デザイン会社 btrax > Freshtrax > 世界の路線図をイラストにしたク...
世界の路線図をイラストにしたクールなプロジェクト
グラフィックデザイナーにとって最も重要な仕事の一つが、複雑な情報をよりわかりやすく伝えるコミュニケーションデザインである。その点において、公共交通機関の路線図はかなり難易度が高い。
見た目の良さだけではなく情報の伝達スピードを上げるためのわかりやすさも求められる。そこには情報のレイアウト、タイポグラフィー、そして色の活用における高いスキルが求められる。
そんな世界の路線図に”とりつかれた”グラフィックデザイナーがいた。ワシントンD.C.在住のPeter Dovakである。彼は約3年の月日を費やし「Mini Metro Maps」というプロジェクトを通じ、世界の220の路線をシンプルな線で表現した。
このプロジェクトの内容があまりにも素晴らしいので、今回は本人の許可を得て、その画像と説明を是非紹介したい。
世界の路線図をミニマリスティックなイラストに変換
下記は220路線のほんの一部であるが、これだけ小さくしてもそれぞれの都市の路線ごとの個性が伝わってくる。

iPhoneアプリのアイコン用としてスタート
元々はiPhone向けのアプリを作る際のアイコンとしてデザインを開始したが、開発が得意ではなかったため、まずはデザインだけを進めていた。ふと見てみると小さなサイズでもそれぞれの違いが伝わってくる。
例えばワシントンD.C.のメトロ路線図は120×120の小さなサイズにしてもわかりやすかったので、他の都市の路線図も作ってみた。
線のサイズは全て3pxに統一し、他の線との間隔も3px. そして線の角度は90度、180度、そして45度に統一。当初はアメリカとカナダの都市だけを作ろうと考えていたが、他の国の路線図を見てみるとそれぞれの国の特徴が出ていて非常に面白いことがわかった。例えば上海や北京などの中国の都心部はここ数十年で急激に発達し、一気に路線が増えている。
それはまるで路線図の似顔絵
この路線図の”似顔絵は”オリジナルの路線図と並べるとその精度の高さがわかる。例えば東京:

それぞれの都市の特徴がわかる
そして非常に興味深いのが、ここまでシンプルにディフォルメしてみると、それぞれの都市の発達度合いと都市計画の特徴がクリアに伝わってくる点。

例えば、パリやモスクワといったヨーロッパの歴史のある都市では古代の城壁をイメージさせるように”円”をベースとした都市開発がされ、東京やソウルなどのアジアの大都会は縦横無尽に路線図が貼りめぐらされている。
その一方で、例え大都市であったとしてもロスアンゼルスやサンフランシスコといったアメリカの都市は元々自動車やバスが移動手段として利用されているので、電車の路線が極端に少ないなど。
今の時代だからこそ求められるコミュニケーションとしてのデザイン
最近はデザインの領域がどんどん広がり、ビジネス戦略や商品開発にも深く関わっている。その一方で、見る人に正確な情報を瞬時に伝える”コミュニケーションデザイン”もデザイナーの重要な役割である。
このように情報をわかりやすいシンプルな画像で表現するのを英語ではインフォグラフィックと呼ばれる。
デザイナーとしてのスキルアップを目指したい人は、このプロジェクトに見られるように、既存の情報を最小限までにシンプルにディフォルメする=インフォグラフィックの作成練習をしてみるのも良いのかもしれない。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
5月15日(金)デザイン×組織×AI – 日米の現場で何が起きているのか?|SF Design Talk 公開収録 開催!
本イベントは、btraxが運営するポッドキャスト「SF Design Talk」150回を記念した公開収録イベントです。日米のデザイン最前線を知る登壇者が集い、企業においてデザインが機能しない構造的な課題や、その背景について掘り下げます。
当日は、Brandon K. Hill(btrax)、佐宗 邦威氏(BIOTOPE)、太刀川 英輔氏(NOSIGNER)が登壇し、日本とアメリカにおけるデザインの役割の違いや、AI時代に求められるデザインのあり方について議論します。
公開収録ならではの臨場感とともに、「デザインを競争力に変える」ための視点を持ち帰っていただける内容となっています。
席数に限りがありますので、ご関心のある方はお早めにお申し込みください。
