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自動車業界を大きく変革させる9つのスタートアップ
ここ数年で最も大きな変化が訪れる産業の一つが自動車業界だろう。ビートラックスでも複数の自動車ブランドに対して次世代のユーザー体験の設計や、新たな事業づくりに関する取り組みを提供させていただいているが、今後数年は自動車産業にとって、今までにない規模でのパラダイムシフトが起こることに確信を得ている。
業界を取り巻く3つの大きな変化
20世紀の代表的な産業とも言える自動車はしばらくリニアな成長が続いていたが、ここにきて下記の3つのファクターによりかなり大きな変革が訪れようとしている。
- 自動運転テクノロジーの進化
- 電気自動車 (EV) の普及
- シェアリングエコノミーの成長
この3つが発展し、世界のリードをとっているのは間違いなくシリコンバレーだろう。それも、既存の自動車会社よりも新規参入した企業やスタートアップがその主導権を握っていることは間違いない。
なぜスタートアップが自動車産業に有利なのか
大きな時代の変化が訪れる時、必ずと言って良いほど大企業は不利な立場になる。動きが遅く、無駄なしがらみが多いエンタープライズはまるで、気候の変化に素早く対応できない恐竜のように身動きが取りにくくなる。
特に自動車業界では、これまで数十年間の歴史の中で熟成されたサプライ・チェーンの仕組みや製造工程が逆に足かせとなり、動きが遅くなる。そして最も危険なのが、特に日本の企業のその多くが地方都市の有力企業として鎮座し、その危機に鈍感になっている点だろう。
その一方で、世界で最も変化が激しく、日々激しい競争が行われているこちらシリコンバレー地域では、昨日は存在していなかった新しいコンセプトやプロセスが日々実験、検証され、最先端のテクノロジーを活用し、ユーザーに最も適した商品やサービスが生み出されている。それが次のイノベーションに繋がっており、これに対して業界の壁は全くないと言って良いだろう。
そのような環境で生まれたのがTeslaであり、その他多くの自動車業界に変革をもたらすスタートアップであろう。彼らのミッションは既存の概念を打ち砕くことであり、しがらみが全くない状況で、心置き無くやるべきことを進めている。このような状況下では今後自動車関連のサプライヤーがどんどん打ち砕かれてもなんら不思議ではないだろう。
ユーザーが自動車に求める体験も大きく変化してきている
ここで自動車というプロダクトを考える際に、考えなければいけないのが、現代のユーザーにとって ”それ” はどのような存在であるかということ。特にミレニアル世代をはじめとした、若者たちにとっては、これまでの自動車、および自動車を所有することに対しての概念が大きく変化してきている。
当然のことであるが、消費者が魅力的と感じるプロダクト体験も大きく変化し始めてきており、”性能が良い=良いプロダクト” と言った単純な方程式が通用しなくなり始めているのも事実。実はこの辺に気づいている自動車メーカーは意外と少なかったりする。
自動車業界注目のスタートアップ
これから紹介するのは自動車産業を大きく変革させると思われれるスタートアップ。B2Bという特性上派手さはないが、おそらく世界中の自動車メーカーが注目するべき対象となり、既存のサプライヤーを脅かす存在にもなり得ると考えられる。
1. Nuro
Eコマースの配送におけるラストワンマイルのニーズに合わせた自動運転車両を製造する。物流サービスに特化させ、ヒトではなくモノの移動にフォーカスさせることで、小型車両にプロダクトを収納し、購入者の家まで届けるのがコンセプト。プロトタイプのdubbed R1は見た目も可愛い。
2. Neteera
セキュリティーやヘルスケア領域でも活用されているセンサリングテクノロジーを自動車に適応することで、これまで以上の制度での物体検知が可能になり、自動運転車両の安全性をよりアップさせるテクノロジーを提供している。
3. GhostWave
自動運転を実現させるために最も重要なテクノロジーの一つであるレーダーを提供している。より高度なセンサリング技術で車両の周りにある物体を感知し、事故を未然に防ぐ。
4. Clear Motion
ソフトウェアとハードウェアのテクノロジーを融合させることで、極端なでこぼこ道などでも車両が揺れないようにする自動車のサスペンションを開発製造している。今後の自動運転時代には、車内がリビングルームのような存在になる可能性もあり、乗り心地は最優先事項の一つとなる。また、乗り心地が格段に改善されるだけでなく、旋回時やブレーキング時の性能のアップにも繋がる。
5. Mighty AI
画像認識と機械学習によるデータ分析テクノロジーを通じ、自動運転用ソフトウェア開発者向けプラットフォームを提供。車両が感知した画像データに対してメタ情報を付随させることで、物体の属性を定め、より深いレベルでの物体認識を可能にする。
6. Nauto
主に商業用車両を対象に、既存の車両に装着可能なデバイスとAIを活用したソフトウェアプラットフォームにより、車両の周りの状況と運転手の動きをリアルタイムで感知し、事前の事故防止を実現する。
AIを使った双方向カメラの車載器。前方を見る車外カメラと車内の様子を撮影する車内カメラでドライバーの煽り運転や脇見運転、居眠り運転、その他危険運転を察知し、運転後にフィードバックを行うだけでなく、商業用車両の場合には車両管理側がその様子を確認できるようになっている。
また、複数の車両管理にも対応しており、より効率的なオペレーションを実現する。日本市場進出に対してはbtraxがサービスを提供している。
7. Cognata
ディープラーニングとマッピングのテクノロジーを活用することで、既存の都市をヴァーチャルにCG化する。これにより、自動運転車両が実際の走行実験をする前にソフトウェアレベルでの走行実験に役立てることができる。
8. WayRay
AR技術を活用したフロントガラスに投影される形のナビゲーションデバイスを提供。リアルタイムで車両の周りの環境データを取り入れ、レンダリングすることで、情報の精度をアップさせ、より安全な運転と快適なドライビング体験を実現する。
9. EV Safe Charge
EV車両を自宅やオフィスにてより効率的に充電するためのデバイスを製造している。既存の建物に後付けできる形になっているため、手軽にチャージングステーションを増やすことが可能になる。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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*このイベントはサンフランシスコで開催します。
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