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優れたロゴを構成する5つの要素
ブランド形成においてビジュアル要素の一つであるロゴの重要性は高い。
人間が視覚的動物である以上、消費者の記憶に最も直結しているのが企業や製品の”シンボル”となるロゴである。優れたロゴは単純に見た目が美しいだけではなくビジネスに対しても大きな価値を生み出す。
優れたロゴは、既存顧客からのロイヤリティ獲得に加え、広告やプロモーション時においても威力を発揮し、競合との差別化要因としても重要な要素となる。
例えば下記のように中身が同じような内容でも、その外側に記載されているロゴによって消費者がそれに対して感じる”価値”が異なってくる。
最終的には正しいブランディングを構築した企業の価値もアップする。
ブランド構築の一要素としてロゴの重要性は非情に高く、これが間違っていると消費者や顧客に対して最適なイメージを与える事が出来ず、企業としての価値は頭打ちになる。
一方で、正しくデザインされたロゴには、ユーザーを惹き付ける力を備えており、ヒット商品を生み出す起爆剤ともなり得る。
優れたロゴを構成する5つの要素
ではどのようなロゴが優れているのであろうか。
デザイナーとして最も基本であり、同時に奥が深いロゴデザインの理論を元に、企業に対して正しい価値提供を行なうことの出来るビジュアルアイデンティティの一つであるロゴがもつ5つの要素は下記になる。
- Simple – シンプル
- Memorable – 印象的
- Timeless – 普遍的
- Versatile – 多面的
- Appropriate – 妥当性
1. Simple – シンプル
レオナルド・ダ・ヴィンチはその昔、”シンプルである事は究極の洗練だ”と語った。
デザインにおいてシンプルである事はある意味究極の完成形である。ロゴに関しても同じで、シンプルである方が見た人に覚えてもらいやすく、脳がそのシンボルを感覚に変換しやすくなる。
例えばスターバックスのロゴは何度か変更が施されているがその度にどんどんシンプルになってきている。これにはちゃんと意味がある。
初心者デザイナーがロゴデザインを行なう際の間違いの一つが、グラデーションやシャドー、過剰な数の色を使ってしまう事。これ以上ないぐらいに削った方が良いロゴがデザインされる。
2. Memorable – 印象的
ロゴの究極的な役割は見た人に”覚えてもらう”事である。
例えば、街頭インタビューでブランドのロゴを描いてもらうテストをしてみた。
結果的に本物に近く描けていたのは、Nike, Mcdonalds, Appleなどのシンプルなロゴ。複雑なロゴは印象に残りにくいだけでなく、思い出しにくいという事も判明した。
その中でもNikeのロゴは誰でもスケッチで書けるほどに一度見たら忘れない、思い出しやすい。
3. Timeless – 普遍的
ロゴのデザインがころころ変わってしまっていてはユーザーが混乱してしまい、企業のイメージも定着しにくくなる。
一方で、昔から同じロゴで消費者に愛されているブランドは、普遍的なイメージ構築に成功している。
トレンドを追いかけたデザインは時代と共に廃れ、ダサくなるが、基本に忠実に無駄を極力排除した洗練されたデザインは、何年経ってもその魅力が色あせる事は無い普遍的=タイムレスな存在であり続ける事が出来る。
リリースされた数十年後も色あせないロゴが優れたロゴである。
4. Versatile – 多面的
ロゴをデザインする時に最も気にしなければならないのが、それがどのように利用されるかという事。
名刺やWebサイトを始めとして各種広告、動画、ビルボード、新聞掲載、Tシャツ、ステッカー、カップケーキに至るまで、ロゴは様々なメディア上で利用される多面性を持ち合わせている必要がある。
その為には過度な拡大や縮小、モノクロ低解像度での印刷にも耐えられる必要性が出てくる。
それを考えればロゴは自ずとシンプルで構成要素の少ないものになるべきである。具体的には下記のポイントを抑える必要があるだろう。
- 過度なエフェクトを使わない
- 表現の構成要素が少ない
- アイコン等の装飾品の抽象度が高い
5. Appropriate – 妥当性
上記の4つのポイントを抑えたのであれば基本的な優れたロゴの必要条件は満たしている。
最後にもう一つ重要な点は、そのロゴがそのビジネスやプロダクトにとってふさわしいイメージやストーリーを表現しているかという事。
例えばマクドナルドの”m”の部分、ゴールデンアーチは初期の店舗の形をモデルにしている事や、IBMのロゴの線が8本であるのは8ビットが1バイトである=デジタルに関連しているビジネスである事などをロゴとして具現化している。
ちなみに当社のロゴの”B”の部分は,社名のbtraxの由来が “B Tracks (レコードのB面)” であることからレコードをモチーフにしている。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax
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