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現代のスタートアップチーム構成における6つの役割とは
現代のスタートアップにおいて、どのようなチーム編成を行うのが良いのだろうか?組織と業務プロセスがしっかりと形成されている大企業と比べて、スタートアップのチームはかなり特殊である。
全員が攻めに徹する完全ぶっこみ型カミカゼチーム
そもそも、スタートアップとは「新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一獲千金を狙う人々の一時的な集合体」である。急成長を達成するには、じっくりと組織を醸成する余裕はない。
特に立ち上げ時からしばらくは、いわゆる「仕組み」というものはほぼ存在しない。ぶっちゃけ、かなりカオスな状態であることも少なくはない。
最小のチーム構成:「Hacker」「Hustler」「Hipster」
スタートアップは、ファウンダー含めメンバーの多くが未熟な若者だけで構成される為、勢いはあるが、長期戦に耐えられないケースが多い。
そして、おおよそ彼らは社内教育制度の全く無い、能力勝負に偏った”即席”チームであり、短時間のうちのその形態が大きく変化することも少なく無い。
そんな状況で、以前よりスタートアップの理想的な創業チーム編成はハッカー (開発担当)、ヒップスター (デザイン担当)、そしてハスラー (ビジネス担当)とされてきた。
この3人を中心に、資金調達を行い、速いスピードでプロダクトを作り、世に出す。そして、その3人をまとめるのが共通したビジョンである。
現代における理想的なスタートアップメンバーの6つの役割
上記のような以前より語られている最小限の役割に加え、現代ではよりバランスの良い「次世代」のチーム構成と役割が求められ始めている。
下記に紹介するのは、今の時代においてスタートアップ企業が急成長を達成し、内部崩壊を極力避けるために必要な6つの役割である。
1. Visionally – ビジョン担当
会社の存在意義や長期的な社会的存在価値を定義する役割
2. Hustler – ビジネス担当
資金調達や営業、パートナーシップなどのビジネス開拓をする役割
3. Hacker – 開発担当
コーディングやエンジニアリングを通じてプロダクトの開発をする役割
4. Hipster – デザイン担当
プロダクトのUIや全体のUX, ブランド素材などのデザイン全般
5. Magician – マーケティング担当
市場調査やデジタルマーケティング、ユーザー獲得を行う役割
6. Enabler – 実務担当
チームがしっかりと機能するための日常業務やカルチャーづくりを行う
上記は必ずしも6人のスタッフが必要ということではなく、1人が複数を兼任する場合もある。例えば、創業時のAppleの場合、Steve JobsはVisionallyとHustlerを、HONDAは本田宗一郎がVisionallyとHackerを兼任してたりもした。
それぞれの特性: 個性的でなければスタートアップではない
そして実は、これらの役割をする人たちの特性を考えた場合、かなり個性的な内容になると思われる。それはスタートアップというものがどれだけ特殊であるかということが分かるだろう。
1. Visionally – クレイジー
誰もが不可能と思うくらいの「狂った」目標に対してリアルな情熱を持っている
例: Elon Musk
2. Hustler – ペテン師
まだまだ実現していないことをまるで出来ているかのように大きく見せることが出来る
例: Elizabeth Holmes
3. Hacker – コミュ障
人と話すことよりもテクノロジーと対話することが上手
例: Mark Zuckerberg
4. Hipster – へそ曲がり
周りの人が気づかないような細かいことにこだわる
例: Jack Dorsey
5. Magician – ホラ吹き
1を100のように表現し、多くのユーザーからの注目を集める
例: Jeff Bezos
6. Enabler – ムードメーカー
そんな個性豊かなチームを1つにまとめ前に進める
例: Sheryl Sandberg
大企業の中からスタートアップ的カルチャーを生み出すサービス提供中
強烈な個性を持ったチームを武器に、今までに無いイノベーションを通じ、人々の生活と世の中を変える事を達成することがスタートアップの役割であるが、最近では、この流れは大企業にも見られ始めている。
実際に、我々のクライアントの多くが、サンフランシスコでのワークショップやフィールドワークを通じ、企業家精神を吸収する事で、企業内のカルチャー変革と新規事業の創出を行なっている。詳しくは公式サイトをご覧ください。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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