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孤独を解決するためのUXデザインの役割とは
コロナ禍が明けてからしばらく経つ。このデータを見ても分かる通り、人との出会いを求めてる孤独な人が多いみたい。リモートワークとかが原因なのかもしれない。実は上手にユーザー体験をデザインすることで、解消できる。
人間を一番幸せにするのは人とのつながり
人の幸福度を高めるのは、地位やお金ではなく、人と人との心のつながりである(参考:結局、やっぱりお金では幸福度は上がらなかった。長期的に一番価値を生み出すのは「人間関係の質」)。これは、どんなにお金持ちになったとしても、人間関係がうまく行っていなかったり、孤独である以上は全く不幸であるということに等しい。
孤独の悪影響は1日に15本のタバコを吸うのに等しい
この孤独感の蔓延は、エピデミックと呼ばれるくらい世界中で広がっており、ニューヨーク大学の調査 によると、孤独が与えるストレスから人体がうける影響の大きさは、1日に15本のタバコを吸うぐらいレベルであるという結果が出ている。
日本には100万人の引きこもりがいる
そもそも、日本国内には100万人以上の引きこもりがおり、世界が注目するぐらい、大きな問題となっていた。引きこもりが増えれば増えるほど、国生産力は低下し、不幸な人々がふえ、自殺率も増加する。
世界中が引きこもりを推奨
その一方で、昨今の事態に対応するため、現在は多くの国々が引きこもることを推奨、もしくは強制し始めている。そうなると、引きこもりの悪影響が全世界に広がる可能性も少なくない。
いつか必ず限界が訪れる
そんな状態であるが、人間の脳は長期の孤独に耐えられるようには設計されていない。人と人とのつながりがなくなった状態で平気でいられる人はあまり多くない。
ソーシャルメディアがここまでヒットし、パーティーやイベント、飲み会にたくさんの人が集まるのは、孤独感を和らげるためである。そう考えると、現在の引きこもり推奨期間は、早かれ遅かれ破綻をきたすだろう。
都市のデザインが解決する孤独感
我々が生活する都市や建物の設計が、人々の孤独感を和らげることが可能だという説がある。アーカンザス大学デザインセンターのTanzil Shafiqueが行ったデザインリサーチによると、人間の孤独感は、その人を取り巻く環境に大きく左右されるとのこと。
これは言い換えると、人々を幸せにするのも、建築家や都市デザイナーの大きな仕事の一環となる。カフェやバーなどの一番大きな役割は、人と人をつなげることで、人々に幸福感を与えることである。でなければ、家で1人で飲んでいた方がよっぽど経済的なのだ。
Zoomが演出するワイガヤ感
オンラインミーティングの代名詞になったZoomの大ヒットの秘訣は、その他の既存のサービスと比べて「ワイガヤ感」の体験演出が上手であるからだと思われる。絵文字やフィルターなどでワイガヤ感を演出できるようになっている。
もちろん、音の品質の良さはあるが、他の無料サービスよりも、あえて有料のZoomを選ぶのは、みんなで仲良く集える体験価値によるものだろう。
ペットをシェアするサービス
ペットを飼うことは孤独に取り組むための最も効果的な方法の1つとされる。しかし、多くの場合、ペットを飼うための環境や時間、経済力がある人は多くない。そんな中で、CoPuppyなどの、ペットシェアリングサービスでは、人々の孤独を癒す体験を提供する役割を果たしている。
コワーキングスペースの最大の価値は孤独感の解消
コワーキングスペースの体験をデザインする際に、最も重要なのは、コミュニティー感を出すことで、人々の孤独感を解消することだろう。ここでも、人間の社会性に響くUXデザインが求められる。
あえて相乗りを選ぶライドシェアユーザー
UberやLyftなどのライドシェアサービスには、1人だけで乗るタイプと、相乗りのPoolやShareといった種類がある。
一般的に相乗りを選ぶ理由は、費用がリーズナブルであること。その一方で、お金を節約する必要がないのに、あえて相乗りを選ぶユーザーもいるという。それの理由は、1人で乗るよりも、偶然の出会いを期待できる事や、孤独を癒すことを期待している。このユーザー体験も、孤独に対して上手にデザインされている。
孤独を癒すため”だけ”に作られたLovot
世界の展示会で大きな話題を集めているのが、日本発の愛されロボットのLovotである。通常、ロボット言えば、何かしらの作業を行うのが価値となるが、Lovotはペットに替わる役割 = 孤独を癒すのが目的になっている。理論的には、役に立たない存在のように感じるが、人の心を癒す価値は非常に大きい。
まとめ: 孤独を癒すのもUXデザイナーの仕事
UXデザイナーの主な役割は、ユーザーに対してプロダクトの使いやすさや心地よさをデザインする事であるが、今後はそれに加え、孤独感を癒す設計も大きな価値となるだろう。
特にデジタル系のプロダクトになってくると、多くの場合、一人で利用することが多いので、孤独になりがちである。それに対し、柔らかさや暖かさの演出をデザインすることができれば、大ヒットも生み出せるかもしれない。
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参考: UXピラミッド – UXデザインの正しい評価方法 –
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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