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大企業のイノベーション創出のために重要な7つのこと
*この記事は2022年2月現在の情報をお伝えしています。
イノベーションとは非常に大きなトピックである。特にアメリカと日本では大きく話題を呼んでいるが、名前だけが1人歩きしており、意味のないバズワードになって来ているように感じられる。
今回は、イノベーションが実際にはどういうものなのかを明確にし、どうすればイノベーションを起こすことができるかをご紹介したい。
イノベーションはあなたの会社にどのような利益・価値をもたらすのだろうか?絶対に覚えておいていただきたいことは、「イノベーションによってもたらされる価値は企業によって異なる。」ということである。
大企業にとって、なぜイノベーションが大切なのだろうか?
上の図の87%という数字に注目していただききたい。
1955年から2014年までに創業された会社のうち、87%がもうすでにFortune500に載る企業ではなくなっている、既に存在しない会社さえある。言い換えると、Fortune500に選ばれていた企業の87%がなんらかの失敗をしたということである。
この傾向は近年、増加を続けており、企業が生まれてから倒産するまでのスピードがどんどん速くなってきている。テクノロジーの進化が全てを変化させているのだ。
テクノロジーは驚くべきスピードで進化しているため、企業も同じスピードで変化に対応しなければ未来はない。
これらはイノベーションを起こした企業の例である。左が企業名で、右が商品である。
携帯電話・スマートフォンで有名なNOKIAはラバーブーツ(レインブーツ)を開発し、パソコン機器で有名なIBMはコーヒー豆を挽くミルを販売している。化粧品会社であるAVONは本を出版し、ジュエリーブランドのティファニーは文房具のラインを展開している。
変わりゆく時代のなかで、わたしたちはつい忘れてしまいそうになるが、成功を収めている大企業は何度も大きな変革を行なっている。
イノベーションを通じた企業の生存戦略
では、そんな厳しい世界で企業はどうすれば生き残っていけるのだろうか?そしてあなたは自分の持っているキャリアや技術でどのように貢献できるのだろうか?
GEのCEOであるJack Welchは過去にこんなことを述べている。
If the rate of change on the outside exceeds the rate of change on the inside, the end is near.
どういうことかというと、市場が速く変化するのであれば、あなたの会社も速く変化しなければならない。そして市場がさらに急速に変化するのであれば、あなたの会社はそれよりもさらに急速に変わらなければならない。さもなくば、すぐに終わりを迎えてしまうだろう、ということである。
これはテクノロジー業界で顕著に現れている。テクノロジーの進歩でソフトウェアもハードウェアも扱うことが容易になってきたため、動きの速いスタートアップがどんどん立ち上がり、急速に市場を拡大しているのだ。動きが遅いとあっという間に彼らに追いつき追い越されてしまう。
イノベーションとは変革である
変革とはどういうものなのだろうか?ほとんどの人々、特にメディアはイノベーションを語る際に理解しやすいように商品やサービスを紹介している。例えば、iWatchやテスラなどである。しかし、イノベーションは唐突に起こるわけではない。
イノベーションは、3つの要素、Capabilities(可能性)、Concept (コンセプト)、Culture (企業文化)から生まれている。
イノベーションを生み出すためにはまず、会社のコアである企業文化から変革しなければならない。そこを変えることで、考え方が変わる。そして、新たなコンセプトが生まれ、新たな可能性が生まれ、最後に商品やサービスが生まれるのである。
ここに、我々が陥りやすい問題が潜んでいる。いきなり商品を開発しようとしても、イノベーションは生まれないのだ。すべてを変革し、そして最後にやっと、イノベーティブな商品やサービスが生まれるのである。
イノベーションの種類
これはイノベーションを分類するための、問題の定義と分野の定義を視覚化するイノベーションマトリクスである。
これに当てはめることで新しい分野を発見することができる。例えば、マイクロチップ業界はコンピュータが開発されたことにより生まれた分野である。メタバースなども最近生まれた新領域だろう。
- Basic Research(問題の洗い出し)
これは問題や分野が定義されていない段階で必要なリサーチであり、特に大学などの研究機関で行われている。 - Disruptive Innovation (破壊型イノベーション)
