベルを超えてきているが、このAIがいくら高性能化しても「ある枠内」での事でしかなく、あらかじめプログラムされた事以外は何も出来ない。故に人間の能力を補佐、拡張としての機能を期待されることから故に「弱いAI」と呼ばれる。
枠を超えて考える人工知能を「強いAI」と呼び、「人間のようにものを考え、認識・理解し、人間のような推論・価値判断のもとに実行をすることができるものを指す。自律的に学び、意思決定行うことができるものである。
2. 人工知能の4つのレベル
レベル1・・・単純な制御プログラム
温度の変化に応じて機能するエアコンや冷蔵庫など。「人工知能搭載の◯◯」といった、マーケティング用語として用いられる場合もある
レベル2・・・対応のパターンが非常に多いもの
将棋のプログラムや掃除のロボット、質問に答える人工知能など、弱いAIがこれにあたる
レベル3・・・対応パターンを自動的に学習するもの
検索エンジンやビッグデータ分析で活用される。機械学習を取り入れたものが多く、特徴量は人間が設計する
レベル4・・・対応パターンの学習に使う特徴量も自力で獲得するもの
ディープラーニングを取り入れた人工知能が多く、高度な分析が可能
3. 人工知能の歴史
人工知能の研究の歴史は、「ブーム」と「冬の時代」の繰り返しと言われる。人工知能という言葉は1956年に生まれ、第1次〜第3次(現在)までに至る。
第1次ブーム(1950年代後半~1960年代)では迷路やパズルを解いたり、難しい定理を証明する人工知能が登場し、世界で注目された。ところが現実の課題解決には使えない弱い側面があり、ブームは冬の時代に。
第2次ブーム(1980年代)はコンピュータに知識を入れ、様々なことに対応出来るシステムは出来るが、知識を記述、管理すること、膨大なデジタルデータを取り扱うことが難しいため、1995年ごろから再び冬の時代に。
第3次AIブーム現在は第3ブームが起きており、背景にあるのは、
- 深層学習による機械学習の情報科学
- ビッグデータの普及
- 高度な処理をリアルタイムに実現することができるようになったこと
- ディープラーニング用いた、ワトソンや将棋のプロジェクトのような印象的なプロジェクトの発足
- 人工知能の影響力や脅威の伝達
(スティーブン・ホーキング博士や実業家のイーロン・マスク氏ら著名人が「人工知能は人類を滅ぼすのではないか」と懸念を表明された)
など、いくつかの要因が重なって今の第3次ブームがあると言われている。
4. 人工知能はどういう形で商品化されているのだろうか?
代表的なものをいくつか例に挙げて紹介する。
Apple (Siri)
Appleが1988に製作した動画にパーソナルアシスタント「Knowledge Navigator」というのものがあり、Siriはその現代版である。Appleが考えるハードウェア・ソフトウェアの未来はまさに実現しようとしている。
Softbank (Pepper)
2014年6月にソフトウェアはPepperを発表した。フランスのアルデバランロボティクスとソフトバンクが共同で開発し、ワトソンを搭載し、感情を認識できるロボットとして人気を集めている。
WiFi 通信もできるためクラウドAIとしてデータ学習を行うことができる。各家庭や企業などで人の表情や声を学習してクラウドに蓄積し、学習を生かすことができることが大きな期待できるポイントである
Facebook M
Facebookもパーソナルアシスタントを研究開発中である。現在米国で一部のユーザーに限定利用しているのが「M」だ。Mはユーザーのお願い(依頼)を実行するパーソナルアシスタントである。
サービスの裏側には、「M Trainer」と呼ばれるサポートスタッフが常駐監視しており、人工知能で対処しきれないニーズを人が介在して対応していくようになっている。具体的には、商品の購入、配送手配、飲食店の予約、旅行の手配などを例に挙げており、段階的に利用を広げいずれはすべてのユーザーに利用出来る。
Google Photosはアップロードされた写真を蓄積、管理するアルバムのような機能である。アップロードされた写真は、ディープラーニングによって自動で分析され、さらに、写真に写っている人物や撮影した場所、イベント(出来事)を自動で分類することによって、大量にアップロードした中から目的の写真や動画をカンタンに検索することができるになっている。Google Nowではユーザーの知りたい情報を音声認識をして検索結果を出す機能である。
地図、ルート案内、画像などを調べるのが便利だ。Deep Neural Networks(DNNs)」と呼ばれる音声入力処理技術を利用して、音声認識と認識した情報の処理を高い精度で実行することを可能にしていたが、新たに「Recurrent Neural Networks(RNNs)」と呼ばれる新技術が実装されている。
DeepMindはGoogleがPhotoや検索以外にも自動運転車やロボットなど人工知能を使った次世代のプロジェクトを進めるために、近年多くの買収を手がけた会社のひとつである。その中でも近年で最も大きな買収が「Deep Mind Technologies」である。
DeepMindでは、電子商取引やゲームなどで用いるアルゴリズムの構築を手掛けるイギリスの会社である。経験から学ぶのが特徴とし、プログラムを変えることなく「スペースインベーダーなど」の古典ゲームをプレーしながら学習し、ゲームスキルを飛躍的に向上させる機能を持っており、買収前はイーロンマスク(テスラ)やピーターティール(Paypal)が出資していた。
買収後、YouTubeのリコメンド機能、Android端末のボイスサーチ機能などに活用されている。買収額はハイテク関連のニュースサイトであるRe/codeによると4億ドルとされている。
次回は人工知能でどういったことができるかについて紹介していこうと思う。
Hironori Tsubouchi – Guest Writer 新卒でアドテクノロジー領域の国内ベンチャーに入社し、現在は外資系に在籍。アドテクノロジーの市場の変化の速さ、パーソナライズにターゲティングする広告の「レコメンド」や「入札」のロジックで使われている機械学習の奥深さを知る。 |
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