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ユーザーが「使い続ける」サービスの特徴と事例4選
現在弊社はクライアントワークで、とあるアプリの開発に携わっている。
ヘルスケア系のサービスに興味や関心はあるけれど、日常の習慣の中に取り込めていない人にも利用してもらえるようなサービスを作ることを目的としている。
どうしたら、ユーザーにサービスを継続してもらえるか?という課題にフォーカスして、社内アイディエーションと、クライアントも含めたワークショップ形式で、アイディア出しを行った。
その際、ヘルスケア系に限らず、さまざまなジャンルのアプリをリサーチして参考にした。
この記事では、リサーチをもとに、継続のしやすさという観点で優れていると感じたサービスをご紹介する。
日々の記録や言語学習のような、「使い続けてもらうこと」に本質があるアプリを中心にピックアップし、それぞれのアプリが実践している継続しやすいポイントをまとめてみた。
- Duolingo
- Nike Run Club
- Forest
- muute
1.Duolingo
まず最初に紹介するのが、言語学習アプリのDuolingo。テレビCMも放送しているので、存在を知っている人も多いはず。
アメリカ発の言語学習アプリで、約40か国の言語の中から、好きな言語を学ぶことができる。
弊社メンバーが長く使い続けていると聞いたため、筆者も実際にインストールしてみた。そして、少し使い続けてみて、いいなと思った点をまとめてみた。
Good point
(1)毎回のレッスンが短いので、サクッと学べる
1レッスンあたりの問題数が少ないので、ちょっとした移動時間や待ち時間にも利用できる。
5分で終わると分かっているので、隙間時間に軽い気持ちでレッスンを受けられることがとても魅力的だと感じた。
(2)続けていくことでバッジがもらえる
レッスンを進めていくことでバッジがもらえるため、過去の積み上げが可視化されることで達成感があり、着実にコースを進められているという指標になる。
(3)続けないと、もう一度コースを受けないといけなくなってしまう
しばらくアプリを放置してしまうと、今までクリアしてきたコースをもう一度最初からやり直さなければならなくなる。
せっかくクリアしたところをもう一度最初から、というのは避けたいため、やらねば!という気持ちにさせてくれる。多少スパルタに感じるやり方も、習慣化のためには必要な要素なのかもしれない。
(4)適度にユニークな通知が来る
アプリをしばらく開かないと、スマホに通知が入るのだが、その通知がちょっとおちゃめなのだ。(通知の頻度は個人で設定可能)
Duolingoのメインキャラクターである緑の鳥のDuoくん含め、複数のキャラクターが交互に、「アプリに戻っておいで〜」と呼びかけてくれる。
2.Nike Run Club
ご存じの方やお使いの方も多いであろうNikeから出ているランニングアプリ、Nike Run Club。走行スピード、距離、ルートなどの記録全般を行ってくれるアプリだ。
記録以外の機能は極力少なくし、大事な「記録」という機能に特化していることがユーザーに長く使われる理由かもしれない。
Good point
(1)記録をシェアできる
自分のランニングの記録を他の人とシェアすることができ、お互いにスコアを見ることができる。
シェアすることで、お互いにモチベーションを高め合い、ランニングを継続しやすくする効果があると考えられる。
また、シェアできるだけでなく、コミュニティにも参加できる。
参加することで、チームで何かを達成するという楽しさが感じられるとともに、自分もより頑張りたいという気持ちにさせてくれそうだ。
(2)マイルストーンバッジやトロフィーを獲得できる
連続記録や、自己ベストを出すと、アプリがお祝いしてくれてマイルストーンやトロフィーを獲得できる。
(3)目標達成をサポートしてくれる
目標を設定し、目標達成までの達成率を可視化してくれるので、モチベーションをキープしやすい。
3.Forest
Forestは、言うなればスマホ中毒を解決するためのアプリ。
どこへ行くにも何をするにもスマホが欠かせない現代だからこそ生まれたサービスだ。
