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ユーザーテストの秘訣とは? – デザイン思考を学ぶ Part 6
ビジネスに対してデザイン性の影響力が強いとされてきた業界は限定的であると考えられていた。
一方で、これからはユーザーが実際にサービスを受けたり商品を利用する際に感じる利用体験、すなわちユーザーエクスペリエンス (UX) がビジネスの成功への鍵となる。そのため、見た目のデザイン性に加えてデザイン的思考があらゆるタイプの業界の企業にとって大切な要素になる。
こういった背景をうけbtraxではデザイン思考を試みている組織を支えるためにオンラインセミナーを開講していおり、全てのセミナーはfreshtraxでもブログ記事として残されている。今回はデザイン思考入門編の最後となる「デザイン思考を学ぶ Part 6 -Test-」を紹介する。本題に入る前に、デザイン思考全体のプロセスを確認しよう。
- Empathize : ターゲット、ユーザーを設定し、理解する
- Define : ユーザー視点で具体的なニーズを選定する
- Ideate : ニーズ解決のためのアイディアを沢山だす
- Prototype : 選んだアイディアを元にプロトタイプを早いスピードでつくる
- Test : プロトタイプを元にユーザーに対してテスト
今回は5つ目のプロセスである、”Test”に焦点をあてて作成したプロトタイプの効率的なテストの進行について詳しく記述していく。最後のプロセスとなるTestでは出来るだけ多く、そして細かいところまでフィードバックをもらうことが重要になってくる。適切なテストでコンセプトやプロトタイプを検証するのだが、その前に前回のプロトタイプを簡単に復習しよう。
プロトタイプの目的は何だったか
- 物理的、技術的な実現可能性(機能要件)
- UIとしての実現可能性(デザイン要件)
- UXとしての評価
プロトタイプでは上記3つを明確にする目的があった。ただプロトタイプを作っただけでは3つめUXについて正しい理解が難しい。そのためTestのステップを踏む必要がある。では本題に入ろう。
どのようにテストするのか
① ターゲットのペルソナを設定する
まずは、リリース後のユーザーとなる人にテストしてもらう。さもなければテストの意味がない。重要なことは正しく明確なターゲットを選定することだ。よくある失敗として、ターゲットが「30代主婦」といったように漠然となってしまうことで、これでは一体誰なのか絞りきれずにターゲットが歪んでしまう。
日本であればまだそれで一般化されるかもしれないが、アメリカではそうはいかない。人口が多く、あらゆるタイプの人が生活しているアメリカでは「30代主婦」だけでは、幅広すぎてテストにならない。こういった事態を避ける為にも以下画像にリストアップされている項目をうめてターゲットのペルソナを具体化させておこう。
② テストのシナリオをつくる
ゴールを設定する
テストしてもらう方々にこのサービスを使って何を達成してもらうのか設定する。ただ単にプロトタイプを触ってといってもテストを受ける人のモチベーションがあがらないし、的外れな意見が出かねないからだ。
制限時間を設ける
あなたのプロダクトがリリースされた際に、実際のユーザーとなる人に使ってもらいたい理想の時間を設定する。
感情を声に出しながらテストしてもらう
テストの受けてから全ての感情を詳細に覚えておくということは難しい。気軽に言葉を発してもらいながらテストしてもらえる雰囲気づくりをしてユーザーのリアルタイムのフィードバックをもらおう。
③ 評価表
一般的な質疑応答は当然行なうとして、その他の効果的な方法を紹介する。
- What I like: 気に入った点
- I wish: こうあってほしかった点
- Things not clear to me: よくわからなかった点
- I have better idea: 私ならこうすると思うこと
上記4つの項目とスペースを設け、ユーザーからの評価や意見を書いてもらおう。最終的に集まった意見を自分たちでまとめ次のアクションを考えれば良い。
次のアクション
評価を得て何も変えなければ全く意味がない。どんなに天才的なチームでも最初から完璧な商品を作れる訳がない。フィードバックや、リアルタイムの一言を参照して良かった点、悪かった点、改善点を洗い出す次のアクションをとろう。具体的なアクションの方向性は下の3つのピボット策(アクション)をとる。
- プラン B – デザイン/機能/詳細を変更
- プラン C – バリュー/ターゲットを変更
- プラン Z – プロジェクトを終了する
プランB – デザイン/機能/詳細を変更
プロダクト自体に問題は無くデザインや機能面等の細かい点のみ変える必要がある場合だ。Testまでの段階として最も喜ばしい状態かもしれない。
プランC – バリュー/ターゲットを変更
残念ながら想定していたターゲットには響かない場合だ。推定ターゲットのペルソナを作り直し、再度テストを行なおう。ターゲットが大幅に変わった場合はバリュー、コンセプトに変化が必要になることもある。また自分が設定していたユーザーのニーズと実際のニーズが違うこともあるためフレキシブルに対応しよう。
(ex.)Instagram: ユーザーのニーズは写真のフィルターだったことに気づき、コンセプトを変更
プランZ – プロジェクトを修了する
一番辛い。しかし、それと同時に最も大切な判断でもある。日本だと予算と人と時間を費やしたからだけの理由で、止めにくいといって続けがち。しかし無駄に続けていては最後には大赤字ということが起きる。
海外ではこういうことをコンコルド症候群という。コンコルドとはかつて存在したロンドン-NY, パリ-NY間を結ぶ超音速旅客機のことだ。
実は機体の開発時に既に事前に採算が合わないことが予測されていたにもかかわらず、国家プロジェクトでもあり「ここまでやったならやめるわけにはいけない」ということで始動したはいいものの結局大赤字でいつのまにかコンゴルドの姿を見ることはなくなったという有名な失敗談である。
まとめ
Testまできたらリリースまであと少し。大変な時間が多いと思うがここまできたらあと一歩踏ん張り。btraxはデザイン思考に積極的な方々を応援しています。
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