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サンフランシスコ・シリコンバレーに行ってわかった5つのこと
サンフランシスコ・シリコンバレーは未来都市と言われるほど、テクノロジーが発達し多くのスタートアップが生まれものすごいスピードで市場を獲得している。人々はそのような環境を求めて様々な国から集まり、共に働き、生活している。そんな背景もあってか、一つの決まった「普通」というものがない。自国の文化を持ち寄り、他の文化を受け入れて良いところを取り入れている。
ワークスタイルも多様である。朝はやく来て夕方に帰る人、深夜に仕事をして昼間は自分の時間として活用している人、オフィスには来ずにリモートワークで仕事をしている人、コワーキングスペースやシェアオフィスで作業をするフリーランサーやスタートアップなど。今回は日本で暮らしているだけではわからない、サンフランシスコ・シリコンバレーの特徴についてご紹介したい。
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1. 日本から来たことは特別なことではない
アメリカは移民の国であるため、他の国から来たということは珍しいことではない。特にサンフランシスコの人口の33%がアジア人である。これはニューヨークの7%に比べて26ポイントも多い。
日本にいるとアジアは日本以外のその他の国であるという感覚を持ちがちのだが、サンフランシスコからみると日本もアジアの中のひとつという位置づけである。マーケットの規模で比較すると日本という国は1番魅力的というわけではない。世界を視野に入れている企業は中国・シンガポール・韓国などを日本以外に選ぶことができるのである。
あなたがサンフランシスコに行ったとしても、日本から来たということはものすごい強みということにはならないのである、重要なのは1人の人間としてどのような価値を提供できるのかということだ。
2. 企業が決断を下す際に費やす時間は日本の100倍も早い
とある大学教授の研究結果では、シリコンバレー地域の会社と日本の会社の決断に費やした時間に関する統計を集めたところ、100倍もの差があることがわかった。シリコンバレーでは日本の会社よりも決断スピードが100倍も速いという統計結果が出ている。
例えば、企業を買収する場合、日本企業では締結に至るまで1年程掛けたとしても不思議ではないだろう。しかし、スティーブ・ジョブスは1/100の3日しか掛けなかった。そうする事によって当時は弱小のAppleでもAdobeやMicrosoftと言った強力な競合にも負けないアドバンテージを得る事が出来た。
一つの決断を下すのにしっかりと時間を掛け、リスクを想定し、確実なリターンを求めようとする事が今までの日本企業の一般的なやり方であった。シリコンバレーでは決断に掛かる時間量と、その決断が生み出すリスクは比例している様に思われている。上手くいってもそうでなくても速いスピードで進める事のメリットは大きい。
3. 完璧なプロダクトを1つ出す間に、20%の完成度のものを5つ出す
日本企業が完璧なプロダクトを1つ出す間に、シリコンバレーの競合は20%の完成度のものを5つ出し、ヒットしたものだけを残し改善していく。例え不完全だったとしてもリリースタイミング主導の戦略が功を奏す事も多い。そしてシリコンバレーにはそういった商品を受け入れ、使用してフィードバックをするアーリーアダプターと呼ばれる人々が多く存在する。
例えばGoProはシンプルな機能で無骨なデザインのプロダクトをとりあえず発売し、ユーザーを集め、その後に改良版を次々にリリースし、小型カメラの代名詞となり、上場企業となった。技術的には大した事の無いプロダクトであるが,そのスピードをビジネスの一つの戦略とした。これには、「あの時、うちもプロダクト開発に取り組んでいれば・・・」と感じた日本のメーカーもいるのではないだろうか?
このような手法はリーンスタートアップと呼ばれ、シリコンバレーの企業で多く取り入れられている。
4. 英語で論理的に自分の考えを述べるスキルが必要
海外へ行くときは英語はそこまでできなくても、なんとかなると思いがちだ。しかし、英語で自分の意見を述べることができると、できない人に比べて何十倍も得るものがある。
まず、英語で書かれた文献には、日本で共有されていない多くの知識がつまっている。マーケティング、デザイン、プログラミングの専門書は得られる情報が大きく差がつく。その知識は英語を読んで理解できるからこそ得られるものである。
次に、現地のコミュニティに入ることで、サンフランシスコにあるスタートアップの最新情報、現地の人たちの生活スタイル、興味関心の情報を得ることができる。
現地に長く住んでいる日本人コミュニティーでも充分情報収集は可能だが、大手のスタートアップのエンジニアやデザイナーは英語を話す人が多いため、その人達と信頼関係を築くためには、やはり英語でのコミュニケーション、ディスカッション能力の高さが必要となってくる。
5. どこでも働けるワークスタイルが実現している
サンフランシスコではリモートワーク (オフィス以外で仕事をすること) が普及しており、企業は働く場所や時間に関して非常に寛容である。
筆者のルームメートはサンフランシスコのライドシェアサービスLyftでエンジニアとして働いていた。完全なる夜型で、夜中に仕事をして、15時頃に出勤していた。ミーティング以外は好きな時間に働いてよいとのことだ。
btraxでもWork from home dayという制度があり、週1回はリモートワークで家から仕事をして、その日に入った社内ミーティングはオンラインで参加することができる。日本からもミーティングに入ってくるため、btraxサンフランシスコオフィス、btraxジャパンオフィス、自宅と3箇所にいるメンバーとのミーティングも日常の光景である。
他国のクライアントとも頻繁にオンラインでミーティングを行うので、オフィスへ行かなかればできない仕事はほとんどないと言える。
これからサンフランシスコ・シリコンバレーへ来る予定の方は、是非この6項目を自分の目で見て体感してほしい。これからのキャリアパスや自分の働き方について見直すきっかけになるのではないだろうか。
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