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コロナ疲れを克服!心身共にケアするウェルビーイング系サービス5選
- コロナの影響で心身ともに疲れが。今こそ「ウェルビーイング」について考える必要あり!注目のウェルビーイング系サービス5選
- Moon Juice: 美容だけでなくストレス軽減等にも効く、植物由来のクリーンビューティープロダクト
- WellSet: WellTechの先駆者。ウェルビーイング系サービスの総合プラットフォーム
- hims/hers: 驚異の成長でユニコーン企業入り。男女のデリケートな悩みに寄り添うD2Cブランド
- Oura: 睡眠時のコンディショニングもサポート。指輪型の超スマートIoTデバイス
- Blueboard: リワードの送り合いで体験を提供。従業員体験の向上を図るToB向けプラットフォーム
- 長期的に見て、心身両者に対してポジティブに働くウェルビーイングサービスであるかがポイントに
- サービス提供者が向き合うべきは、サービスを通じたユーザーの課題解決
リモートワークが新たな働き方として普及し、ニューノーマルが浸透し始めている段階にある。その一方で、「ニューノーマルが生み出す4つの意外な社会課題」にあるように、思いがけない課題も出てきている。
上述の記事で挙げられている課題のひとつに「働きすぎてしまう」というものがある。リモートワークで、家にいる時間が長く、通勤時間も仕事に充てられる状況になったことが原因だ。
実際、Human Resources Exectiveによると、7割の人がこれまでのキャリア全体を通じても、最も大きなストレスを感じているとの調査結果が出ているほか、抗うつ剤や抗不安剤などの処方も増えているという。また、6割以上の人が、このコロナ禍で仕事における生産性の低下を感じているとのデータも出ている。
朝起きて、仕事をして、寝るという淡々としたタイムラインで毎日が進んでいく。ほとんどの時間を仕事に費やしていて、気がつくともうこんな時間。あっという間に一日が終わると感じている方も多いことだろう。
いつ収束するのかも見通しも立っておらず、家にいることを余儀なくされ、自由がない。ただでさえ塞ぎ込みそうな、あるいは、爆発しそうな精神状態になりかねないのに、なんだかんだで仕事をしすぎてしまうという不本意さ。心身共に疲弊していないだろうか。
こういった、身体の不具合を治すだけでなく、心も整え、改善していくためには、「ウェルビーイング」という言葉が重要になる。ここ数年でよく聞かれるようになった言葉だが、その一般的な意味は、身体的、精神的、社会的に満たされている状態のこと。
特に、身体的な充足以上に、精神的にも満たされていることがウェルビーイングの定義の中核にある。健康よりも、ウェルビーイングなのか。たとえ健康的に役立つサービスだとしても、長期的に見て精神的、社会的に自分が満たされているのか、といった点に着目しているのがポイントだ。
今回は、ウェルビーイングやウェルネスをテーマにしたサービスや取り組みについてご紹介していきたい。新たな環境に順応せざるを得ない状況において、これまでの生活との摩擦やギャップで精神的にも疲弊してきていると感じるという方の一助になったら幸いだ。
Moon Juice
Moon Juiceは、LA発のウェルビーイングブランドだ。アダプトゲンという成分に着目したサプリメントや、スキンケアグッズを扱う。アダプトゲンは、ハーブや漢方由来の成分で、ストレスの軽減や美肌効果などが期待できる。
脳の活性化を助けるもの、肌の調子を整えるもの、コラーゲンを補給できるものなど、効能も様々。また、サプリメントといっても、錠剤のものだけでなく、ドリンクに溶かして摂取できる『Moon Dust』という粉末状のものもある。
Moon Juiceは元々、創業者であるアマンダ自身が、患っていた慢性的な免疫疾患をアーユルヴェーダ療法(インド古来の伝統医学)で寛解した経験に基づいている。この経験から自身でも学びを深め、植物の力を活かしたクリーンなプロダクトを作ることに至ったという。
Moon Juiceのプロダクトは、その成分の純度や効力、微生物含有量、農薬の量などを専門家と共に検証し、高品質さを徹底したもの。自分たちが摂りたいと思う、高品質なものしか作らないという強い信念に基づいている。
また、カリフォルニアを中心にオフラインの店舗も持っており、そこでは、プロダクトの販売はもちろん、ジュースやミルク、スナック類などの提供も行っている。
WellSet
WellTech(Well-being/Wellness × Technology)という言葉や、WaaS(Well-being/Wellness as a Service)という言葉も出てきている。数兆円の市場規模というポテンシャルを秘めたウェルビーイング業界において、WellSetは先駆的なサービスだ。
