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世界のトップ企業で働く著名デザイナーが今だから語る失敗談
*この記事は2022年2月時点の内容をお伝えしています。
どんな仕事でも最初は失敗がつきものである。
自身の会社を追い出されたスティーブ・ジョブス。チャレンジと失敗を化学反応のように組み合わせてイノベーションを生み出すイーロン・マスク。10年の間散々失敗し、大成功したのちに現在また次のステージを迎えているUberのトラビス・カラニック。彼らを見ていると、大きな成功を成し遂げるためには必ず失敗が必要であるとさえ思えてくる。
そしてこれは起業家のみならず、デザイナーに関しても同じことが言える。
今でこそ業界トップと言われる人たちでも、または、世界で活躍するデザイナーでもたくさんの失敗を通じて現在のポジションを築いているのだ。むしろ、最初の頃により多くの失敗を重ねていたほうが、その後の成長もしやすいだろう。
主にスタートアップ業界で「フェイルファースト (なるべく早めに失敗すること) 」と言われるように、なるべく早く、そして多くの失敗経験を積むのが良いとされている。しかし実は、デザイナーはいつまでも失敗を繰り返し新しいものを作り出す仕事でもあるのだ。
今回は、著名な世界のデザインファームや企業で活躍されているデザイナーに聞いた、キャリア初期の失敗談をいくつかご紹介する。
こんな人でも実はこんな事柄に悩んでいたり、チャレンジを乗り越えていたと知ることで、勇気付けられるだろう。
エリック・カーター: NYを中心に活躍するグラフィックデザイナー
彼は、仕事でも人生でも失敗ばかりと自虐する。主なものは…
- 時間がないのに「できます」と言ってしまい、あとで自分の首を締める
- 間違った顧客にファイルを送ってしまう
- CMYKのレベルが均一ではない
- 請求書を送り忘れる
- 請求書に対する支払い受け取りの確認を忘れる
- カーニングが取れていない
- タイポグラフィーが甘い
- “インスパイア”されるために見たTumblr上での他のデザイナーが気になる
- Twitter経由で他人のデザインの批評をするが、それが自分自身の評判を下げてしまう
- 仕事全般に対してのチャージ額が低すぎる
- 全てのEmailの最初のフレーズが”やあ、みんな (Hey Guys)”
- メールの返信を忘れる
- 以前にディスったインターンが後に著名なアートディレクターになる
- 締め切り度外視でランチに出かけてしまう
- 調整し直した締め切りにすら間に合わない
- 最終の締め切りに間に合わない
- 仕事を最優先し、あらゆる人間関係が破綻する …
大なり小なりあるが、デザイナーも、そうでない方々、多くが一度はやってしまったことがありそうなことがズラっと述べられている。
スーザン・ケール: Pinterest プロダクトデザインリード
シリコンバレーエリアの数々のトップ企業で働くスーザンの話をご紹介。
彼女は前職Appleで働いていた頃、あまり誰の目にもつかないだろうと思い、個人的な趣味で”爆弾”をMac OSで表示されるエラーダイアログボックスのアイコンとして採用してみた。
そしてMacが発売されるや否や「パソコンが爆発するのでは!」との苦情がユーザーからソフトウェアのチームに寄せられた。彼女の遊び心が思わぬ事態を招いたちょっと笑えるエピソードである。
ルーク・ウッズ: Facebook プロダクトデザイン
ルークが語るのは、後悔。
これまでたくさん失敗してきてるが、やっぱ一番の失敗は周りの人々にどれだけ感謝しているかを伝えなかったことだと語る。
今のポジションにいることができるのも、これまで多くの人々のサポートのおかげ。それなのに、ちゃんと感謝の気持ちを伝えることができなかったと後悔している。
マリサ・ギャラガー: Amazon Music ヘッドオブデザイン
マリサが挙げるのは、大きなプロジェクトを目の前にすると、そのゴールを見失ってしまうことがあるという、こちらも非常によくある失敗談。
自分自身の大きな野心を満たすために複雑なアプローチを考えるが、他のメンバーたちにそれを説明するとなると、とても難しく感じてしまうとのこと。
しかし、ある日。この時は、いつものようにこの事態に陥っているプロダクトのコンセプトを株主の前で説明する前日だった。その時に、上司から「結局君は何をゴールとしているのか?」と問われ、一瞬にして目の前がクリアになったそうだ。
第三者に目線をゴールに合わせる機会が作られたことで、状況を打破することができた。
このようにシリコンバレーエリアを中心とする世界のトップ企業で働くデザイナーたちも、様々な失敗や後悔にとらわれながらもキャリアを築いてきている。
うまくいかない、伸び悩んでいると感じている方にとって少しでも励みになれば幸いだ。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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