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btraxでのインターンを通して学んだ事
10月からbtraxでインターンとして働いている田制明日香と申します。以前にデザインについての記事を書かせて頂きました。btraxでのインターンも次第に終わりに近づき、今までの業務を通して学んできたこと、感じたことを振り返り、まとめてみます。
第3回SF Japan Night
Japan Night セミファイナル
まず初めに、今回私にとって一番の大役が第3回SF Japan Nightの担当をさせて頂いたことです。採用が決定し、その後東京で行われるJapanNightセミファイナルに合わせて日本に一時帰国しました。私にとってこのJapan Night セミファイナルがbtraxでの初めてのイベント。
普段なら行かない場所で普段なら会わない様々な方にお会いし、どうしていいのかも解らずものすごく緊張していたのを覚えています。久しぶりに見る日本でのイベントと初めて見る日本のスタートアップのピッチを見て、アメリカのそれらとの違いに正直驚愕しました。オーディエンスとのキャッチボールや一体感が大きな違いだと思いました。
特に変化球も無く一方通行で話し続けるのは正直足を運んだオーディエンスにとって期待外れだと感じさせる可能性もあるので、プレゼンターとオーディエンスが対等でフラットであるという感覚を持たせ、コミュニケーションが取る工夫が興味をそそらせるのかなと思います。
SF Japan Night本番
日本からサンフランシスコへ戻り、本格的にJapan Nightの仕事が始まりました。上司や以前の担当者にたくさん教えてもらいながら、PRや関係者とのやり取りなどほぼ全てに対して仕事を任せて頂きました。未だ慣れないオフィスと限られた時間の中で多くの仕事がこなし何を優先順位にすべきか、どのようにすれば効率良くできるかということを考え、実行していくのが非常に大変であり、苦労しました。上司とのすれ違いもありましたがそれでも私を受け止めてくれて、1つ1つ問題を話し合い解決していけたことは辛かったですが楽しくて嬉しく且つ充実したものとなりました。そこから「会社で働く」ということを経験的に学びました。
結果として、Japan Night本番での出場者のピッチも素晴らしく、成功させることができたと思っています。ちなみに、Japan Night当日のリハーサルに本番で私がメイド姿をしてステージに上がるアイデアが決定し、まさか自分がそんなことになるとは微塵も想像していませんでしたが、今まで働いてきたJapan Nightを私自身が少しでも盛り上げることができるならと思い引き受けました。笑
スタートアップ関係
Japan Nightの他にもMA7 Ninja ChallengeやSF New Techなど多くのスタートアップ系のイベントに関わらせて頂いたり、その他にも日々サンフランシスコで行われているイベントへと参加することによって、何も知らなかった状態から毎日自然と目にした多くのWebサービス、そのUI、ピッチを見て、新鮮な知識をたくさん吸収することができました。アメリカらしいシンプルなデザイン、サービスなど慣れない日本人から見る違和感から、アメリカでのシンプルを求める理由やどのサービスがヒットしそうなのかなど段々と感じられるようになりました。
包括的且つ客観的に見ると、”魅せ方”がとても重要だと感じます。例えば、単純にサービス自体がかなり良くてもピッチがつまらないもの、つまり”魅せ方”が下手だとせっかくのサービスの魅力も伝わらず、結果として実際のサービスの質以下のものに見えてしまいます。
逆にあともう1歩だなと思うサービスでもピッチが上手であれば、人々の注意を惹き、サービス以上のものに見え、そこから投資家からのチャンスや更なるユーザー獲得などのステップが望めると思います。あと、スタートアップ関連には更に飛躍させるVCや様々な種類の投資家、メンターなどたくさんの人々があらゆる過程で関わっています。このベイエリア周辺における彼らの成り立ち方やその変化、カルチャーなどの生の情報を知り、学ぶことができたのは大きな財産です。
UC Berkeleyでの講演
