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シリコンバレーでの資金調達に関するポイント
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今回はよく聞かれる、「シリコンバレーで有利に投資を受けるための心構え」についてのポイントをお伝えする。
資金調達に成功するための方程式
- (実は方程式は無い)
ユニークなケースが多いため、これと言った方程式はない。参考までに少しでも有利な方法を下記にまとめた。 - 業界の中心地に存在している
他の場所にいても良いが、その業界のメッカに存在している方が投資を受けやすい。この場合、サンフランシスコやシリコンバレーが該当する。 - 良いCo-Founderを見つける
会社を始める際に、単純に仲の良い友達を誘うのは間違いだ。投資家は能力のある人材しか評価しない。 - 知性、情熱、信念
投資家が最も見ているポイントである。ちなみに、これは投資の神ウォーレン・バフェットの言葉だ。 - 大きなマーケットを見つける
アイディア先行型はもう古い。アイディアはプロジェクトを進めるうちにどうせ変わる。マーケットを狙うべきだ。 - 最小限の労力で達成でき、最大の情熱を傾けられる物を見つける
今更、全くユニークなビジネスモデルを生み出すのは難しい。考えられるアイディアはほぼ出尽くしている。それならば、自分が一番熱くなれるものを見つけたほうが良い。 - 投資を受ける前にマーケットでの反応を見る
商品やサービスに対してマーケットの反応が得られるまで、投資を受けてはいけない。実際、投資を受けるのは随分後でも構わない。 - 信頼している人から投資を受ける
ビジネスの世界でも、最終的には人と人とのつながりが重要だ。まずは投資家との信頼関係を築くべきだ。 - Scale!
投資家が最も注目する点は、スケーラブルな商品・サービスであるかどうかだ。つまり、急激な業績成長を期待している。
投資家から見る理想的なファウンダー像とは
- 給料が支払われなくても働く
Founder/Co-founderと言えども、最初から給料を要求する場合は“Founder”とは言えない。お金がないうちは自分に給料を出さずに働く覚悟が必要だ。 - どんな仕事でもやる
“Founder”の肩書きを名乗る以上、他の役職とは違い、決まった仕事内容はない。その時々に応じて最も必要とされている仕事をするべきだ。 - あきらめない
成功するための一番の秘訣はこれだ。ファウンダーがあきらめたら一瞬で会社は無くなる。諦めの良い人は会社を始めてはいけない。 - 自己管理が出来る
会社のトップであるが故に、誰も何をするべきか教えてくれない。自分で仕事を見つけ、厳しい自己管理ができないと成功は望めない。 - 知性、情熱、信念を持っている
人間的資質の面で、ファウンダーとその他の従業員を分ける重要なポイントだ。この3点においては社内で誰よりも高い能力が必要とされる。また、投資家が最も注目する点でもある。 - 長期的なコミットメントができる
Founder、Co-founder共に、辛抱強く、長期間にわたる会社へのコミットメントが必要だ。途中で辞めたり、ストックオプション売却で金儲けだけを考えている人には向かない。
理想のCo-Founder (共同創業者) とは
- 既に知っている人
見知らぬ人とデートして即日結婚しないのと同じで、Co-Founderを見つける際にも、どんな人間かを理解した上で選ぶべきだ。 - Founder + Co-Founder は 2人まで
共同創業者は自分以外に1人しかいない。複数の人間が関わると、会社の方向性が危うくなり、経営のスピードも遅くなる。 - 会社のエクイティ (保有資産)は折半
会社のシェアは50%/50%で分けるべきだ。45%/55%とセコく得をしようとすると、自分と同じレベルの献身は求められなくなる。フェアに行くべきだ。 - 互いの不得意分野を補える
Co-Founderを見つけるのであれば、なるべく自分と違う分野に長けている人をお勧めする。例えば、自分が営業・マーケティングに強いのであれば、技術が得意なエンジニア上がりの人間などだ。 - 専門知識を過信しない
シリコンバレーでファウンダーの人材探しをする際に見られる間違いの一つは、専門知識を重要視しすぎる点だ。詳しい知識も必要だが、リーダーシップや人間的魅力の方が重要だ。
シリコンバレーの投資家とはどんな人?
- 以前に投資した人からの紹介を重要視する
投資家といえども人間であり、非論理的なほどに以前に投資した人を信用している。そのため、同じ投資家から投資してもらった人からの紹介を受けるのが近道だ。 - 最初の10分間で投資するかどうかを決める
驚くべきことに、多くの投資家は、たとえ1時間のミーティングをセットアップしていても、起業家に会った最初の10分間でどうするかを決めている。 - 社外取締役はマイナス要素
多くの投資家は社外からのビッグネームには興味がない。むしろ、ファウンダーがCEOであるべきだと考えている。 - 評価額は売り上げや実績には比例しない
会社の評価額や投資額は、どれだけ多くの投資家が興味を持っているかによって左右され、実際の数字にはあまり関係ない。 - わずかな成功者の影に多くの敗者あり
有望だと思われるベンチャーには多くの投資家が惜しみなく投資したがる。その一方で、ほとんどのベンチャーは相手にされない。大きな格差が生まれている。
投資家が興味を持つのは?
