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生成AIにおけるプロンプトとは?【生成AI Vol.2】
前回の「いまさら聞けない生成AIの基本【生成AI Vol. 1】」に続き、生成AIに関して第2弾の記事をお届けする。今回のトピックは「プロンプト」。できるだけ専門用語を使わずにわかりやすく解説していこう。
2023年3月に開催されたウェビナーにて講演を行なった内容を一部抜粋してお届けする。
生成AIに欠かせない「入力 = プロンプト」
文字や文章を出力してくれるChatGPTや画像生成系のAIサービスを利用する際に不可欠なのが「プロンプト」である。
プロンプトはユーザーがAIに対して行う「入力」。それ以上でもそれ以下でもない。
たとえばChatGPTに、「日本の都道府県とその県庁所在地をテーブルで表示して」と入力すれば下記のアウトプット (抜粋) が得られる。そして入力したその文章こそが「プロンプト」だ。
プロンプトを書く際のコツ
では、プロンプトはどのように書いたら良いのだろうか?
その答えを、プロンプトを受け取る側 = ChatGPTさんに聞いてみた。その答えがこちら。
目的を明確にする:何をAIに生成してほしいのか、具体的に定義しましょう。例えば、小説のプロット、詩のスタイル、商品のレビューなどが考えられます。
キーワードを使う:プロンプトにキーワードを含めると、AIがより正確な結果を生成することができます。例えば、「恋愛小説を書いてください」というプロンプトよりも、「若いカップルが失恋して再会する話を書いてください」というプロンプトのほうが、より具体的でAIに指示しやすくなります。
長さを指定する:AIに生成する長さを指定することもできます。例えば、詩を10行にしたい場合は、「10行の詩を書いてください」というプロンプトを作成することができます。
省略可能なパラメーターを指定する:AIに特定の情報を提供したい場合、プロンプトに省略可能なパラメーターを指定することができます。例えば「〇〇というキャラクターが主人公の小説を書いてください。〇〇の特徴は何ですか?」というプロンプトでは、主人公のキャラクターの特徴をAIに提供することができます。
以上のように、プロンプトを作成する際は、具体的な目的、キーワード、長さ、省略可能なパラメーターなどを考慮して、できるだけ明確に指示するようにしましょう。
画像生成にも威力を発揮するプロンプト
プロンプト入力はChatGPTのような文字生成系のAIだけではなく、画像生成系のAIでも重要な役割を果たす。
実例を元に、どのような入力をするとどのような画像が生成されるかを見てみよう。
プロンプト:food photography, hamburger in the style of a mcdonald’s big mac, but luxurious michelin kitchen style –v 5
プロンプト:80s lotus esprit chrome details, nostalgic and timeless, warm and soft, sepia tones, deserted industrial warehouse, Fujifilm X – T4 with 35mm lens, shallow depth of field, early morning light
プロンプト:Joe biden and donald trump laughing and playing golf together, mid day, natural direct sunlight, photography, eye level shot
AIが苦手なプロンプトもある
こんな感じで上手にプロンプトを活用すればAIによって驚くほどにリアルな画像が生成される。
その一方でAIは万能ではないのがわかる例を紹介する。文化的なコンテキストが求められるプロンプトは意外と苦手だ。
たとえば以下のような感じ。
プロンプト:こたつにみかん
上手なプロンプトを作成するためのポイント
このようにプロンプトの入力内容次第でその結果が大きく変化するのが生成系AIの特徴である。したがって、より良いプロンプトを作成するのが重要になってくる。
上手なプロンプトの作成方法を、きたがわ 🍥 ChatGPT活用術さん (@bukuta_3) のポストを元にもう少し深掘りしてみようと思う。
- プロンプトの内容と目的を明確にして書く
- プロンプトは具体的に書く (細かく・詳しく)