WellSetは、ウェルビーイングやウェルネスにまつわるサービスの予約ができるプラットフォームだ。セラピストや鍼灸師、アーユルヴェーダのインストラクターなど、様々なカテゴリーのプロを検索で見つけ、施術の予約までを一気通貫で行うことができる。
また、『Virtual Wellness Studio』という、メディテーションやエクササイズを対面で行うイベントにも参加することができる。コロナ禍ではオンラインで行われているが、オフラインのイベントも含め、お試し感覚で、より気軽にサービスを利用することができる仕組みも設けている。
WellSetの強みは、網羅性の高さにあると筆者は考えている。ただでさえ類似した言葉が多く、混乱するウェルビーイングやウェルネスの概念。それを逆手に取ったかのようなサービスに思える。
症状や希望するインストラクターカテゴリー、価格など細かく条件を絞って検索が可能(公式HPより)
サービスの検索画面では、症状やどどのようなカテゴリーの施術を希望しているかによって細かく条件検索が可能。詳細なニーズも汲むことができるようになっている。
多岐にわたるカテゴリーを網羅しているということは、当然対応できるニーズも広い。「こんなものもあるだろうか?ひとまずWellSetを見てみよう」とサービスを利用する人が多いのではないかと予想できる。
また、インストラクターたちが個人単位で登録されていることもポイントだろう。例えば、サービス利用時に、1人のユーザーがクリニック単位、施設単位でサービスを選ぶのではなく、ユーザー1人につきインストラクター1人を探して、選ぶことができるようになっているのだ。1対1の構造になっている。
「このクリニックに行きたい」ではなく、「この人の施術を受けたい」「この人に診てもらいたい」というレベルまで絞り込むことが可能なのである。
実際の施術の際は1対1になる上に、ウェルビーイングやウェルネスなどの比較的デリケートな分野のサービスだからこその配慮かもしれないが、ユーザーに寄り添って設計されている優れたサービスだと思う。
hims/hers
自分らしさもウェルビーイングにおける重要なキーワード。hims/hersは、男性と女性それぞれの自分らしさに寄り添ったプロダクトを提供するD2Cブランドだ。
創業わずか3年でユニコーン企業の仲間入りを果たし、これまでに調達した資金はおよそ200億ドル。この成長スピードは、米国の歴史の中で2番目に速かったという。
himsとhersのプロダクトは、いわゆるコンプレックス商材だ。男性の場合、脱毛や勃起不全、女性の場合、スキンケアに加え、避妊にまつわるものなど。それぞれの性に特有かつ、他人には相談しにくく、医者に行くのも少し気が引ける症状や悩みにアプローチする。
また、専門医による本格的な診療の前に、総合医に症状を診てもらうプライマリーケアに関しては、両ブランドとも専門のプラットフォームを使って受診できるようになっている。
質問に答えた上で、プライマリーケア医による診療をオンラインで受診し、場合によっては処方箋まで発行してもらえる。その処方箋を持って指定の薬局に行けば、薬を手に入れることができる。
最初の入り口となるプライマリーケアをオンラインで気軽に受診できることは、患者にとっても病院に行く手間が省けるし、診察する医師にとっても、効率的な診療の実現ができることになって、両者にメリットがある。
himsによると、脱毛や勃起不全などの症状に関して医師ときちんと話をし、満足に診察を受けられていると人は1割にも満たないとのこと。
確かに、女性のための婦人科という専門外来に比べると、男性専門外来の数はまだ少ないように思える。もしかすると男性の方が話しにくいことを抱えていても、相談する機会が少ない可能性もあるのかもしれない。
また、himsとhers共にプロダクトのパッケージは非常にシンプルでスタイリッシュ。デリケートな話題であるがために、パッケージにでかでかと症状が書かれていたり、ストレートな訴求のものは、購入時のハードルになりうる。
ブランドロゴのみのシンプルですっきりとしたパッケージ
その点himsとhersのプロダクトのパッケージは優れており、仮に部屋に置いても馴染んで気にならないほどだろう。
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Oura
コロナ禍では、睡眠にも影響が出ている。家にいる時間が長く、これまでの1日のスケジュールから変化したこともあり、寝すぎたり、反対に夜更かしをして睡眠時間が短くなったり。
