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プログラミングが学べるサンフランシスコのスクール7選
米国政府のCTOであり元Google幹部のMegan Smithによると、次の10年で140万のテック・IT系の仕事が生まれるのに対し、その職を埋められるような訓練を受けた人材は40万しかいないとされている。
これは、今後深刻なエンジニア不足が予測され、大学だけではなく、様々な方法でのテクノロジー系人材の育成が求められている。
給与にも表れる重要性の高さ。特にサンフランシスコは最高額!
冒頭の統計からもわかる通り、昨今STEM領域の重要性が高まっていることは言うまでもない。STEMとはSience(科学)、Technology(テクノロジー・技術)、 Enginering(エンジニアリング)、 Mathematics(数学)の頭文字をとって、いわゆる理系分野のことを示す言葉だ。
STEMの重要性はデータでも表れている。STEM領域職業の平均年収は$87,570(約960万円)で、他の職業のそれが$45,700(約500万円)なので単純計算すると約2倍ほど違いがあるのだ。
また、btraxが本社を構えるここ、サンフランシスコ・シリコンバレーでは特に、STEM領域の重要性を肌で感じる。ここにある多くのスタートアップはテクノロジーやデータフォーカスであり、もはやSTEMなしでスタートアップは成り立たないと言っても過言ではないだろう。
それゆえSTEM領域の人材が非常に多い。おそらく街を歩いていてエンジニアやプログラマーに会わない方が無理だと思う。そんな環境だ。ちなみに先ほどの平均年収のデータとして、サンフランシスコのソフトウェアエンジニアはアメリカで一番高給取りであると言う情報もある。その額$132,000(約1,450万円)。
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何歳からでも挑戦を応援。サンフランシスコはSTEM教育コンテンツが充実
すでにコンピューターサイエンス等の学位を持っている人も多いが、今までSTEMを専攻していなかった人たちも、これから新たに学び始める人が多い。始めるのに遅すぎることはない、といったような動きさえ感じる。
事実、プログラミングやコーディングのオンライン学習ツールは山のようにある。初心者から上級者、子供からお年寄りまで、誰でも対象だ。UCバークレーやMITといった名門大手大学から提供されるオンラインコースもあるくらいだ。
オンライン学習が主流かと思いきや、サンフランシスコにはプログラミングやコーディングを勉強できる学校(オフライン)が無数に存在している。
このようなコースでは希望に応じてオンラインとオフライン織り交ぜながらの学習を組むことも可能だ。中には短期集中、チームで学び、サービス開発していくようなブートキャンプと呼ばれるプログラムもある。
さらにサンフランシスコでこういったSTEM教育を受けることは非常にコストパフォーマンスの良いことだと思われる。
簡単に思いつく理由でも、①ハイレベルな講師・生徒・メンターが多い、②スタートアップ文化がある(スタートアップに挑戦する同志が多い、コラボする、失敗はウェルカムなど)③働き口が多い、などがある。さらに日本人として受講するのであれば、一気にグローバル人材として加速できるだろう(ある程度の英語力は必要)。
そこで今回はサンフランシスコに学校があるSTEM(プログラミング、コーディング等)スクールをリストアップする。
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サンフランシスコにある通学可能なSTEM教育機関紹介
1. AppAcademy
価格:$17,000 – $28,000。受講時は無料(コース後についた職の年収の最大28%を、卒業後学費として納める)という支払いオプションもあり。
期間:12週間 –
コース:ソフトウェアエンジニアリング(Ruby、 JavaScript、 Redux、SQLなど)
学習スタイル:フルタイム、オンライン可
その他のプログラム・サポート:面接準備コース、ブートキャンプ準備コース、など
2. General Assembly
価格:$1,250 – (入学時授業料ゼロ、就職時に支払いの制度あり)
期間:5ヶ月
コース:ソフトウェアエンジニアリング、データサイエンス、iOS/Androidデベロップメント
学習スタイル:フル/パートタイム、オンライン可
その他のプログラム・サポート:UXデザイン、ビジュアルデザインコース。アントレプレナーやキャリア開発サポート。無料のイントロイベント。
