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起業家必見!資金調達を成功させるピッチの秘訣8選
※この記事は、2022年2月に最新の内容に更新されています。
起業家にとって投資家に自らの事業を売り込み資金を獲得することは事業の将来を左右する大きな出来事だ。しかし、出資を勝ち取るには優れたピッチをすることが必要であり、それは難しいことも事実である。
特にそれが初めてのピッチならなおさらだ。初めてのピッチを前にするときっと、ワクワクして緊張すると同時に資金調達をできるかどうか不安を感じることになるだろう。
しかし、幸運なことにピッチの「型」というのはほとんど決まっていて、業のストーリーを語りビジョンを描き、成果を表す指標を知り、後は売り込みまくることになる。
シード期の小額の資金調達にしても、シリーズAのより大きなラウンドにしても、基本的にやることは変わらない。押さえるべき点を押さえれば、後はおのずと決まってくるのだ。
そこで、今回の記事では優れたピッチをするための8つの秘訣を紹介する。ここで紹介する8つの秘訣を押さえれば、資金調達はより効率的に、そして、より良い形で資金調達を終えることができるだろう。
これからピッチに臨む起業家の皆さまや、自分のプレゼンのスキルをアップさせたいという方にぜひ読んでいただきたい内容だ。
1. 壮大なビジョンを持つこと、そして、それを10倍にすること
ビジネスを行う上で人を巻き込むような壮大なビジョンを持つことは大切である。しかし、起業経験が浅く、創業したての起業家は慎重になりがちで、物事を小さく考える傾向が強い。どのようなビジョンを抱くにしても、そのビジョンは人を圧倒する壮大さを持ち、人を巻き込む魅力を備えている必要がある。そのためには大きなビジョンを、より壮大に押し広げることが有効だ。
例えば、あなたがある特定の国の人々を対象に何らかの課題を解決しようとしている場合、その対象を押し広げ、世界中の人々を対象に課題を解決しようとするようビジョンを拡大する、というように。
しかし、ここで問題になるのが一体どれくらい壮大であればいいのか、という点である。この点については、自分で掲げたビジョンの壮大さに自分が足がすくむかどうかが指標になる。
しかも、何度も大きなビジョンを語っていると、言霊のようにそのビジョンが現実味を帯び、実現に向けて自分を勇気づけてくれるようになることに気がつくはずだ。
2. 資金の使い道を詳しく説明すること
曖昧な説明では投資家の信頼を獲得することは難しい。少なくとも向こう2年間の財務計画はあった方がいい。逆に2年間の予測が立てば、運営にかかる費用だけでなく、その後の歳入の伸びに関するイメージまで描けるようになる。
加えて、正確な財務計画を持つことでその後の収益予測が明らかになるため、投資家が感じるリスクをやわらげることができる。そして、もちろん、リスクが取り除かれれば取り除かれるほど、資金調達が成功する確率は向上していく。
3. 誰よりも自社の成果指標を理解すること
ビジネスを始めると売上げやユーザー数など、様々な指標がでてくる。しかも、これらの指標に加えて、各企業が独自のKPIを設定する場合もある。
それらの指標について誰よりもその意味を理解し、事業の現状と将来について語れる必要がある。特に目標に到達していない指標がある場合、その指標をいかに引き上げ、将来的に目標の数値を達成するのか説明が求められる。
4. ピッチの主張は短くまとめること
この項目はシンプルである。ピッチをする場合、ピッチを本体と補足部分にわけ、本体部分には事業に通底する一連のストーリー、いくつかの大切な指標、チーム体制、ビジョンなど、事業を語る上で欠かせない要素を盛り込み、それ意外は補足資料に回した方がいい。
とにかく主張をシンプルにまとめること。そして、そのために資料のメイン部分もコンパクトにまとめた方がよいピッチができる。
それでは、一体一つのピッチはどれくらいの長さが適切なのだろうか。一般的には30枚から60枚が平均的なスライド数と言われている。
