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不動産業界におけるAR/VR活用:メリットと6つのサービス事例
拡張現実(AR)や仮想現実(VR)と聞いて、まず何を思い浮かべますか?ゲーム、エンターテインメントなどでの利用用途を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
現在はゲームやエンターテインメントの領域を超え、様々な産業分野での活用されはじめており、その新たな体験は利用者にとって大きなメリットをもたらし、ビジネスのあり方を変えつつあります。
その魅力的な利用例のひとつとして不動産業界があります。AR/VR技術を活用したサービスにより、不動産業界での生活者の体験には、大きな変革が起こる可能性が期待されています。
この記事では、AR/VRの活用が不動産業界にもたらすメリットと、実際にAR/VRを用いたサービスを提供する企業をご紹介します。
不動産業界におけるAR / VR 活用のメリット
自分のVRヘッドセットを持っている人はまだ多くはありません。しかし、今後、VRヘッドセットが普及していけば、生活者は不動産会社へ行かずに、自宅にいながら、掲載されている物件を好きな時間に内覧できるようになるでしょう。不動産業界におけるAR/VR活用には、様々なメリットが期待されます。VRヘッドセットの例でそのメリットを3つ考えてみましょう。
1. 時間の節約
これが最大の利点のひとつです。VRサービスは、不動産業者と生活者の双方の時間を節約します。VRを利用することで、複数の物件を内覧したい時に実際に移動したり、内覧したい物件の予約時間に別の内覧者の予約が既に入っていたとしても、待つことなく閲覧することができます。
また、VRヘッドセットを装着するだけで、没入感のある内覧ツアーに参加することもできます。
2. 物件を細部まで見学可能
時間が限られている従来の訪問型の内覧とは異なり、VR内覧ツアーでは、都合の良い時間に時間制限なくツアーに参加することができるため、細部を細かく閲覧することができます。
そのため、実際にその物件での生活を具体的にイメージすることができるため、住み始めた後にイメージと違ったということが発生しにくなり物件選びの満足度が高くなります。
3. グローバルなリーチの提供
AR/VRを活用することで、家の購入や賃貸を検討している生活者の住む場所を選ばず、彼らに物件を紹介することができます。
生活者は直接物件に足を運ばなくても具体的なイメージを持ち契約判断ができるようになるため、不動産会社にとってはより多くの物件内覧希望の問い合わせに対して効率よく対応することができるようになります。
アメリカのAR / VR 活用企業・サービス紹介
1. Halstead Property
ニューヨークを拠点とする不動産会社であるHalsteadPropertyは、VRヘッドセットと3Dガイド付きディスプレイをオフィスに導入することで、VRと不動産販売のコラボレーションを促進した最初の企業の1つです。
購入検討者はVRヘッドセットを使用して、家が実際に建てられる前であっても、VR空間内で精密に設計された建築後の物件が確認できます。VRヘッドセットにより家を離れることなく将来の家での体験を生活者に提供することで、効率が良い家探しができるようになりました。
2. Matterport
Matterportはカリフォルニア州サニーベールを拠点とする、現実空間の3Dモデルを生成するためのハードウエアとソフトウエアを開発しているスタートアップです。3Dスキャン可能な専用カメラのみならずiPhoneからの撮影でも、ユーザーの現実空間の3D仮想空間を誰でも簡単に作成することができます。
Matterportのカメラで撮影することのメリットは、測定精度が高いため、実際の距離とほぼ誤差なく測定ができることです。この測定機能は、家具やインテリアの配置の確認などに役立ちます。
また、撮影した施設全体を俯瞰的に見渡すことができたり、VR空間内の指定した場所でインフォメーションを表示させたりすることができ、より臨場感のあるVR体験が可能になります。
3. roOomy
roOomyはカリフォルニア州サンノゼを拠点として、不動産・インテリアデザイン向けのコンテンツ制作やバーチャルホームステージング、3Dモデリングを提供しています。
バーチャルホームステージングとは、物件を売るために実際に家具やインテリアを配置して見せる従来のホームステージングを仮想空間内で演出することです。また、3Dモデリングとは、立体空間上に建物などの物体を製図することを指します。
4. AmbiensVR
AmbiensVRは、建築デザインをXR空間に作成するためのサービスを提供してます。これまで3000以上のプロジェクトを手掛けてきており、不動産の他にも、建築やその他製造業界にも活用されるVR技術を誇ります。
彼らのサービスは、生活者とインテリアデザイナーの間のコミュニケーションギャップを埋めるためのVR体験を作成。
具体的には、施工前の時点で、VRヘッドセットをつけ、1:1のスケールでのデザインのシミュレーションを行うことができるのです。事前にデザインのチェックができるため、イメージの違いや齟齬を最小限に防ぐことが可能になります。
5. AR-media
AR-mediaはインテリアデザインの拡張現実(AR)に最適なツールです。このサービスを利用することで生活者は購入前に、自分の部屋へ気に入った家具やインテリアグッズを表示させ、シミュレーションすることができます。
6. Plnar
Plnarは、AIとAR技術を活用して、物件契約者からのクレーム処理に対するプロセスを効率化する、保険会社向けの非接触型クレーム・プラットフォームを提供しています。
PLNAR SNAPスマホアプリから室内を撮影すると、寸法が正確に測定された3Dモデルが生成されます。アプリ上に生成された写真や3Dモデルから、検査担当者が実際に物件まで出向かなくても、詳細な測定値を含む適切なクレームデータを受け取ることができ、大幅な業務効率化になります。
まとめ
現在の世界的なコロナ禍の状況下では極力外に出歩かず、また、人との距離が密にならない行動が求められています。
物件の内覧やインテリアの検討時期にAR/VR関連サービスを活用することで、内覧のためにその場に行かずとも、実際にその場で見ているかのような精度で仮想体験ができるAR/VRサービスがより求められ、重要度が高まっていくのではないかと期待しています。
参考記事
- How AR/VR Are Transforming the Real Estate Industry
- A New Dimension in Home Buying: Virtual Reality
- Five Innovative Ways You Can Use Virtual Reality in the Real Estate Business
- PLNAR Joins Guidewire PartnerConnect Solution Alliance Program; Publishes Ready for Guidewire Integration for Virtual Interior Inspections | Guidewire
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