- 明確な言葉を使う *曖昧な単語はなるべく使用しない
- コンテキストを追加する (文章の前後関係を書く)
- プロンプトの長さを考慮する (長すぎず・短すぎず)
- 何度もテストして試行錯誤する (結果が予想と異なる場合は、プロンプトを調整する)
良いプロンプトの例文
「海が青い理由について詳しく教えてください」
「新製品を宣伝する30秒のコマーシャルのスクリプトを生成してください」
「MongoDBを使用した基本的なCRUD操作を実装するJavaScriptプログラムを生成してください」
→ 伝えたい内容がハッキリしてる
悪いプロンプトの例文
「もっと教えて」(何を?・・・)
「あれを実行して」(あれって何だろう?・・・)
「さっき回答した中から選んで」(どれのこと?・・・)
「スクリプトを生成して製品を宣伝してください。」
→ 何を伝えたいのか、対象が何か、が不明確
まとめ
- 人に聞く時と同じようにChatGPTを使う
- 文章の中身は具体的に細かく指定するほど良い
- 文章が適切な長さか確認してみる
- 文書の前後関係を明確にして書く
- 間違った回答が出た時は、プロンプトを見直して修正する (説明が十分だったか確認)
画像をプロンプトとして利用も可能
ちなみにプロンプトは必ずしも文字である必要はない。画像をプロンプトとして入力して文字を生成したり、複数の画像を入力してそれに合わせた画像を生成してもらうことも可能だ。
例:この写真に写っている食材で作れる料理のレシピを作って
例: この2つの画像を合わせたデザインを生成して
ChatGPTアウトプットの質をアップさせる3つの構文
プロンプトを入力する際のコツをもう少しだけ補足すると:
①「あなたはプロの〇〇です」(職業定義)
②「〇〇という条件下において」(条件定義)
③「初心者にもわかりやすいように手順を作成して教えてください(or 提案してください)」
の3セットを加えるだけで今よりもっと詳しく教えてくれる。
ChatGPT指示命令に役立つ指示例
もう一つChatGPTにプロンプトを入力する際のコツを紹介する。 ChatGPT研究所さん (@chatgptair) が紹介している下記のような補足を加えるだけでもアウトプットの質が高まる。
「質問+条件指定」
- 箇条書きで3つ書いて
- 箇条書きで○個書いて
- ブログ形式で書いて
- ○文字以内で書いて
- ○文字以上で書いて
- ステップ形式で書いて
- 短く書いて
- 詳しく書いて
- エモく書いて
- 文章を簡潔にまとめて
- 丁寧な文章で書いて
- 段落で改行を入れて
- 140文字以内で書いて
- 重要ワードを入れて
- 3つの回答を書いて
「質問+追加情報」
- 他にも教えて
- 何パターンか教えて
- 抽象的に教えて
- なぜそうなるの?
- 例えを教えて
- イメージしやすいように
- 具体例を教えて
- 他の方法を教えて
- 3つの方法を教えて
- さらに良い方法を教えて
- データを教えて
- 事例を教えて
- 根拠を教えて
- ○○の場合を教えて
- 悪い例を教えて
「質問+表現方法」
- 子供でもわかるように
- 小学生でもわかるように
- 中学生でもわかるように
- 一般人でもわかるように
- 初心者でもわかるように
- ○○のように
- 学校の先生のように
- アナウンサーのように
- 占い師のように
- プロの編集者のように
- ○○風に答えて
- ヒカキン風に答えて
- メンタリストDaiGo風に答えて
- ひろゆき風に答えて
- ビジネスでも使えるように
まとめ: プロンプトはAIに生成してもらう際に入力する “呪文”
ということで、生成AIがどんどん “魔法” のようにさまざまなアウトプットをしてくれるようになってきてるとすれば、プロンプトはまさにその魔法をコントロールする “呪文” の役割と言えるだろう。
AIに対しての指示出しであるプロンプトの作成の精度が上がるほど、実は部下やアシスタントへの指示出しも上手になっているという皮肉な状況が多くの会社で発生している。
なので、AIを使う場合でも生身の人間にお願いする際にも、クリアなプロンプトを作成できれば仕事のクオリティーが上がることは間違い無いだろう。
次回は生成AIの「裏側」のテクノロジーについて
次回は生成AIの裏にあるテクノロジーに関してできるだけ簡単に、わかりやすくまとめました。
※今回の記事の内容の元となったウェビナーでの講演のアーカイブ動画はこちらからご視聴ください。
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