ある日カリフォルニア大学バークレー校でとある日本の大学から勉強会として派遣され、ベイエリアを訪れた団体への少人数でクローズドな講演会があり、ブランドン氏が講師として招待されていた為、私も連れていって頂きました。そこで彼が話していた内容は他のイベントの講演や普段の会話でも聞いたことがないことばかりで、ものすごく勉強になりました。
彼の講演内容は「サンフランシスコ周辺の歴史と現状」「日本とアメリカの起業家の違い」。簡単にまとめると、少し昔の本格的なハイテクノロジーを使ったシリコンバレー周辺からサービスが誕生していた時代から、現在存在する気軽で簡単に利用できるサービスを元に独自のサービスを創り出すこと、そしてそれを若者でも簡単に創ることができるということからサービスを生み出すハードルが下がっている。よって、生み出すスピードや競争率が一層増している。
また、中心地のシリコンバレーよりも遊ぶ場所が多く若者が集まるサンフランシスコへと少しずつ北上している。起業家やスタートアップの日米の捉え方の違いから、日本で行うには未だにリスクが多いと見なされがちであるということ。
また他にもシリコンバレーで活躍されている方が招待されていて、講演を聞くことができました。勉強会後に行われた長時間に渡るディスカッションでは、勉強会に参加された世界中の様々な場所で多方面に及ぶ活躍をされている方々同士のあらゆる観点から話し合う日本の現状、アメリカや欧州国との教育の違い、どうすれば日本を変えることができるのかなど、議論が白熱していて話を聞いているだけで学ぶことが多く、また逆に意見を求められて少しでも発言できたことは貴重な経験となり大変充実したものでした。
そのディスカッション終了後、個人的にも相談をさせて頂き、勉強会に参加された多くの方々から将来に対するアドバイスを頂くことができました。私の性格や思考に合わせて頂いた親身なアドバイスに私自身大きく影響され、見逃していたり知らなかった方向性を知ることができ、自分の選択を増やすことができたと感じます。
シリコンバレーの某大手VC訪問
ある日ブランドン氏が長年の友人であるシリコンバレーのVCの方とお会いする機会があり、一緒に連れていって頂きました。初対面の時から雰囲気が他の人と違い、今まで会った中で本当に優秀で頭が良く切れる方達だと感じました。頭の回転が早く、話がストレートで無駄な言葉が無い。無駄がない為会話のキャッチボールが早く、とんとんと話が進んで行きます。素晴らしく優秀な方と話すと自分の頭の思考も早くなり、ただ話を聞いているだけでもいつも以上に頭が回りました。
その上で、自慢気や偉そうな態度は一切なく、フラットであり、誰に対しても態度が変わらない。さらに、今までの業界や流れから、先を読む能力も優れていると感じました。しかしながら、物事を見る観点は一般ユーザー目線も忘れていなく、一般ユーザーと投資家という観点から見る分析やアドバイスは、共感がしやすい上に説得力があり、大変納得できるものでありました。ブランドン氏と長年の付き合いということもあり、親しげな雰囲気の中で密度の濃く貴重な話が聞けたのは本当に素晴らしい経験でした。たった1時間の対談が倍以上に感じられる程テンポが早く、凝縮された内容はどの話を取っても面白かったです。本当にありがとうございました。
Co-working Space
今年始めにサンフランシスコで生まれ、現在日本でもホットになりつつあるCo-working Space。実は日本の大学で都市政策ゼミに所属している為、不動産や都市開発関係にも興味があり、某大手不動産会社とのサンフランシスコの有名なCo-working Spaceを数社見学案内の仕事に実際に連れていって頂いたことがありました。そこでここではどのように運営されているのか、その特徴、オフィスの作り方、契約方法などを実際に管理している方から聞きました。
さらに、その後の日本でCo-working Spaceを開くにはどうしたらいいのか、何が障害になるのか、日本人の性格に合わせた造り、単なる”仕事をShareする場所”では無く、Co-working Spaceで生まれるコミュニティの形成など、全ての話が新鮮で面白かったです。特に印象強い点は外国人の観点からどのような設備や機能を需要としているのかということ。国際的に日本で一緒にビジネスする上で今の日本の現状に何が足りないのか、彼らがどう感じているのかを直接に聞けたことは、自分の将来のビジネスを考える新しい発見になりました。
