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〜企業の成長を最大化させる〜 最近話題のグロースハッカー(Growth Hacker)とは
こちらサンフランシスコ及びシリコンバレーでここ最近もっとも注目されている職業と言えば、恐らくグロースハッカー(Growth Hacker)であろう。特にテクノロジー系スタートアップで重要な役割を果たすこの比較的新しい役職は今まで存在していなかった事もありなかなかその定義が難しい。加えて日本ではまだまだ関連する情報も少ないので実態が分かりにくい。
グロースハッカーという職業
では、彼らはどんな事を行っているのか?簡単に説明すると、Webサービスやモバイルアプリ等のプロダクトのユーザーによる利用状況を分析し、それを元に短期間で複数の”改善策”を施すのが役目である。それにより、プロダクトの魅力や使い易さやをアップさせる事でより多くのユーザーの獲得及び収益アップなどを通し、企業に対して最終的な成長(Growth)をもたらすのである。
例えば、あるWebサービスが現在2,000名のユーザーを獲得し、そのうち全体の5%の100人が有料会員だったとする。この状況に対し、グロースハッカーの役割は、3ヶ月以内に全体のユーザーを2倍の4,000人にし、有料ユーザー数を8%にアップさせる事で、320人の有料ユーザーを獲得する。
その為にはプロモーション方法や商品力等の多方面から改善施策を3ヶ月の間に何度も試行錯誤を繰り返しながら行っていく。その施策を俗にグロース(成長)ハッキング(施策)と呼んでいるのだ。
ここ数年間で急激に注目され始めたこのグロースハッカーというポジションであるが、元々は単独では存在していなかったため、その呼び名や守備領域、そして求められるスキルセットは企業によってまちまちである事も確か。
そこで、何人かの友人に聞いてみたところ、おおむねそのポジションについている人々は、エンジニア、デザイナー、マーケティングの知識と技術をバランス良く兼ね備え、システム、UI/UX, 集客、マネタイズのそれぞれのポイントからプロダクトに対しての改善策を講じる事が必要とされる。
そして理論を語るだけではなく、実際に手を動かしている事からも分かる通り、一つの分野のエキスパートよりも、商品力と販売方法の両方に対してのバランスの良い知識と能力が求められる、かなり希有な人材である。
グロースハッキングは今に始まった事ではない
ここまで読んで、恐らく”そんな事これまでもやってきたよ”と思う方も多いと思う。Webページへの集客や問い合わせ獲得への導線設計、そして、ECサイトにおける売り上げアップまで、ネットビジネスが存在し始めてからかなりの間、グロースハッキング的な施策を施した経験のある人も少なくは無いはずである。
ただ、そういう事をする人達に対しての正式な役職が無かったり、一般的な呼び名が無かった事で、今まではその企業によって、Webデザイナーやデベロッパー、ディレクターやプロデューサーと呼ばれる人々がそれぞれその役割を担っていたのではないかと思う。
その一方で、アメリカではその役割の重要さをいち早く察知し、数年前から成長施策だけを専任に行うグロースハッカーが生まれたというわけである。
ちなみに多くの場合彼らは、以前に『今注目を集めるデータサイエンティストとは?』で紹介したデータサイエンティストと一緒に仕事を進めていく事が多い。データサイエンティストが集めた数字によるデータを元に改善施策案を導きだし、適応するのがグロースハッカーの役割というわけだ。
インターネット関連に限った事ではない
そして、よく考えてみるとこの”グロースハック”というコンセプトは、なにもインターネット関連のビジネスに限った事ではなく、一般的な店舗や販売などの集客全般に対しても応用が可能であり、実際に今までもネットが出来る前から長い間行われてきた方法であると想像ができる。極シンプルに考えると、集客アップと売り上げアップ、その二つを担当する人々、彼らこそがグロースハッカーなのである。
日本でのグロースハッキング事情
恐らく、日本国内の企業で”グロースハッカー”と呼ばれる人々はほぼ存在していないと思われる。その一方で、Webサイトからの収益アップや、集客施策などを行う業者は多い。例えばサイトへのアクセスアップを目指すSEOやSEMを請負う会社やモバイルアプリのダウンロード数を増やすプロモーション施策を担当するサービス等がそうだ。
しかしながら、その多くがグロースハッキングの”一部”を担当し、商品力から展開方法までを一括して成長させる施策を行う業務はほとんど無いと思われた。
グロースハッキングに必要なプロセスはたったの3つ
グロースハッキングに必要なプロセスは下記の3つだということが分かった:
- 仮説を立てる(hypothesis)
- 分析する(analyze)
- 試しにやってみる(deploy)
<上記を出来るだけ短いスパンで繰り返す事により,短期間でのパフォーマンス改善を達成する事が可能となる。
これからのグロースハッキング
今後はインターネット関連のビジネスに限らず、あらゆる業種の企業がグロースハッキングを行う必要があると考えられる。まさにそれはこれからより激化する競争の中での成長戦略の目玉とも言える施策になるであろう。グロースハッカーが日本でもエンジニアを超える存在になる日もそんなに遠く無いのかも知れない。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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