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【男性がメイン顧客!?】女性セクシー下着ブランド ヴィクトリアズ・シークレットの秘密
バレンタインデーの季節。日本ではどんなものをあげようか、何を作ってあげようか、など女性はわくわくしていると思います。実は、日本と韓国以外の国では男性から贈り物をするのが主流だということ、ご存知でしたか?また、日本では義理チョコや友チョコなど本命チョコ以外のものがたくさんあります。
そのような習慣とは真逆のコンセプトを持つ国、アメリカでは男性が女性をレストランへ連れて行くなど、愛を伝える絶好の機会として高価な贈り物をします。
さらに、63%の男性と69%の女性がバレンタインデーを婚約や結婚を約束する定番の日だと捉えています。アメリカでのバレンタインデーのプレゼントの例としてバラ、チョコレート、ジュエリー、下着などがあげられるでしょう。そんな中、今回は下着に注目を当てたいと思います。
アメリカ最大のランジェリーブランド Victoria’s Secret
アメリカで有名な下着のお店といえば、ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)。アメリカ発のファッションブランドで、下着、香水、美容用品、また水着なども扱っています。
アメリカ国内だけでも1075店舗あり、2013年の売上は約66億ドルというアメリカ最大のランジェリーブランドです。ブリトニー・スピアーズやヴィクトリア・ベッカム、パリス・ヒルトンなど世界のセレブやモデルにも愛用者の多いブランドです。日本でも昨年の9月に羽田国際空港免税エリアに第一号店がオープンしました。
下着の概念をセクシーでファッショナブルのものに
1977年にスタンフォード大学卒業の実業家ロイ・レイモンド氏によってサンフランシスコで立ち上げられました。男性客をメインのターゲットに販売されていましたが、業績がなかなか伸びず、1982年にリミテッド社にブランドを売却しました。
ブランドを引き継いだウェクスナー氏は下着に関する知識がほとんどなく、悩んだ結果、下着の概念をセクシーでファッショナブルのものに変えよう、という結論を出しました。その後、モデルを起用したカタログやファッションショーにより、ブランドを絶対的なものにしました。
セクシー路線が特徴で、ファッションショーやカタログ通信販売にも力を入れているヴィクトリアズ・シークレットは、ミランダ・カーやカーリー・クロスなどのトップモデルを起用するスタイルが話題になっています。
またファッションショーの豪華さも話題になっており、アーティストにはブルノマーズやテイラー・スウィフト、マルーン5などが過去に出演しています。2001年からはテレビ放送も始まり、女性の間で最高視聴率を獲得するまでになりました。
上下セットで置かれていない? ヴィクトリアズ・シークレットのラインナップ
では、実際にどのような商品が売られているのか見てみましょう。ヴィクトリアズ・シークレットはピンクを基調としており、下着の他にも、パジャマや香水、水着なども売っています。バレンタインデーが近いこともあり、最近ではハート柄がちりばめられた下着やパジャマ、パンツとアイマスクがセットになっている商品、またリボンのみでできている様な下着まで出ています。
2/8には、バレンタインのイベントとして$75の購入でブレスレットとフレグランスが付いてくるなどの特典がありました。こういったイベントや商品を企画することによって、ヴィクトリアズ・シークレットに足を運ぶお客様が増え、利益向上にも繋がりますね。
姉妹店としてよく隣接しているのがPINK。PINKはヴィクトリアズ・シークレットよりもカジュアルなスタイルで若者向けになっています。値段もヴィクトリアズ・シークレットではブラが2つで49.50ドルのところ、PINKでは42.50ドルで売られています。
日本の下着専門店との大きな違いとして上下セットで置いてないことがあげられます。セール品も、ブラが2つで安くなったり、パンツが5つで安くなるなど、別々に売られていると考えて良いです。
また、上下セットで同じ柄のものを探そうとするとパンツの種類が多いこともあり、少し大変です。同じ柄のものがないことも多々あります。自分でカスタマイズできると考えると楽しいかもしれません。
専属モデルは世界に8人だけ
店内にはモデル達が実際にヴィクトリアズ・シークレットの下着を着用した写真がずらりと並んでいます。そのモデル達の中でも世界でたったの8人だけが専属契約を結び、Victoria’s Secret Angelsと呼ばれ、ファッションショーの舞台に立つことが出来ます。1995年に始まったファッションショーはニューヨークやマイアミ、ロンドンなどで行われています。
Angelsの中の1人、べハティ・プリンスルーはマルーン5のシンガーであるアダムの婚約者でもあり、ファッションショーでは共演を果たしました。他にもレオナルド・デカプリオの元彼女、エリン・ヘザートン、現彼女のトニー・ガルンもAngelsのメンバーでした。モデル達は男性目線ではなく、女性目線で選出されており、モデル達に魅了されて下着を買う女性も少なくはないようです。
下着なのにスタイリッシュなファッションショー