かつて資金調達に成功した企業のケースでは、メインの資料がスライド26枚、補足部分が16枚で、計42枚の資料にまとまっていた。
5. 企業を成長させるのは資金ではなく、人である
大きな成果をあげる企業は驚くほど優秀な人材で構成されている。そして、そのことは投資家も知っている。そのため、ピッチの中で少なくともスライド1枚分は自分たちのチームの紹介とチームメンバーが何をもって優秀なのか説明するために割く必要があるだろう。
もし、チーム内に優秀なエンジニアがいるのであれば、その才能を説明し、その能力がどのように自社のプロダクトに活かされるのかを説明した方がい。他にも、経営陣が有名企業出身だった場合、彼らの経歴とそこでの実績を簡単にまとめた紹介文を掲載した方が投資家に与える印象はよくなる。
例えば、チームのセールスマネージャーが以前高収益を生み出す大規模なセールスチームを組織していた場合、ピッチの中でその実績を強調した方がいい。また、自社のCTOが前職で何万人規模の巨大システムを構築した実績があるのであれば、それは格好の宣伝材料になる。
また、ビジネスには競合がつきものであることを投資家はもちろん知っている。そして、多くの場合、最高の組織が最高の製品を作り上げ、力強いブランドを構築し、それら資産を活用することで競争に勝利することも、投資家は知っている。
だからこそ、自社にそのポテンシャルがある場合、それを伝えていく必要がある。逆に、現状では強調できる材料がない場合はチームの将来像を語ればよい。
具体的には、今回調達する資金を使ってどのような人をどのように採用しようとしているのか説明することになる。
考えうる限り最高のメンバーを採用し、最高のチームを組織する気概を持つこと。そして、その気概を伝えること。自分のチームの弱さに正直であると同時に、その強みも強調することが大切になってくる。
6. 現状の問題とその解決策を語ること
投資家の心をつかむピッチには全て、解決すべき問題からその解決法へ、そして、解決された後の理想の状態まで、聞き手を導く一貫した一連のストーリーが通底する。自社のプロダクトが何を解決するのか。この点を伝えることを忘れてはいけない。
なぜ今のプランに至ったのか、なぜその問題に取り組んでいるのか、なぜ自分たちの解決法がベストなのか、そして、資金を調達することでどのように課題を解決し、より多くの人を幸せにするのか。これらの問いにしっかりと応える必要がある。
7. 言葉で説明するよりもユーザー数を示す
既に収益をあげているにせよ、まだ収益をあげていないにせよ、自社のプロダクトがユーザーを抱えていることを伝えることは大切である。これも投資家のリスクをやわらげ、資金調達が成功する確率を高める。
もし、既に収益をあげていて、しかも、それが順調に伸びているのであればその情報はスライドに盛り込むべきである。
逆に、収益をあげていない場合、あらゆる数値を見返して、その中で最も事業の将来性を証明する指標を取り上げればよい。ユーザー数やアップロードされた写真の数、なんでもいい。
できればその指標をたどることで、事業全体が正しい方向に向かっており、しかも、資金が調達できればその流れが一気に加速することを示せれば、理想的である。
8. ピッチし、修正し、何度も挑戦すること
最初のピッチを終えるとすぐにQ&Aの時間が取られる。そして、このQ&Aでのやりとりを通じて投資家は事業の正確な理解を深めていくが、ここでの彼らの質問は貴重な財産になる。彼らの質問を全て記録し、次のピッチに活かすことで、あなたのピッチは洗練されていく。
この作業を全てのピッチで繰り返すことができれば、数回のピッチ経験を重ねた後、きっと質問の数が減ってくることに気がつくはずだ。なぜなら、あなたのピッチは回数を経るたびに改善されていき、大量のフィードバックが蓄積されているはずだからである。そして、最終的には、多くの観衆を魅了し、投資家の心をつかみ、事業の魅力と希望を晴れやかに語るあなたの姿が、きっとそこにはあるだろう。
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