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スタートアップを始める前に決めておくべき3つの事
ふと思いついた素晴らしいアイディアを友達と一緒にプロダクトにしてしまう。そんな軽い気持ちで始められるのがスタートアップの醍醐味である。しかし、それを実際のビジネスに変換し投資家からの投資を受け最終的に拡大していくには幾つかのポイントを抑えておく必要があるだろう。
そうしないと、いざ方向性に迷った時に目的を見失ってしまい、最終的に失敗してしまう可能性がある。
たとえきっかけが小さなひらめきだったとしても、世の中に影響力を与えるスタートアップ達は必ず3つのポイントを押さえている。btrax社CEOのBrandonが、同社提供のInnovation Programでのワークショップで日本企業向けに行った人気セッションで説明した、スタートアップが必ず決めておくべき3つのポイントをまとめてみた。
スタートアップの定義
新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一獲千金を狙う人々の一時的な集合体
– ベンチャー企業とスタートアップの違いより –
1. なぜやるのか − 会社の存在意義であるCore Valuesを決める –
まず第一に、スタートアップをなぜやるのか(Core Values)を決定する必要がある。Core Valuesをしっかりさせることで、新しいサービス・商品を始める際にその会社の存在意義、または商品・サービスがなぜ存在する必要があるのかを明確にすることが出来る。
反対に、Core Valuesがぶれてしまうと、途中で頓挫してしまったり、商品の魅了がユーザーに伝わらなかったりしてしまう。最初から会社のビジョン、ミッションを決めることは難しいかもしれないのでまずはCore Valuesを明確にすることから始めると良いかもしれない。具体的には以下の3種類に分類され、スタートアップとして成功するために最低でもどれかも1つに当てはまっていることが重要。
社会的存在価値 – Values for the Society –
その会社が存在することで社会へ何かしらの貢献をし、世の中に変化をもたらすこと。
これはサンフランシスコで最もよく見るタイプの一つであり、例えばUber, airbnbなどのような今流行のシェアリングサービスもその1つだろう。
ユーザーに対しての存在価値 – Values for the Users –
ユーザーに対して間違いないメリットを提供することが出来るということ
例えば、店舗まで行く必要なくオンラインでの買い物を可能にしたAmazon.com。
ビジネスとしての価値 – values for the Business –
ビジネス的に非常に儲かること。全てのスタートアップ、企業が社会、またはユーザーにとって良いものを提供しているわけではない。例えばBtoBなど、直接ユーザーや社会に影響を与えているのか定かでない業種、業態も多く存在する。そんなとき、ビジネスモデルとしてそのサービス、プロダクトが多くの収益をもたらすのであれば、それも1つのCore Valuesになりうる。
2. 鎮痛剤かビタミン剤か? – Pain Killer or Vitamin –
必ずしも既存の問題・不便な部分を解決する必要はない
新しいビジネスモデルを考える際に、既存の問題、不便な部分を解決するもの、つまり薬に例えると鎮痛剤を作るべきだという考えが日本では定説になっている気がする。しかし、それと同時にユーザーが現在困っているわけではないが、新たに価値を提供することでより生活が豊かになるというビタミン剤的なサービスも実は多く存在する。
鎮痛剤型サービス一例 – Solving Problems –
Evernote, Google Maps, 乗り換え案内などのサービスは、私たちが生活の中で感じていた不便な部分、既存の問題を解決するサービスである。
ビタミン剤型サービス一例 – Creating Habits –
Facebook, instagram, Youtubeなどのサービスは存在していなくても何かが特別不便になるようなものではない。しかし、それを使う事で今までに存在しなかった付加価値をユーザーに提供し、何か新しい習慣をもたらす。
スタートアップを始める際には、そのサービスが鎮痛剤なのか、ビタミン剤なのか、はっきりさせておくと方向性が定まりやすいかもしれない。常に鎮痛剤を作る必要はなく、ユーザーへ新しい行動パターンを生み出すビタミン剤系サービスを作ることも選択肢の1つになる。
3. ターゲットニッチを定める
日本ではニッチマーケットを狙うと市場が小さすぎるため、発展性が見込めないのではないだろうか、展開、エグジットが難しいのではないのか、と言われることが往々にしてあるのではないだろうか。
しかし世界規模でサービスを展開すると、ターゲットがニッチであっても大きくスケールすることは可能である。スタートアップは大企業と違った良さを出していくことが不可欠であり、その手段としてターゲットニッチを定めることは重要なポイントの1つになりうる。
1) Twitter
日本でも多くのユーザーを有するSNSサービスTwitter。実はアメリカでは、全インターネットユーザーの18%しか利用していない。また世界的に見ても9%からしか利用されていない。しかし2013年の売り上げは6億6490ドルに達している。
2) Tokyo Otaku Mode
オタク向けの情報を提供しているサイト。オタクというある意味ニッチなマーケットをターゲットにしているが、世界展開することで、Facebookで1500万以上のLikeを獲得している。
3) WhatsApp
アメリカで9%しか利用者がいないWhatsApp。しかし世界規模で見ると4.5億人のユーザーを有する。例えば仮にこのアプリが提供するプレミアムプランでユーザー1人当たりから年間99セントの利用料を徴収した場合、その売り上げだけで年間計450億円に達する。
4) WHILL
日本ではニッチすぎる電動車いすマーケット。しかし世界規模で見ると40億ドルのマーケットであり、シリコンバレーに拠点を構え、資金調達に成功。
– 「この世のネガティブなものはポジティブになり、そしていつかはポジティブを越える」WHILL CEO 杉江理氏インタビューより –
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