- 可能な限り大きなマーケットを狙っている
投資家が興味を持つのは、大きなマーケットを狙えるタイプのものだ。Gmailが好例だ。Webmail業界ではかなりの後発だったが、マーケットが大きかったため、大成功を収めた。 - 一行で説明できる内容
長々とした説明を必要としているうちは、絞りきれていない。名刺の裏にさりげなく書けるくらいの説明が良い。Gmailの例だと、“イケてるメールサービス”の一言で完結できる。YouTubeの場合は“ビデオ版Flickr”だ。 - 秘密保持契約を必要とするアイディアには興味ない
アイディア先行型のモデルには興味がない。NDAにサインを求められた時点で、一気に萎える。アイディアはマーケットに合わせて変えていくべきだ。 - 万人受けしない商品・サービス
多くの人が良いと思うモデルは熱狂的なファンを生み出さない。従って、すぐに忘れ去られる。多くの成功モデル、例えばTwitterを取ってみても、未だに大部分の人はその良さを理解できていない。そこが良いのだ。 - とにかく極限までシンプル
“完成とはこれ以上足すことができない状態ではなく、これ以上削ることができない状態”の一言に尽きる。
投資家が注目するポイントは(文字サイズ=重要度)
トラクション
ファウンダーの資質
他の投資家や周りからの評価
商品・サービス
対象マーケット
コンセプトピッチ
エレベーターピッチ
プレゼンテーション
ファウンダーの資質
他の投資家や周りからの評価
商品・サービス
対象マーケット
コンセプトピッチ
エレベーターピッチ
プレゼンテーション
これは”無い”と思われてしまうポイント
- アイディア勝負のビジネス
NDAにサインを求めたり、パテント・特許頼りのビジネスはダメ。自分のアイディアが凄い、と思っている次点で周りが見えてないと言えます。何をやるかより、どうやるかが重要。 - 重役はたくさんいるが、ファウンダー不在のチーム
Chief 何とかや、VP of 何とかなど、たいそうな肩書きの人間は多いのに、最終的に中心となる責任者がいないチームは信用出来ない。会社ごっこはご免です。 - 理論・知識は得意だが、実行力に欠けるチーム
MBA出身やコンサル出身に多い、理論先行型のタイプしかいない会社には興味無し。実行力が全て。オツムが大きいのは良いが、誰が作るの? - フォーカスが絞れていない、もしくはニッチすぎるアイディア
何をしたいかをはっきりと絞り込んでいない場合は、うまく行かない。また、絞られすぎていて世界中で10人ぐらいしか使わないものもダメ。 - アイディア・理論・機能だけでビジュアルがしょぼい
どんな人間でも目に見える要素から受ける説得力は絶大。ピッチの際には機能の説明より、むしろデザインやUI/UXの方がよっぽど重要。
VCから投資を受けるデメリット
- Cコーポレーション登記が必要
アメリカで法人登記をする際は、税制的に有利なSコーポレーション形式があるが、それでは優先株が発行出来ないので、投資を受けたい場合は自ずとCコーポレーション登記が必要になる。その分、少々税金面で損をする。 - エクジットは投資を受けるよりも何倍も難しい
投資を受けた以上、必然的にエクジットを求められる。しかしながら、それは投資を受けるよりも何倍も難しい。投資を受ける事を目的とするのは大間違い。ちなみにキャッシュベースのビジネスはエクジットがほぼ不可能と考えた方が良い。 - 戦略立案・実行するには毎回お伺いを立てる必要あり
VCが一番求めるのは会社のコントロール。些細な経営判断等に関しても必ず認証が必要になる事が多い。必然的に、その分何をするにも多くの時間と労働力が割かれる。 - 人材獲得へのプレッシャー
投資を受けた=資本金がある、と言う事なので、その有効な使い道としての優秀な人材確保へ多大なるプレッシャーを受ける。サンフランシスコやシリコンバ レーのベンチャーがしょっちゅう”We are hiring!”と叫んでいるのは、投資家に正しい資本金の使い道を示す為もある。 - 一度投資を受けたら最後、永遠にコントロールされる
軽い気持ちでVCから投資を受けたいと思っている人は要注意。そこには罠がある。投資を受けたら、会社が続くまで一生コントロールされる覚悟をしておいた方が良い。
ちなみに僕自身の友人で、シリコンバレーにある某有名VCファームで働いている友人曰く、”悪い事は言わない、投資は極力受けるな”との事。
他の方法もあり
- エンジェルから投資を受ける
一言に投資家と言っても、VCが全てではない。個人投資家、所謂エンジェルと呼ばれる人たちから受ける方法もある。彼らは往々にしてVCよりも緩いタームで良い場合がある。個人的に知っていないとなかなか知り合うきっかけが少ないが、VentureHacks提供の、Angel Listと言う投資する気満々のエンジェルのリストが実名で記載されているサイトもあるので、活用すると良い。 - マイクロ投資兼インキュベーションセンターを活用する
最近最も話題になっているのがこの方法。厳しい審査に合格した起業家に対して一定期間小額の投資と活動場所と起業家精神を育てるカリキュラムを提供するシステム。有名どころは、YCombinator, Founder institute, AngelPad, I/O Ventures等 - 日本から海外向けのサービスを展開してしまう
そもそも大きく海外展開を希望するが故に、シリコンバレーに進出し投資を希望する人が多い。しかしながら、ネットサービス等はボーダレスのこの時代、日本 から展開してもある程度は行ける。ハードルとなるのは、サイトのコンテンツ、UI/UXに関するチューニング、カスタマーサポート、そして海外に対しての プロモ・マーケティングであろう。
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