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【Designship 2024体験記】ビートラックス現役デザイナー3名が語るイベント体験と貴重な学び
2024年10月12, 13日に開催された「Designship 2024」。
このイベントは東京で毎年開催され、約5,000人ほどの数々のクリエイターたちがデザインの最前線を探る場となっています。今年のコンセプトは「広がりすぎたデザインを、接続する」でした。
Designship 2024には、ビートラックスからはCEO ブランドンが登壇したのに加え、デザイナー3名もDesignshipに参加しました。このイベントは弊社にとっても、テクノロジーやビジネス、アートまで多岐にわたる分野でのデザインの役割と影響力を再考する素晴らしい機会となりました。
参加したビートラックスのデザイナーは以下の3名です。
- Mari (UX Designer / Design Researcher, btrax)
- Hiro (UI/UX Design Specialist, btrax)
- Suzy (Associate UI/UX Designer, btrax)
そこで今回は、以上の3名がイベントに参加して感じたそれぞれの「① 現地で1番興味深かったセッション」「② Designship 2024全体を通して得た学び」「③今後の意気込み」についてご紹介します。
① 現地で1番興味深かったセッション
1. 引地 耕太さん(クリエイティブディレクター / アートディレクター / 教育者)、テーマ『人間中心から、生命中心の未来へ〜大阪・関西万博デザインシステムを通じて〜』
Mari:
引地さんの「人間中心から生命中心の未来へ」というテーマのトークセッションが特に印象的でした。大阪万博のデザインシステムがどのように作られたのかに興味があったので、非常に興味深く感じました。「いのちの循環」という広く抽象的な万博のテーマを具体的なビジュアルに落とし込むプロセスと考え方が面白かったです。
「いのちの循環」をもう少し具体的に説明する言葉として引地さんは「全てのいのちが融け合い、響き合う 共に進化する生態系へ」としていましたが、それを具現化したビジュアルに落とし込んでいました。
個々のいのちがそれぞれLive, Growth, Evolutionと変化をとげ、またその個が他の個を交わって生態系ができていくことをJoin, Sync, Actという言葉で表現し、それらのビジュアルを融合させたものが現在のキービジュアルです。
引地さんのトークは聞きやすく、プレゼンスライドの見せ方も綺麗で、赤と青の目玉がついたビジュアルがどういう意図で作られたのかを図解してくれたことで、セッションを聞く前と後ではキービジュアルの見え方が変わり、納得感が増しました。
Suzy:
引地さんによる万博のデザインシステムについてのセッションが個人的にはとても印象的でした。デザインプロセスの全体像、どのような意図でシステムやデザイン要素が生み出され、それらがどの様に様々なアセットに展開・適用されているのか、その過程を詳細に知ることができたのがとても面白かったです。
デザインプロセス自体も興味深く聴いていたのですが、それ以上に、その工程が第三者の私にも理解しやすい、引地さんのプレゼンテーションの仕方が大変勉強になりました。
特に最近はブランディングやマーケティング戦略の提案などの上流工程のお仕事に関わらせていただくことが多いので、頭にスッと入ってくる話し方とピッチ構成、スピード感、スライドの作り方などの重要性を改めて感じました。
このセッションを通して得た気づきや学びは、今後のプロジェクトに早速応用していければと思っています。
2. 菅野 薫さん(Creative Director, Creative Technologist)、テーマ『デザイン:アイディアの社会実装』
Hiro:
菅野さんの仕事や考え方に関するセッションが印象的でした。森ビルやサントリー、リオの閉会式など心踊るような広告やブランディングを手がける方が何を考えているのかを知りたいと思い参加しました。エンジニア出身と聞いて驚きましたが、『新しいアイデアとは何かに』ついての考え方が非常に参考になりました。
以前、井口尊仁さんの「アイデアは実装されて初めて価値を持つ」という発言を聞きましたが、菅野さんはまさにそれを体現している方だと感じました。特に電話に関する話が興味深かったです。電話というアイデアは歴史的に古くから存在し、実装した人も多くいました。
最終的にAT&Tの創業につながった技術者が特許を取得しましたが、他のエンジニアたちも同じ時期に特許を目指していたそうです。この事例は、アイデアが単なるアイデアのままだと価値がなく、実装されて初めて価値を持つことを示していると強く感じました。
エンジニアのバックグラウンドがあることから、映像やブランディングのクリエイティブも技術ベースでありつつ、伝えたいメッセージは非常にわかりやすかったです。また、やった仕事のサマリー動画を持つことは自分でもぜひやりたいと思いました。
② Designship 2024 全体を通して得た学び
Mari:
「デザインとは?」を考えさせられるイベントでした。Designshipはデザイン系のイベントの中でも特に広義にデザインを捉えており、様々なジャンルのデザイナーが集まっていました。btraxでの仕事ではプロジェクトによって異なる領域のデザインをしているため、自分は何のデザイナーなのかと考えることが多く、コアを見つけて強化できると良いと感じたイベントでした。
Goodpatchの大きめの本棚を設置したブースが印象的で、多くのブースがある中で目を惹く存在でした。最近、展示系のプロジェクトも増えているので参考になりました。
Suzy:
Brandonさんと引地さんのメインステージのセッションの他にも、ブランディングデザインや共創デザインアプローチのパネルセッションにも参加しましたが、Designshipのテーマでもある「デザインの定義が広がっている」ことを強く感じました。
デザインがメインストリーム化していることは嬉しい一方で、どこまでをデザインとし、デザイナーの仕事とするかが曖昧になっている現状で、自分のデザイナーとしてのスキルセットを見直す良い機会になりました。
Hiro:
広がり続けるデザインの領域を実感するイベントでした。だからこそ、「デザインでどんな目標を達成したいのか?」を冷静に考える力を養うことがデザイナーには必要だと感じました。また、デザインシップ自体の参加者の年齢層が若く、学生と企業のデザイナーが気軽に交流できる場は素晴らしいと思いました。
③ 今後の意気込み
Mari:
トークセッションを通じて改めて感じたのは、自信あるトーク力が聴き手への説得力を増すということです。デザイナーとして良いものを作るだけでなく、それを伝える力は非常に重要だと感じました。今後の仕事に役立てたいと思います。
Suzy:
私は「手を動かすデザイン」より「どう良いデザインを効率よくデリバーするか」の部分に興味があり、PMや上流過程の管理が得意です。共創デザインアプローチやデザインシステムの設計と展開についてのセッション内容は非常に参考になりました。プレゼンテーション能力も今の私の課題なので、これからしっかり伸ばしていきたいと思います。
Hiro:
広がるデザインの領域の中で、自分の考え方の軸となる専門性が大切だと感じました。常にデザインの目的や狙いを考え続ける姿勢を持ち続けたいと思います。
最後に
Designship 2024は、btraxメンバーに多くの気づきと学びをもたらしてくれました。デザインの定義が広がる中で、それぞれが自分の位置づけを見直し、次のステップへの準備を整える場所となりました。このイベントを通じて得た知識や共感を今後の仕事に活かしていきたいと思います。
ぜひ読者の皆さまもデザインの可能性を再考し、新しい挑戦に向けて期待を膨らませていただければと思います。
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