大前研一氏との対談
そして、一番楽しみにしていたイベントは大前研一氏とのCo-Working Spaceに関する対談です。当時インターン決定次の日にこのイベントの決定を聞いたので、「本当になんなんだこの会社。もうあり得ない!」と感動しました。著書やメディアを通してしか知らない、明らかに環境が違う方と一緒に関わることができるなんて、普通の学生の私には夢みたいでした。政府や政策よりに日本でのCo-working Spaceを捉えて話す一部の内容は、政治学科の私には身近な観点から考えることができました。会場として使用されたCo-working Space・Citizen Spaceの方達の新参者を「いつでも来ていいよ」と受け入れる姿勢がすごくオープンであり、日本ではなかなか真似ができないことだと思います。しかしながら、何よりも面白かったのはイベント終了後のオフラインの大前氏。また向研会として来られた方も素晴らしい方が多く、普通なら聞くことができない貴重なお話や一面を垣間見ることができました。
側で見るブランドン氏
私はbtraxのCEOであるブランドン氏の社長室にあるデスクで働いています。彼はオンとオフの切り替えがはっきりしていて、仕事の時はやはり大変厳しいです。間違ったことやミスはしっかりとはっきり指摘してくれますし、逆に良い仕事ができた時はきちんと評価し褒めてくれます。だから、自分の評価をすぐに見ることができる為、働き甲斐があり、私自身の欠点や特徴などを客観的に知ることができる良い機会にもなりました。
また、彼の近くで働き、ビジネスに関わらずアメリカの文化や日本との違いなど様々に渡る些細な話1つ1つが大変勉強になりました。特に会社や社会に対して時にはビジネスにおいてカードになり得る情報をクローズドではなく、アメリカらしくオープンに捉える考え方に感心しました。
時にはっきり言うこんな私の言葉も聞いてくれて、本当に様々な面で大変お世話になりました。ちなみに仕事で一番感動した彼の言葉は、私がある仕事に対して決断し、実行することに不安を感じ悩んでいる時に「大丈夫だよ。何かあったら僕が全て責任を取るから。」と言ってくれたこと。
大好きなサンフランシスコ
実はサンフランシスコに来たのは今回で2回目です。1年前に初めての一人での海外留学として選んで来たのがこのサンフランシスコでした。そしてその後偶然にもベイエリア周辺の大学への留学が決定し、今回が2回目。私はアメリカの都市で一番サンフランシスコが大好きです!アメリカの主要都市であるNew York, Boston, Los Angeles, Seattleなどを今まで訪れたことがありますが、様々な都市を訪れる度に早くサンフランシスコに戻りたい!一番大好き。とますます惹かれていきました。
さっぱりした気候と澄んだ空気、そして人々が自由であることが当然であるという雰囲気が一番気に入っています。この自由で快適な風土の中、最先端のものが誕生していく環境、そしてそれが成り立ち、革新が起き続けていく理由を肌で感じることができます。本当にサンフランシスコが大好きです。
Japan Nightだけに関わらず、btraxの日本でのプレゼンスの台頭、日本でのスタートアップブームの興隆などに合わせて、本当に”最高のタイミング”でインターンができたと思っています。3ヶ月という期間以上に数え切れない程多くの経験と、ここに書き切れない程の知識と感情を得て、心からbtraxで働くことができて良かったなと思います。
「btraxでなかったら」と、今までの経験と出会った人を振り返る度にこの言葉が何度も浮かびます。本当にbtraxでインターンをすることをおすすめします。経験の無い私を採用、評価し、信頼してくれた上司、分からないことを優しく教え、困った時に支えてくれた先輩方、そして私と関わって頂いた全ての方に、大変感謝しています。これからはスタートアップ系女子大生として、btraxで学んだ知識と経験を日本で少しでも生かし貢献していければと思います。
筆者: 田制 明日香 @asuponne
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