デザイン会社 btrax > Freshtrax > スタートアップの聖地福岡市に学...
スタートアップの聖地福岡市に学ぶ、本物の起業家になるための5つのマインドセット
先日の11月25日~27日の3日間、福岡では「STARTUP FUKUOKA 3DAYS」として、ビジネスマッチングイベント「X-Tech Match up」、ピッチイベント「Startup Go!Go!」、国際交流イベント「ASCENSION 2020」という3部構成のイベントが開催された。
「Beyond Coronavirus(=コロナを乗り越える)」をテーマに、福岡の地場産業、ベンチャー企業、スタートアップ、多くの海外の提携都市からの登壇者と参加者が集い、スタートアップ拠点都市福岡からグローバルに向けた大きな発信となった。
福岡市がつくる、グローバル起業家が育つ「土壌」
この動きを支えるのが、福岡市在住の起業家予備軍を育てるグローバルスタートアップ育成事業「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA」である。
btraxでは、福岡市からの委託を受けて、2016年度の開始時点からこの事業の企画・運営を担ってきた。過去4回の事業運営を通して多くのスタートアップ企業が輩出されており、第5回目となる本年度も現在準備中である。
この記事では、過去4年間の研修の運営を通して感じた「成功するスタートアップ・起業家に必要な5つのポイント・マインドセット」についてお伝えすることにした。
1. 起業のきっかけを得る
まず、「自分にも起業ができる」という自信を持つきっかけを得ることが起業のスタート地点だ。
この研修では、地元福岡で成功している起業家はもちろん、東京やサンフランシスコから招聘した起業家や投資家から実際に話を聞くことを重要視している。ペンやノートが必要な座学ではなく、講師へのQ&Aの時間を多く取ったパネルディスカッションを多用している。
その結果、普段はなかなか話をする機会の少ない起業家や投資家との交流も可能になり、研修後のアンケート結果からも、「自分でも起業できそうだ」「起業をより身近に感じた」など、自分自身で行動を起こすきっかけが得られたという感想も多かった。
経験者の話を聞いて、これからの自分自身の行動に置き換えてみるということはとても重要だ。
昨年度ご登壇いただいた講師陣
2.アイデアを的確に人に伝える力を身につける
「こんな人達の困っていることを解決したい」や「こんな人達を幸せにしたい」という発想がビジネスになることが多い。しかし、ここで重要なことは、自分のアイデアを的確に人に伝えることである。
せっかく素晴らしいビジネスアイデアを持っていても、それを上手く人に伝えられない人は多い。ビジネスは1人で出来るものではない。手伝ってくれる仲間も必要だし、起業するためには資金も必要だ。いくらアイデアが素晴らしくてもそれを上手く人に伝えられないのではもったいない。
起業家にとって不可欠なのは、効果的なプレゼンテーション方法の体得だ。研修では「デザイン思考」を取り入れたプレゼンテーション方法の研修を毎年取り入れている。ビジネスアイデアを短時間で的確に伝える方法を学んでもらう。
また、グローバル展開に英語は欠かせない。英語は苦手という多くの人が持っている既成観念を払拭してもらうためのグローバルコミュニケーションの研修は毎年大人気だ。
3.経験者の話を聞く、経験者と繋がる努力をする
研修では、講師として招聘した先生方との交流が出来るような仕組みを取り入れている。それが研修後の交流会だ。交流会の場があっても、重要なのは繋がろうとする努力だ。
人脈は黙っていて出来るものではない。自分から積極的に繋がっていく、良い意味での「図々しさ」が必要だ。ちょっとしたきっかけで出来た繋がりが新たな繋がりを生むことになる。
これまでの研修を通して、実際に講師の投資家から資金提供を受けることになった話や、法律関連で相談が出来る弁護士と繋がった話など、多くの結果も出てきている。
研修での優秀者には、来年3月に開催予定のサンフランシスコで開催する国際ピッチイベント「SF Pitch Night 2021」に出場してもらうことになっている。
コロナ禍のため、本年度はオンラインでの開催となるが、現地から出場のスタートアップチームや現地の審査員と繋がることができるのはリアルイベントと同じである。
4.仲間をつくる
起業家だけでなく、同じ意志を持った人との関係を築くことも非常に重要だ。これまでの研修を通して仲間が見つかり、一緒に起業することになった事例も多くある。また、受講者同士の情報交換も良い刺激になる。
研修では、受講者のコミュニティーを開設し、講師や事務局を含めた情報交換や質問コーナーなどを積極的に使ってもらっている。毎年このコミュニティの盛り上がりが、人脈作りの役目を果たしている。
これらの仕組みを上手く使うことも重要だが、最も重要なのは、自分自身が様々な人々と繋がる努力を惜しまないこと。人に話を聞いたり、相談に乗ってもらったりすることが苦手な人も多いと思う。そんな苦手を払拭してもらうきっかけを後押しするのも、この研修の目的の一つなのだ。
前述したピッチイベントへの挑戦も、この研修を通して出来た仲間とのチーム出場も可能にしている。仲間と一緒に協力して「よし、世界と闘ってみようじゃないか」という意気込みを持つことは、今後ビジネスを実現していく上で経験するであろう様々な障壁に立ち向かう良い経験となると確信している。
5.起業に必要な最低限の知識を身につける
最後に、起業のための知識を身につけることだ。常日頃から新しい知識やノウハウの吸収に貪欲であることは大切だ。
研修では、「知見」「技法」「専門家を知る」「グローバルなコミュニケーションのコツ」そして「腕試し」の5つのポイントを身につけること、また、より深い知識をつけるためのきっかけを得ることに重きを置いている。
- 最新のグローバルスタートアップの動向をキャッチしてもらう「知見」
- アイデアを的確に伝えるためのプレゼンテーションの「技法」
- 投資家や法務の専門家などのプロフェッショナルな講師陣と繋がる「専門家を知る」
- グローバルで通用する「コミュニケーションのコツ」
- 審査員や観客の前でアイデアを聞いてもらう「腕試し」
本年度はすべてオンラインでの研修となる。研修を通して、ニューノーマル時代でのコミュニケーションの取り方やプレゼンテーションの方法なども含める予定だ。オンライン中心の状況下のビジネスにおいて、どのように人との関係を築いていくかなどの習得も研修の重要なポイントと捉えている。
まとめ
これまで過去4回のこの研修の企画・運営に携わってきた。福岡には積極的で物怖じしない、そしてフレンドリーな方々が多い。この事業に参加した受講生は既に800名ほど。多くのスタートアップも生まれ、福岡のスターになった起業家も輩出している。
大変嬉しいことに、btraxは、引き続き本年度も「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA 2020」の企画・運営をさせていただくことになった。オンライン開催とはなったが、オンラインならではの良い側面もたくさんある。2021年1月中旬から約2ヶ月間の研修本番に向けて、現在準備中だ。
すでに本年度の受講生の申し込みが始まっている。起業したいと思ってる方、すでに起業したが現在迷走中という方、企業の中で世界に通用する新規事業を始めたいと思っている方は、是非とも応募していただきたい。
この研修の詳細や応募要項などはこちらのWebサイトよりご参照いただきたい。過去の参加者の声や錚々たる講師経験者の皆さんからの応援メッセージも記載しているため、応募のきっかけになってもらえれば運営事務局としてこれほど嬉しいことはない。
CES 2025の革新を振り返りませんか?
私たちは1月11日(土)、btrax SFオフィスで「CES 2025 報告会: After CES Party」を開催します!当日は、デザインリーダーたちがCES 2025での注目トピックスや最新トレンドを共有します。ネットワーキングや意見交換の場としても最適です!