これは問題は発見されていないが、分野が発見されている段階のイノベーションであり、スタートアップやベンチャー企業で起こったイノベーションである。 - Breakthrough Innovation (ブレイクスルーイノベーション)
これは問題は発見されているが、分野が発見されていない段階のイノベーションであるり、大企業のイノベーションラボやオープンイノベーションで起こっているイノベーションである。 - Sustaining Innovation (持続的イノベーション)
これは基本的にR&Dと言われており、長期間に渡り、継続して商品の改良を行うイノベーションである
イノベーションは戦略ではなく、探求である
イノベーションを起こすためには会社の市場調査、顧客の声、社員のアイディアからインスピレーションを受けて、問題定義や新しい分野を探求する必要がある。
戦略を策定することは、目的を達成する助けになるのは間違いない。しかし、イノベーションは未来に起こるものであり、目的自体を探求する必要がある。スタート地点を明確にすることはできるが、ゴールはないのだ。
また、イノベーションはひとつではない。光に例えると、ずっと赤ではなく、ずっと青でもない。イノベーションは様々な角度から捉えることができるものなのだ。そのため、多くのイノベーションを起こすには、様々な視点を取り入れることが非常に重要になる。
サンフランシスコやシリコンバレーでは様々なスタートアップ企業がコラボレーションすることにより、新たなイノベーションが続々と誕生しているのである。
「イノベーション体質」になるための7つの方法
イノベーションを起こすには、前例がないことに取り組まなければならない。変化や逸脱を恐れない、いわば「イノベーション体質」になるために実践できる7つの方法を最後にご紹介したい。
1. 視野を広く持とう
イノベーションを起こすためにまず、自分の視野を広げることを念頭に置いていただきたい。自分の業界や、慣れ親しんだことから一旦離れてみよう。
新しいアイディアは狭い視野からは生まれない。外に出て、違う分野の人の話を聞いたり、新たな知識に触れることで、思わぬ化学反応を起こしたアイディアが思いつくかもしれない。
2. 興味のあることをとことん追求してみよう
仕事から一旦離れ、別に興味を持てることに没頭するのも一つの方法である。例えばGoogleは、新たな価値を想像するための20%ルールを設けている。
また、アイディアがあるならば、それを実現させるためにイノベーションプログラムやアクセレレータプログラムに参加してみるのも良い。イノベーションやアイディエーションのプロがアイディアの実現に向けて必要な知識と技術をサポートしてくれるだろう。
3. 失敗から学ぼう
偉業を成し遂げた人々の失敗から学ぶのもいいだろう。失敗は成功のもとである。成功すれば自信になるが、失敗も大きな学びを連れてきてくれる。
イノベーションの街、サンフランシスコには失敗から学ぶ文化が根付いている。ゆえに、ユーザーや企業も「失敗から学ぶこと」に価値を感じ、サポートするのだ。
失敗することは悪いことではなく、学びを得られる貴重な機会である。この思いに切り替えるだけでもフットワークが少し軽くなるはずだ。
偉業を成し遂げた人々の失敗から学ぶのもいいだろう。失敗は成功のもとである。
5. リスクをとり、それを反復しよう
イノベーションは筋肉と同じである。もしマラソンを完走しようと思ったら、ゼロからのスタートはできない。トレーニングを繰り返して、必要な筋力や持久力を付けなければいけない。
5. 大胆なゴールを設定しよう
現在、大きく成長しているスタートアップにはシンプルなゴールがあった。例えば、AppleがiPodを開発したときのゴールは「1000の曲をポケットにいれて持ち歩こう」であった。とてもシンプルであるが、とても野心的な考え方なのではないだろうか?
6. 新しいことをはじめよう
同じ仕事をずっとしているだけでは、イノベーションは生まれない。デザイナーであれば、プログラミングを覚えよう。エンジニアであれば、デザインに挑戦してみよう。マーケターであれば、ビジネスを勉強しよう。
ハーバード大学の学生は休憩時間に違う分野の勉強・研究を行なっているそうだ。新しい分野を学ぶことによって、新しい見解が生まれるだろう。
7. 新しい市場を開拓するモチベーションを持とう
成功を収めているスタートアップは利益を得ることが最大の目的だったわけではない。
彼らは情熱で動いている。会社のスペースを借りて、同じ情熱をもつ仲間とアイディアを持ち寄ってディスカッションしてみるのはどうだろうか?もっといいアイディアが生まれるかもしれない。
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