また、デジタルデバイスを使用する時間も長くなった上に、ストレスフルなコンテンツを目にする機会も増えたことが影響して睡眠の質が低下するなど、睡眠に関して様々な問題が出てきているというニュースもある。
Ouraが提供するのは、指輪型のアクティビティトラッキングができるス充電式のスマートデバイスだ。心拍数や体温、呼吸数だけでなく、睡眠時間や眠りの深さ、睡眠の質なども計測することができ、専用アプリと連携してアクティビティが記録されていく。
日々の記録はレポーティングされ、自分の今の状態を把握でき、分析に基づいた改善プランも提示してもらえる。Apple HealthやGoogle Fitとの連携を通じてフィットネスの記録も残したり、アプリにはメディテーションのセッションの機能も備わっている。
表は非常にシンプルなデザイン。内側にセンサーがついており、そこから計測を行う仕組み。
また、素材は耐久性のあるチタンを使っているものの、それでもわずか4gほどの重さ。スマートデバイスによくある腕時計型と比べても、圧倒的に軽いこともメリットだ。
さらに、シンプルなデザインで、一見普通のシルバーリングに見える。このリングからは直接通知が来ることもないので、良い意味で付けていることを忘れてしまいそうだ。
24時間絶えずアクティビティを追跡するために、自然に身体に馴染み、気軽に身に付けられる形を採用していることは理にかなっている思えるデバイスだ。
関連記事: デジタルウェルビーイングを実現する ”使わせない” デザインとは?
Blueboard
最後にご紹介するのは、ToB向けのウェルビーイング実現の一助となるBlueboardだ。EX(Employee experience、つまり従業員体験)の向上にアプローチをするスタートアップだ。
Blueboardのプロダクトは、スタッフへのインセンティブやリワードを管理できるプラットフォーム。スタッフ同士が日々の仕事の成果や行動に対し、感謝や功績を称えるメッセージと共に、リワードを送り合うことができる。
そして、貯まったリワードは好きな体験、アクティビティに変えて楽しむことができる。体験のカテゴリーは、ヨガやメディテーションなどのリラックス系、スポーツやコメディ鑑賞などエンタメ、料理や楽器、絵画などの習い事系など。
その他、『Escape』と題したグレートバリアリーフでのダイビングや、オーロラ鑑賞といったものまで、数百種類用意されている。
公式HPには、「お金やギフトカードに変換せず、体験にこだわっているのは、共有ができるからだ」とある。実際、Blueboardのプラットフォームには、実際にBlueboardを通じて体験したコンテンツを共有可能にする機能が備わっている。
体験の前後や、体験談を同僚に話して共有する時もコミュニケーションが発生する。良い体験は共有することで組織全体に良い影響を与えるだろうし、リワードを送る側にとっても、送ったスタッフが楽しい経験をしたことはポジティブなことだ。
そして何より、これほど充実した体験のラインナップであれば、自分もぜひ体験したくなる。自分の仕事のモチベーション維持にも繋がる。
ちなみにbtraxには『Weekly Culture Leader』というカルチャーがある。毎週初めの全社ミーティングで、前週にbtraxが掲げるコアバリューに即して行動をしたり、チームに貢献をしたメンバーを称える取り組みだ。
小さなことかもしれないが、メンバー同士でお互いの仕事ぶりや功績を把握することができたり、選んでもらえるとやはり嬉しく、モチベーションになったりと、ポジティブな効果を実感している。
関連記事: 15周年を迎えるbtraxについて知っておくべき15のこと
終わりに
これまでウェルビーイングやウェルネスに関するサービスをご紹介してきた。
自由に過ごすことが制限され、慣れない状況への対応を求められる日々が続く今、自覚がないままストレスを抱えてしまっているケースが増えているだろう。自分のメンテナンスのために、こういったサービスたちを活用してみると良いかもしれない。
ウェルビーイングやウェルネスに関するサービスは非常に多岐にわたる。しかし、どのサービスも、健康面にポジティブに働くだけでなく、精神的、社会的にユーザーを満たすことを目的とし、最終的に、ユーザーがウェルビーイングな状態になることを妨げないようにデザインされている。
どのカテゴリーのサービスにおいても言えることだが、「使われること」だけを目的にするのではなく、サービスを使うことで、ユーザーの課題や達成したい目的を果たすデザインにしなければならないと思う。
「手段の目的化」を避け、あくまでもサービスを使うことでユーザーの課題が解決されることこそ最重要かつ目指すべきところだと再認識したい。
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