3. Thinkful
価格:$7,990 – (入学時授業料ゼロ、就職時に支払いの制度あり)
期間:約1~6ヶ月
コース:ソフトウェアエンジニアリング、データサイエンス・アナリティクス、プロダクトデザイン
学習スタイル:フル/パートタイム、オンライン可
その他のプログラム・サポート:パーソナルメンターからのサポート。無料イントロイベント。
4. Product School
価格:$3,999 –
期間:2ヶ月
コース:ソフトウェアエンジニアリング、データアナリティックス、(マネージャー向けが多い)
学習スタイル:パートタイム、オンライン可
その他のプログラム・サポート:eブックやイベントなど無料リソースあり。無料イベント
(その名の通り、プロダクトマネジメントに注力している)
5. Hack Reactor
価格:$17,980
期間: 3~12ヶ月
コース:ソフトウェアエンジニアリング
学習スタイル:フル/パートタイム、オンライン可
その他のプログラム・サポート:企業とパートナーシップを結んだ奨学金あり。キャンパスツアーや卒業生との交流イベントあり。
6. First step coding
価格:$1,499 – $2,499
期間: 1~2ヶ月
コース:ソフトウェアエンジニアリング
学習スタイル:フル/パートタイム、オンライン可
その他のプログラム・サポート:パートナーブートキャンプに参加すると$1,500の奨学金がもらえる
7. Rithm School
価格:$24,000 (入学時授業料ゼロ、就職時に支払いの制度あり)
期間: 4ヶ月
コース:ソフトウェアエンジニアリング、データアナリティックス
学習スタイル:フルタイム
その他のプログラム・サポート:無料ワークショップ・オンラインコースあり。
まとめ:学び方も多種多様!より多様性を受け入れためのSTEM教育も盛んに。
以上がサンフランシスコに校舎があるプログラミングスクールだ(全てではない)。ご覧いただいてわかる通り、コースのスタイルや金額、レベルなど非常に様々だ。フルタイムのコースも多いあたり、現職をやめるか休むかして集中的に学んでいる人もいるようだ。それくらい学ぶ意欲や必要性を感じるのだろう。
学習者の現在の状況や目的に応じて最適なものを選んでいただくことをオススメする。その中でもサンフランシスコという土地の利点を活かしてプログラミングを学びたいと言った人に今回のリストが役立っていれば幸いだ。
サンフランシスコは総じて新しいことを始めることに前向きだったり、失敗に寛容だったりするあたり、精神的にもこの土地で挑戦することはプラスとなるだろう。
ちなみにSTEM分野ではジェンダーギャップを減らそうという動きも見られる。サンフランシスコには女性を応援するプログラミングスクール(HACKBRIGHT ACADEMYなど)もあるくらいだ。また、Women Who CodeやMother Coderと言った女性エンジニアを応援するコミュニティも出てきている。
(スーパーモデルのカーリー・クロスは10代の女性向けに無料のコーディングキャンププログラムを運営している)
もちろんもっと幼少期からSTEM教育を取り入れるためのコンテンツも増えてきている。STEMにアートを足した、STEAMの玩具サブスクリプションサービスなんていうのもある。
また先日、ディズニーとルーカスフィルムが、学生を対象にSTEM教育やロボット大会を運営する非営利団体のFIRSTに100万ドル(約1億円)を寄付したことがニュースになった。
今後、STEM分野の知識は教養になってくるだろう。
btraxではサンフランシスコ・シリコンバレーを中心としたアメリカ市場トレンドの調査・発信をしています。机上の情報に留まらない、現地で体験して、ユーザーに向き合うことで得た生情報、日米の文化を理解しているからこその考察も強みとしています。
アメリカ市場全体をざっくり掴みたい方は毎月配信しているサンフランシスコ・シリコンバレーレポートを、特定の領域についてリサーチ等お考えの方はぜひこちらよりお問い合わせください。
参考:
・Megan Smith:’You can Affect Billions of People’
・The State of STEM Education Told Through 12 Stats
・The 10 best coding bootcamps
・San Francisco Coding Bootcamps
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