ブランディングと文化：成功するコンビネーションとは？

海外に進出しようとしている企業が、グローバリゼーションにおいて留意しなければいけない事の一つが標準化とカスタマイズ化のバランスだ。近年、グローバル化する社会においてブランディングはその商品のロゴを認識するためだけ以上のものを意味している。

ブランドは商品取引だけに使われるのではなく、様々な面で人々の生活に浸透している。例えばブランドは人々が性格、態度、好み、色々なグループとのかかわり合いなどを表現するための手段として用いられる。つまり、ブランドによって人々が自分自身を表現する事ができたら、ブランドは成功するという事だ。

地方の需要にも対応しつつ、しっかりとアイデンティティーと個性をもって、グローバルブランドであり続けることは至難の業である。しかしながら、次のようなガイドラインをたどれば、ローカルの機微をしっかりと汲み取り、顧客を引きつけられるブランドへと進化する事ができるだろう。

1. ローカル市場を理解する

もし表面的なパラメーターに基づいた市場を作れなかった場合、企業は多いに手こずるだろう。それぞれの市場は独自の機微、個性的な特徴、顧客の好みがある。その多くのユニークな特徴は社会の文化的な支えによって深く感化されている。これらの根本的なパラメーターを理解する事によって企業は効率的に集客することができる。

2. 市場をより細分化する

市場は無数のセグメントからなっている。市場の中でベーシックに執行されることにより、セグメンテーションは企業と資源ルートを効果的に結びつける一つの基本的なツールになるのだ。経済とグローバル市場が交わる事によって、多様性は広がるに違いない。これにより企業は既存の顧客を増やすだけではなく、市場をさらに細分化する機会が増え、マーケットに影響を与えることとなる。

3. 戦略的なブランド要素を練る

多くのマーケットでは、顧客が適期、適所に達するかしないかで成功か失敗の明暗を分ける。中国とインド市場においてはルートを管理することが成功への鍵となる。Wal-Martなどの大きなスーパーマーケットに慣れている多くのグローバルブランドは同じ要領で海外市場へと発展させてしまう。

多くのアジア市場の中では組織化されていない小売業者が未だに多くを占めている。そのような中では、企業が切迫し、強いルートを作り、その企業のモデルをローカル市場に適応させないと成功する事はできないだろう。

4. 顧客ピラミッドの最下層を知る

いくら経済を発展させ、権力を得たとしても、市場の出現と未だに成長し続ける国々はセグメントのピラミッドのかなり最下層に特徴づけられる。このセグメントは主に、だんだんとメインストリームに統合しようとしている顧客によって構成されている。彼らは資源はあまりないが、向上心と野心が高いことが特徴だ。

このセグメントはまた長期的で、とても有利なセグメントを約束してくれるのだ。しかしながら多くのこのセグメントは高い値段を払う準備ができていないのだ。このセグメントにいる顧客は手頃な値段で買う事ができ、且つ、かなり質の良い商品を求めている。つまり、グローバルブランドの成功はローカル市場の状況に合わせ、ローカルの要望に答える事ができるかどうかにかかっているということだ。

5. ローカル市場に適応する

アジア経済は非常に活発的で利益をもたらし国際貿易は増えており技術と精通したアウトソーシングは何百万もの仕事を生み、手取り所得は上がり、政府は率先して多くのそのような国々と国際経済を結びつけている。このような要因により、西欧にしか目を向けない顧客はいなくなるだろう。

これらの顧客は多くのローカルブランドにさらに自信を持ち、満足していく。そしてまた、グローバルアイデンティティーとローカルの機微に適応できる両者のバランスを保つようなグローバルブランドを確立させるだろう。

結論

文化的に繊細になることはグローバリゼーションにも繋がる。グローバルブランドは、ほとんど断固として、出くわす全ての市場に彼らの成功する筋道を続けていく。結果的にこのような構造がブランドをさらに強くするのだ。しかしながら、優位な立場に居続け、標準的な手順を拒むブランドは多様な市場の中で、顧客と顧客が購入するものを動かす、潜在的な力を無視しがちである。

市場が統合され、顧客が移動するにつれ、市場の中ではよくある類似した力が現れる可能性が出てくる。しかしながらグローバリゼーションが猛進していくにも関わらず、市場は唯一無二の存在であり続けようとする。いつかその壁が無くなる時にグローバルブランドは成功する為に必ず、ローカルの文化をたたえ、そのような状況にブランドを適応し続けなければいけない。

意外と知らないマーケティングとブランディングの違い

Martin Roll – Guest Contributor Martin Rollは世界的なオピニオンリーダーと同時にビジネスに関するアドバイザーをつとめる。国際的なクライアントを手助け、彼らの財政的価値を高め、競争相手にも打ち勝てるようにアシストする。同時に、スピーカー、プレゼンテーター、司会者、経済コラムニストとしても有名である。また国際ビジネススクールでも教えており、INSEADのMBAをもつ。代表作としてベストセラーになったAsian Brand Strategy、そして現在は4冊のニューグローバルマネジメントを執筆中。 @martinroll.

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Photo by: idirectori

原文: Branding and Culture: The Winning Combination 

翻訳/編集: Ayano Nakaine, Hinako Sato