毎年、下着ブランドが開催するとは思えないほど派手で大規模なファッションシショーがヴィクトリアズ・シークレットによって開催されています。ロックバンドが後ろで音楽を演奏することで空間を演出し、ヴィクトリアズ・シークレットの下着を付けた専属モデルが主役となって舞台を歩きます。このファッションショーを開催するために、最低でも1000万ドルから1500万ドルはかかっているようです。そ
それでは、ヴィクトリアズ・シークレットのファッションショーをご覧下さい。
男性に優しいヴィクトリアズ・シークレット
Webサイトで質問出来るシステム
元々、ロイ・レイモンド氏は、女性に下着を買う時の恥ずかしさが嫌、という理由で第一号店をスタンフォードショッピングセンターに設立しました。店舗開設後、すぐに通信販売を始め、売上も好調でした。ヴィクトリアズ・シークレットでは、男性から女性に下着のプレゼントをするのをお手伝いする、
Live Chatというシステムがあります。男性が名前、メールアドレスを入力した上で女性に何を買えば良いか、などウェブ上で質問を出来るようになっています。さらに、ギフトボックスも2種類用意されており、プレゼントしやすくなっています。
女性よりも男性の方が商品をたくさん買う
しかし、女性に下着を買う時の問題と言えば、サイズ。ヴィクトリアズ・シークレットに来る男性客は彼女の写真をズームして店員に見せるそうです。それも一つの手ですが、ヴィクトリアズ・シークレットのある店員は果物に例えて、りんごやオレンジ、メロン、またはすいかから選んでもらうとのことです。その他のやり方としては彼女の親友や姉妹に電話して聞いてもらいます。下着を一つ買うのにも一苦労ですね。
また、ヴィクトリアズ・シークレットの店員によると、女性よりも男性の方が商品をたくさん買うと言われています。女性は一つブラを買えば四ヶ月はもつ、ということを知っています。男性は女性が下着の相場を知っているが故にたくさん買ってやろうというエゴが働くそうです。
時々、女性がカタログの中で自分が欲しいものに付箋を貼っており、男性が店員にそのカタログを渡し、買ってもらう、というケースがあるそうです。なんだか少し寂しい気もしますが効率的なのかもしれません。
ヴィクトリアズ・シークレットのカタログは店内にも置いてあり、無料で配布されています。また、自宅に届くようにウェブ上から登録をすることもできます。
私も、ヴィクトリアズ・シークレットへよく行きますが、店員の態度がとても良く、居心地がとても良いです。よくアメリカのお店に入ると、素っ気ない態度を取られたり、質問をしても適当に返されることが多いですが、そんなことはありません。丁寧に対応してくれ、店員2人がかりで対応してくれるなんてこともあります。
オンラインストアの充実
オフラインだけでなく、オンラインも充実しています。店舗で行われているキャンペーンをオンラインストアでも同じように展開しています。また、「Love List」という日本でいうウィッシュリストのようなものがあり、女性が欲しいものとサイズを記入し、男性にリクエストを送ることが出来ます。
実際に多くの人がオンラインストアを利用しており、ヴィクトリアズ・シークレットの売り上げの約4分の1はカタログやウェブサイトからの注文によるものです。店舗に入るのはちょっと恥ずかしいという男性にはオンラインストアもいいかもしれませんね。
この、アメリカならではのシステムや習慣を利用して、彼女や奥さんに下着をプレゼントするのはどうでしょうか。バレンタインデーに間に合わなかったとしても、日本の皆さんはホワイトデーがあります。マシュマロやキャンディなどのお菓子ではなく、下着でお返しすることで、いつもと違ったテイストを味わえるかもしれません。
最後に、Victoria’s Secret Angelsから男性たちへ、紹介されている女性に下着を買う際の5つのルールを紹介します。参考にしてみてくださいね。
1. 彼女のサイズを知っておくこと
2. 彼女が着心地の良いものを選ぶこと
3. 彼女の好みを知っておくこと
4. 自分も好きであること
5. 女性はみんなレースが好きということを知っておくこと
~番外編~ヴィクトリアズ・シークレット設立者の衝撃的事実
ヴィクトリアズ・シークレットを設立したロイ・レイモンドさん。実は自殺によって無くなりました。店舗を開設するため、銀行から4万ドル、親族から4万ドルを借り、初年には50万ドルを稼ぎました。しかし、創業から5年の1982年にはリミテッド社に400万ドルで売却しました。
売却した2年後、会社の評価額は5億ドルまであがりました。1984年に子供服で復活を試みましたが倒産してしまいました。そして400万ドルの負債を抱えたため、離婚を決意しました。さらに、7万6000ドルの納税通知が届き、1993年、レイモンド氏はゴールデンゲートブリッジから身を投げ、46歳の若さで亡くなりました。
妻に下着をプレゼントしたいという思いからヴィクトリアズ・シークレットを設立し、妻のことを思い離婚を決意するなど、とても妻想いのレイモンド氏。成功の裏側にはこんなこともあるんですね。
国によってブランディングも変わってくる
ヴィクトリアズ・シークレットは男性が女性に下着を買うという日本にはない文化を作り上げました。下着をセクシーでファッショナブルなものにし、ファッションショーまで開いてしまったことで、魅せるものとして洋服のようにお洒落をする目的で買えるようになったのだと思います。
日本では下着はまだ下着のままです。この概念が変われば、日本でも大流行するかもしれませんね。
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