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Goodpatch CEO 土屋 尚史さんと話す AIがデザイン業界に与える影響
AIで行うUXデザインとブランディングの関係性、他
先日、株式会社グッドパッチの代表取締役社長兼CEOである土屋 尚史さん(以下、土屋さん)が、btraxサンフランシスコ本社を訪問してくださった。
Goodpatchを起業する前、弊社でインターンをしていた土屋さん。弊社CEOであるBrandon Hillとのキャッチアップも兼ねてポッドキャスト「San Francisco Design Talk」のエピソードを収録したのだが、その最中で触れたトピック “AIがデザイン業界に与える影響” の部分をこの記事でまとめた。
土屋さん:
ChatGPTが盛り上がり始めてからまだ一年半ほどしか経っていない中でも度々この「デザインどうなんねん」議論が繰り広げられてきていますが、まだそのディスラプト感は足元では見えていないんですよ。
見えているところで言うと、いわゆる「クラウドソーシング系ビジネス」はカテゴリーによっては(生成AIの影響を)くらっている、という話は聞きます。例えばイラストレーションとか。
Brandon:
末端の外注業務ですよね。いわゆる制作業務の細かいことをやるような。
土屋さん:
そうです。機関投資家の話によると、大手クラウドソーシングサービスのイラストレーションなどのの売り上げが著しくダウンした、という。
Brandon:
外注する代わりにAIを使って作っている可能性があるんですね。
土屋さん:
はい。なのでそこは実際に影響が出ている、と聞きました。
ただ、うち(Goodpatch)やbtraxのように企画や戦略など、より上流工程の領域のデザイン会社の仕事がAIによって奪われるというのは、直近では起こっていないと思います。
ここ半年くらい、日本でも、ユーザー設定をAIに学習させて、AIでユーザーインタビューをして、UXデザインの工程をAIだけでできる、という取り組みをSNSで発表する方々が出てきているんですが、個人的には「それ意味ある?」って思っちゃうんですよね。
結局、事業をやる人やゼロイチで事業を立ち上げる人たちって、ユーザーペインを自分ごと化して、それを原体験や原動力にするんですよ。起業家の原体験ってユーザーペインに触れることだったりするわけじゃないですか。ユーザーインタビューやN1インタビューの重要なところって、そこにあると思うんです。そのユーザーペインの元がAIだった瞬間に踏ん張り聞かなくない?っていう。
結局事業やる時って具体的に困っている人の顔を思い浮かべるだとか、困っている人たちがいるっていうことがその人(起業家)にとって、苦しい時の踏ん張りになるんですよ。「自分がここでサービスを止めてしまったら、ここで諦めちゃったら、困る人がいる」っていうのが最終の踏ん張りになるんですけど、それがAIで得られたインタビュー結果だったら、踏ん張れなくない?って言うのがまず一つありますよね。
それに、表に出てくるストーリーも「実はこれAIによってストーリー構成されています」って聞いた瞬間に、人は共感できなくなっちゃうんですよね。結局、企業とか起業家とかの原体験のストーリーがユニークかつオリジナルなもので、それがブランドのストーリーになるので、それがAIによって作られていたとわかった瞬間に、人は興醒めするどころか、そのブランドのバリューが下がるんですよ。
Brandon:
弊社がブランディングさせていただいているヤンマーさんのCheif Brand Officerの長屋さんに半年くらい前に飲みながら「AIどう思いますか」って質問したら、「教科書通りの答えしか出して来ないから、違和感がなくてそこに心が震えない。そこにブレとか揺れがないとやっぱり人間の心には刺さらない」と仰っていて。
土屋さん:
そうですね。どうしてもAIで弾き出される答えっていうのがほとんどのケースでやっぱり合理的なものですよね。もちろん間違っている答えを出すこともあるので全てが合理ではないですけれども、ほとんどのケースで合理なものが答えとしては出てくるはずなんですよね。
Brandon:
例えば、モテる本とか読んでもあんまり意味ないんですよ。
土屋さん:
はい(笑)
Brandon:
何が言いたいかというと、人間ってやっぱり変数が何百億とあって、センサーも何百億とあるもんだから、時と場合とタイミングとエモーションとかによって反応が全て変わるんですよ。それを今のAIの状態だけて答えを導くっていうのはそもそも無理があると思うんですよね。
土屋さん:
そうですね。僕ら起業家の仕事って、非合理なものを選択しなくてはいけないですからね。
(Podcastに続く)
この他にも、ポッドキャストではデザイン職とデザイン思考の立ち位置の変化や、土屋さんがGoodpatchを起業する前のbtraxでのインターン時代の話などもしているので、興味のある方は是非ご視聴いただきたい。
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- 対面申し込み:luma
- Email(英語):sf@btrax.com
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