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デザインブリーフの役割とその作成方法
デザイン関連のプロジェクトにて、デザイン作業自体よりも、クライアントやスタッフとのコミュニケーションが最も時間と労力が割かれてしまうケースは珍しく無い。
最初のミーティングにてデザインの方向性やスケジュール、必要な素材等に関しての話しを詰めたのに、プロジェクトを進めていくうちになぜか方向性がブレ始め,一度承認を得たはずのデザインが根本からひっくり返る。そんな経験をしたデザイナーも少なくは無いのではないだろうか。
事前のゴール設定がデザインの良し悪しを左右する
最終的に求められる最終的な目的や、結果、届けたい価値や差別化要因等、一見デザインには直接的にはあまり関係ないと思われるファクターが、実はデザインプロジェクトにとっては非常に重要なのである。
実際のデザイン作業を開始する前に、誰に対して、どのような手法で、どのようなメッセージを届け、ビジネス的にどのような事を結果を達成したいのか等をしっかりと選定しておく必要がある。
それらをまとめたドキュメントを、クリエイティブブリーフやデザインブリーフと呼ぶ。プロジェクト初期のミーティングにおいて参加メンバーやクライアントと話しを詰め、方向性を定める事で、その後のクリエイティブにおけるズレを極力避けるのが目的。
また、一度承認された内容に不満が出たときでも、この書面に立ち返り当初の目的を再確認する事で、手戻りを防ぐ事も可能になる。
デザインブリーフとは?
お互いの期待値の設定、ターゲットの選定、目的の明確化、最終的なゴール等の、デザイン作業をする上で欠かせない情報を端的にまとめたドキュメントである。
このドキュメントがあれば、ついつい色や形などデザイン自体の細部に注目が集まりがちな時でも、“プロジェクトのゴールはデザインする事ではなく、デザインを通じて目的を果たす事である” という事を再確認する事が可能になる。様々なファクターが複雑に絡み合う事があっても、これがあれば常に初心に戻る事が出来る。
成功するプロジェクトは優れたクリエイティブ ブリーフの存在が不可欠であり、デザイナーやチーム、クライアントにとってプロジェクトを成功に導く為に最も重要な書類の一つである。
優れたデザインが生み出されるかどうかは準備段階でほぼ決まる
デザインブリーフの作成方法
それぞれのプロジェクト内容によって多少のコンテンツに違いは出るものの、恐らく下記のポイントを押さえておけば、必要とされる内容の90%はカバーされているはずである。
残りの10%を個々のプロジェクト特性に応じて追加すれば良い。初期のヒアリングの際に、それぞれの項目に於いてどれだけ詳細な情報を集められられるかが、その後のデザインクオリティーに直接影響される。
1. プロジェクトの詳細
プロジェクトメンバーや連絡先、開始時等の詳細が記述されます。
2. クライアントのビジネス概要
クライアントの提供しているビジネスに関する概要や、会社の歴史等を記述します。
3. プロジェクト予算
このセクションではプロジェクトに対して提供される予算及び時間を記述します。
4. プロジェクトスケジュール / 締め切り
このセクションではプロジェクトのスケジュールと最終締め切りを記述します。
5. プロジェクトコンセプト
このプロジェクトのコアユーザーバリューを2文程度で簡潔に記述します。
もしプロジェクトのバリューがビジネス的なものであれば、それも記述します。
6. ビジネスターゲット
このセクションにはビジネスと製品の目的あるいはゴールを記述します。
(例:メンバーの増加、コンテンツのプロモーション、購買の増加)
7. 対象者 / オーディエンス
このセクションには、このプロジェクト/製品の(メインと二次的な)対象者を記述します。対象者について現状わかっている情報はすべて記載します(ユーザー属性、他)。
8. 仮定と調査
このセクションには、プロジェクト/製品の要素あるいは特長を記載します。
これはすべてのデータ、ユーザビリティ分析そして調査はもちろん、業務命令まで、プロジェクトのデザインに役立つすべてのものに存在します。調査計画もすべて記載します。
9. 競合状況
このセクションには、競合製品の例、競合他社が何をやっているか、そしてチームがそこから学ぶために何ができるかを記述します。
10. 参考ベンチマーク
このセクションには、参考や目標となる他社の事例をリストします。
11. 必要なマテリアル (テキストや画像など)
このセクションには、クライアントやそれぞれのメンバーからの提出が必要な素材について記述します。
12. ユーザーバリュープロポジション/ベネフィット
このセクションには、ユーザーベネフィット、プロジェクトの価値を記述します。
13. ユーザーインターフェイス検討事項
このセクションにはプロジェクトのUI検討事項を記述します。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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