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スマートウォッチ向けアプリトレンド展望 〜btrax社内エンジニアが注目する4つのカテゴリ〜
Appleが2007年にiPhoneを発表して以来、モバイル革命が始まり、これまでの7年間で様々なアプリ・サービスが発表された。それに伴い今までには存在していなかった産業が構築され、大きなビジネスチャンスの中で数々のイノベーションが生み出されている。
その一方で、スマートフォンを通してユーザーに届ける事が可能なサービスは出尽くした感もあり、最近のサンフランシスコ周辺では、次世代のデバイスに対しての注目が高まっている。
具体的には、装着型のデバイス、いわゆるウェアラブルが今後普及する事を見据えたサービス開発が進められている。その中でも特にスマートウォッチの領域に多くの注目が集まっている。こ
れまでにサムソンやモトローラなどの大手メーカーがAndroid Watchをリリース。そしてAppleもApple Watchを2015年初頭に発売する事を決定した。
これにより、数年以内には必ずスマートウォッチの一般的な普及が期待されており、最近はスマートフォンに於けるiPhoneリリース時期に近い状況になりつつある。
その場合、当然ハードウェアと同様に、アプリの動向も興味深い。ユーザーに新しい利用体験を提供するスマートウォッチでは、今後どのようなアプリが生まれるか、非常に楽しみである。
日本未発売のmoto360を購入し検証
当社btraxではウェアラブルの未来に注目しており、サンフランシスコオフィスにて早速、Androidのスマートウォッチ「moto360」を入手し、UXの検証と自社アプリの企画・開発を開始した。
JapanNight向けアプリを開発し、ステージで発表
スマートウォッチが提供する次世代のユーザー体験、そして強みと弱みを検証し、アプリの制作を開始した。手始めに、先日開催された日本のスタートアップによるピッチコンテスト、第7回JapanNightのサンフランシスコ決勝にて、専用アプリを試験的に開発し、弊社CEOが披露450人の観衆の前で披露した。
壇上から”OK Google, Start JapanNight”と時計に呼びかける事で、アプリを起動。その後出場チームのリストを画面に表示。シンプルなアプリではあったが、スマホとは大きく異なる表現方法だと言う事もあり、オーディエンスからの反応は良い。
スマートウォッチ黎明期に流行ると思われる4つのアプリカテゴリー
今回は、Android開発歴2 年、iOS開発歴半年のbtrax社内エンジニアが、これまでに行った既存アプリ調査、Android Wearの技術検証結果、実際に日常生活でmoto360を使って得られた知見から、スマートウォッチ関連ポストの第一弾として、初期に流行すると思われるアプリを予想する。
1. 盤面着せ替えアプリ
スマートウォッチでは、盤面でアニメーションを表示したり、時間や電池残量、位置情報などに合わせて表示を変更するなど幅広い表現が可能になる。しかし、忘れてはならないのは、時計はファッションアクセサリーでもあると言う事。従来の時計は製品開発のコストが莫大であるため、盤面の新しいアイデアを具現化することが難しかった。しかし、スマートウォッチであれば、短時間に、極端に低いコストで異なるデザインアイデアを具現化できる。
スマートウォッチの大きな魅力の一つが、この盤面を簡単に着せ替えることができる事。その一方で、購入時にプリインストールされている盤面のデザインは、多くても数十程度であり、いたって普通の時計のデザインのものがほとんどだ。そのような理由もあり、盤面のデザインを変更出来るアプリが大きな人気を集めるであろう。
今のところ、Googleは公式にはAndroid Wearの盤面着せ替えを行うためのAPIを提供していないが、非公式な方法を用いることで開発を行うことができる。すでに盤面着せ替えアプリがGoogle Playに登場しており、高い人気を誇っている。
Googleは近いうちに公式APIの提供を発表しており、キャラクターものも含めて、今後はよりバラエティに富んだ様々な盤面着せ替えアプリが登場するだろう。
一方、iPhoneやiPadに搭載されているiOSではホーム画面を拡張するようなアプリの開発はできないが、Apple Watchではどこまで盤面のカスタマイズができるかが注目される。
おすすめアプリ: Speeds Watch Face ~盤面に速度が表示される、クールな盤面着せ替えアプリ~
2. ホームアプリ、節電アプリなどOSを補完するアプリ
