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主要メディアが伝えないCES 2024の裏側 〜 本当のイベントは夜の秘密部屋で 〜
今年もCESに参加してきた。
そう、毎年恒例ラスベガスで開催される世界最大規模のテクノロジーイベントである。
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今年は日本からも多くのメディア関係者さん達が来ており、すでに各種チャンネルにて複数の取材レポート記事や動画が配信されている。
ということで、我々としては一般来場者が知らない、そして普段メディアがあまり伝えない「CESの裏側」をレポートしてみようと思う。
多くの発表はMedia Day (1/7-8) にて
CESといえば、コンベンションセンターを中心とした、膨大なエリアでの展示が有名だ。でも実は本当にインパクトのあるセッションと展示は、一般公開日の前日と前々日に行われている。
そこでは、CES運営団体のCTAによる見所や、主要企業によるメディアセッション、そして特に興味深いプロダクトが展示される「Unveiled」が開催される。
Unveiledは実は誰でも展示可能
これまで何度もCESに参加しているのに、一つ大きな勘違いをしていることに最近気づいた。
というのも、この “Unveiled” と呼ばれるセッションでは、CTAによって選ばれた “Innovation Awards” 受賞プロダクトが多く展示されているため、てっきり選ばれた人達だけしか展示できないのかと思ってた。
しかし、先日サンフランシスコで開催されたCES 2024報告会で、これまで13回の展示経験を誇るShiftfallの岩佐氏によって新たな真実が明かされた。
なんとUnveiledは、お金さえ払えば誰でも展示できるとのこと。それも展示費用はそこまで高額ではないため、かなりコスパが良い。
Unveiledのセッション自体は3時間程度であるが、比較的小さな会場で多くのメディア関係者と接することができるのが魅力とのこと。
展示場所はポイントシステムで決まる
さて、これも岩佐氏から聞いた内容。
毎年世界から来た数多くの企業がより良い展示場所を狙って凌ぎを削っているCESだが、その場所はどのように決められるのか?いつも気になっていた。
そこにはどうやら「ポイントシステム」的なものがあるらしく、ブース展示する度にポイントが加算され、それが増えるとより有利なロケーションに展示させてくれるとのこと。
ということは、以前より展示している企業が有利になる。ちなみに第一回から展示しているのは我らがPanasonicである。
ただ、最近は韓国企業がかなりの予算を割いて参加しているため、何かしらの “ブースト” がかかってるっぽい。
会場を歩いていると日本語がめっちゃ聞こえてくる
これは毎回思うのだが、会場やその付近を歩いていると、かなりの確率で日本語が聞こえてくる。
おそらくメディア関係者だったり、展示している企業の方々だったり、見学に来ている人たちだと思う。他の国の人たちと比べても結構多いイメージ。
日本企業の展示量はそこまでではないはずなので、やはり取材やリサーチに来ている人が多い。
やっぱり皆んなインプットが好きなんだなー。って感じる。ちなみに、日本人の来場者は日本企業のブースを中心に周りがち。
日本企業はすごい。でも韓国企業はもっとすごい。
第一回からの参加企業がPanasonicだったり、メイン会場のプロダクトが家電系だったり、注目のWest会場がモビリティー展示中心だったりと、このイベントは何かと日本企業が得意なプロダクトカテゴリーが多い。
それもあって、毎年多くの日本企業が展示参加し、注目を集めている。
しかしながら、ここ5年くらいは韓国企業の勢いがすごい。Sumsong, LG, Hyndai, KIAといった大企業をはじめ、スタートアップ企業の参加数も韓国勢が最も多い。
中国追い出されたの?
韓国企業と対照的なのが中国企業。
一時期 (2018年くらい) までは、膨大な量の企業が深圳から展示に来ていたり、キーノートがファーウェイだったりなど、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
しかし、それが理由なのかはわからないが、2019年の一件以来、急激になりを潜め、中国企業だらけだったLVCC Southは去年に続き、今年も利用されていなかった。
CTAが公式発表をしているわけでないが、何かしらの力学が働いていそうな気がする。
アメリカの大物が居ない… と思ったら!
最近のCESのもう一つの特徴は、意外とアメリカ企業の参加が少ないということ。
よく考えたら確かに展示やキーノートを行っている企業はアジアやヨーロッパから来ている事が多く、”地元” のアメリカ企業は多くない。
そして、実はテクノロジー業界の大物スピーカーもあまり参加していない。
例えば、去年のキーノートはジョンディアのCEO。今年はウォールマートのCEOで、いわゆるビッグテック企業ですらない。
と思っていたら!ウォールマートのCEOが「ここでうちのパートナー企業のCEOを呼んで良いかな?Microsoftのサティアです!」とサプライズゲストとして、サティア・ナデラを登場させたのには驚いた。スピーカーリストにも掲載されてなかったので、特に。
現場のワクワク感による感覚補正に要注意
これもCESの意外な落とし穴なのだが、会場の雰囲気がかなりワクワクするので、そこに展示されている内容も何割増かの感じでよく見える。
特にハードウェアガジェット系は、普段の生活で使わなさそうなものでもキラキラして見えて、ついつい欲しくなってしまう。
修学旅行に行って木刀を買ってしまうあの感じ。
去年以前のプレゼンが無かったことにも (パラレルワールド?)
これもCESの特徴の一つなのだが、ド派手に展示し、大きな注目を集め、なおかつイノベーションアワードも獲得したようなプロダクトがその後、音沙汰なくなることがある。
イベント中はかなりの将来性を感じさせるようなプロダクトでも、翌年は全く無かったことになってることも多々あり、夢だったのかな?と感じることもある。
その代表が中国のEVメーカーのByton。自らをTeslaキラーと呼び、2018年からド派手に展示とセッションを行い、その後3年間連続で参加。2020年のセッションでは米国での販売目処がついた、とまで説明していた。
それが現在は会社が倒産。期待されたプロダクトも泡のように消えてしまった。
本当のネットワーキングは夜に秘密部屋で行われる
最後にCESに参加する一番のメリットであるネットワーキングについて。
世界中から10万人以上の人たちが同じエリアに集まる事もあり、普段会えないような人にも会えるチャンスがある。でもどこで?
その答えは「あまり知られてない秘密の部屋」で。
そう、CESは日中のセッションや展示の後に、夜の時間様々なパーティーが行われている。その中でも、メディア向けや招待制のシークレットパーティーもあり、限られた人しか参加できない。
大体そのようなパーティーは、外からはなかなか分からない ”ヴィラ” と呼ばれるホテルの隠れ部屋で行われることが多い。ヴィラにはいくつかの部屋とプールのある中庭があり、食べ物や飲み物が振る舞われる。
通常はパーティーを開催する企業がヴィラを貸し切り、例えば、VR関係者や、企業のエクゼクティブなど、希望する業界や役職の人たちだけど限定で招待する。
もしこのプライベートパーティーに招待されることができれば、そこに集まる人たちと一気にネットワークが広がる。
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