仕組みはとてもシンプルで、スマホを開いていない時間に木が育つというもの。日本の有料仕事効率化アプリのランキングでは現在1位(2022年7月時点)で、世界でも157ヵ国に渡って利用されている。
Good point
(1)究極にシンプルである
1つ目の特徴はなんといっても、スマホを触っていない時間に木が育つというシンプルさ。
新しいアプリを使う際に使い方が難しい、セットアップがややこしい、などの不便さが一切ない。
(2)育てることで愛着が湧く
自分のアクションによって何かが育つことで、愛着が湧いて継続したくなる効果がある。
このアプリの場合は、「スマホを開かない」ということがアクションになる。
(3)頑張りが可視化される
自分がどれだけスマホを触らずにいられたかという今までの頑張りの軌跡が、木というアバターで可視化される。そのため、どれだけ頑張ったかがわかりやすく、モチベーションを保ちやすい。
自分がスマホを開かなかった間にこんなに木が成長した、という達成感が得られそうだ。
4. muute
muuteは、AIが思考と感情を分析してフィードバックをくれるジャーナリングアプリ。筆者も継続して利用していた。
ただ書くだけでなく、分析が定期的に入ることで振り返りができるのが楽しくて、継続のモチベーションに繋がった。
Good point
(1)偉人の言葉をくれる
日記を書いたあとに毎回ひとことだけ、偉人の言葉がもらえる。
前向きな気持ちになれたり、ひとつ小さな知識が増えたという満足感を得られる。
(2)毎週と毎月のインサイトまとめが届く
自分が直近でよく考えていたことや感情を、それぞれ週単位と月単位とでアプリが自動で分析して、その結果を提示してくれる。
自分の思考や感情を客観的に振り返ることができ、変化を知ることができるのは、紙の日記にはない面白い特徴だ。
(3)テーマに沿って書ける
もちろん自由に文章も書けるが、与えられたテーマをもとに日記を書くことも可能。
日記を書きたいけど毎日何を書けば良いかわからず結局放置してしまう、という継続を阻むありがちな課題を解決し、何かを書くきっかけになる。
まとめ
サービスを継続して使えるよう施されている工夫として、共通している要素として挙げられるのが、まず、軌跡が可視化されるということだ。何らかの「カタチ」で今までの自分の成長を見て振り返ることができる。
Duolingoであれば、レッスンを進めることでバッジを獲得でき、今までの努力が可視化される。
Nike Run Clubも、記録に応じてバッジやトロフィーを獲得でき、走ったときの様々なデータを振り返りながら比較ができる。
また、Forestの場合、スマホを触っていない時間が木の成長で表現され、muuteは、日々の日記を、週ごと、月ごとのインサイトで客観的に振り返ることができる。
人間何かしらで記録をしていないとすぐに忘れてしまうし、記録があれば、ここまでやってきたから次もやろう、という次へのモチベーションに繋がりやすいのだと感じた。
ある種それまでにかけた時間やお金、努力を惜しむ気持ちから来る「コンコルド効果」のようなものに近いのかもしれないが、何かを習慣化させるという場合においては、上手に活用できれば効果的な手段かもしれない。
また、記録系サービスに限らず、どれだけハードルを感じさせず、楽しく使ってもらえるかが、ユーザーにとって大事な要素だと感じた。
難しそう、複雑そうと思わせない工夫や、ちょっとした隙間時間に使えるような気軽さが、継続して利用してもらうための必要な要素である。
また、それと同時に、ポジティブになれる言葉をもらえたり、何かが育つ愛着があったりと、楽しいポイントもサービスに組み込まれていると使いたくなる人も増えるはずだ。
btraxでは、上記のような使い続けてもらえるためのサービスデザインのみならず、そのサービスデザインの基盤となるリサーチ、ブランドのビジョンを言語化をする段階からサポートさせていただいている。
btraxのサービスにご興味をお持ちの方は是非、弊社のサービスページをご覧ください
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