初期のスマートフォン、特にAndroidでも顕著な問題であったように、スマートウォッチのOSの完成度にはまだまだ改善の余地がある。実際に moto360を使っていると、思うように操作ができず、ストレスが貯まる場面も少なくない。デバイスがスマートフォンと比べて明らかに小さいなかで、高い操作性を実現することは簡単なことではなく、一朝一夕では解決されない。
加えて、moto360を初めとするスマートウォッチは、最低でも毎日一回の充電をしなければならない。これはスマホでは一般的だが、時計として利用する場合の感覚としては、非常に不便に感じる。
そこで操作性やOSの機能をサポートするアプリが生まれることで、スマート ウォッチのエクスペリエンスがより良いものになってくるだろう。
初期のAndroidでも、電池の持ちをよくするための節電アプリや、動作を軽くするためにタスクキラーアプリが流行した。また、ホームアプリ(ラウンチャーアプリ)が世界中で高い人気を誇っている。ホームアプリとは、ホーム画面の背景変更だけではなくアニメーションなどの視覚的な効果を加えたり、アプリの管理や起動、WiFiなどの設定の変更などが簡単に行える機能を提供するアプリである。
スマートウォッチでも、OSの機能を補い、電源の利用率や操作性を向上させるアプリが多数登場することが予想される。
おすすめアプリ: Wear Mini Launcher ~アプリの起動や設定の変更が素早く行えるWear用ホームアプリ~
3. ヘルスケア、フィットネスアプリ
ウェアラブルデバイスでもある、スマートウォッチはその性質上、ヘルスケア、フィットネスアプリと非常に相性がよい。センサを用いて、歩数や移動速度、脈 拍数、消費カロリーなどを計測することができる。
また、GPSを搭載しており、地図にルートを表示したり、移動速度を表示したりすることができるため、ラ ンニングやサイクリングなどで力を発揮する。Fuelbandなどのリストバンド型のウェアラブルと比べても、高機能で豊かな表現が可能である。
Appleは「HealthKit」、Googleは「Google Fit」というように、複数のデバイス、複数のアプリのデータを収集するヘルスケアのプラットフォームを提供しており、今後この分野が大きく伸びていくことに違いない。
しかし、リストバンド型のウェアラブルと比べると重く、電池は頻繁に使うと1日もたないという致命的な欠点がある。もちろん、デバイスが小型化され、電池が長寿命化すれば普及の可能性は大きいが、デバイスの完成度が低い現段階ではあまり利用されないかもしれない。
4. ライトなツール、ゲームアプリ
iPhone、Androidのスマートフォンアプリの初期のように、電卓、懐中電灯などライトなツールアプリが続々と登場している。また、スマー トフォンで大流行した「Flapply Bird風のゲーム」や、パズルゲームの「2048」など、小さな画面でも遊べる単純なゲームなどが登場している。
スマートウォッチは画面 が小さく、構成もシンプルで比較的開発コストが低い。ストアにアプリが少ない初期の頃は、アプリエンジニアが休日に趣味で作った簡単なアプリでもインス トール数を伸ばせるだろう。ただ、スマートウォッチはスマートフォンと一緒に持ち歩いて使うため、単なる移植アプリではスマートフォンを使えばいいという ことになってしまう。そのようなアプリは、インストールして一度使われて終わるのがオチだ。
スマートウォッチは左手に装着して右手で操作するので、両手が塞がってしまうため、片手で操作できるスマートフォンよりも不便に感じることがたびたびある。音声認識の精度と反応も改善の余地がある。今後、スマートウォッチならではの機能や特徴を利用したアプリの登場が期待される。
おすすめアプリ:
btraxではスマートウォッチアプリを開発中、最新情報を随時お知らせ
最新のテクノロジーとユーザーエクスペリエンスを日々研究、開発しているbtrax社では、Google GlassやAndroid Watch等に搭載される、Android Wearのアプリを開発を開始。年内のリリースを予定している。その経験を元に得られた情報や、知見をこちらのブログに定期的にポストする予定。
今回はその第一弾として既存アプリの調査結果や開発の調査から得られた内容についてまとめた。今後もデバイスごとのUXに於ける長所、短所、それぞれの開発方法の特徴や、UIデザインのポイントなど、スマートウォッチについての情報を定期的に発信していく。また、クライアントとの共同開発プロジェクトへの参加企業も現在募集中。ご興味のある方は、tokyo@btrax.comまで。
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