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米国でのインフルエンサー施策、日本の感覚のままで進めていませんか?
「フォロワー数の多いインフルエンサーに頼んだのに、思ったほど売上につながらなかった」。米国進出を進める日系ブランドの担当者様から、こうした声をよく聞きます。
実は、フォロワー数で人を選ぶ、オリエンシートで細かく指示を出す。日本では当たり前のこうした運用が、米国ではそのまま通用しないことがあります。SNSをきっかけに商品を知り、そのまま購入する行動自体はもはや米国でも一般的になっていますが、”誰に” “どう頼むか”の勝ちパターンは、日本とは違うのです。
本記事では、米国でインフルエンサー施策を検討・実施する日系ブランドの担当者様に向けて、押さえておきたい基本と、見落とされがちな注意点を整理します。
なぜ、米国でインフルエンサー施策が必要なのか
米国のインフルエンサーマーケティング市場は、年間4兆円規模に迫るとされています。SNSを起点に商品を知り、そのまま購入する行動が一般化する中、この規模はもはや「やってみるか」で始められるものではなくなっています。
背景にあるのは、企業からの公式発信よりも、信頼できる個人の声を重視する消費者心理です。広告であることが明確なコンテンツよりも、インフルエンサー自身の言葉で語られる商品紹介の方が、購買検討層に届きやすい傾向があります。
施策の目的は、大きく4つに分けられる
インフルエンサーを起用することで達成できる目的は、大きく4つに整理できます。
- 売上や問い合わせの数を増やす: 商品の購入や店舗の来店、イベントの来場予約など、具体的な行動を促すことを目的とします。クーポンコードやWEBサイトへの誘導とセットで設計されることが多い施策です。
- ブランドや商品を知ってもらう: ブランドの名前や新商品を、ターゲット層に広く認知してもらうことを目的とします。単に広く届けるだけでなく、狙った層に届いているかが重要です。
- 商品への興味や理解を深める: 商品の使い方や特徴を、インフルエンサー自身の言葉でわかりやすく伝え、理解を深めることを目的とします。使い方が複雑な商品や機能性食品などと相性が良い施策です。
- 広告やWEBサイトで使用するコンテンツを作る: インフルエンサーに撮影してもらった写真や動画を、広告やECサイトで再利用することを目的とします。この場合は二次利用の期間や方法について、事前の契約が必要です。
これらは併存してもかまいませんが、優先順位をつけずに進めると、インフルエンサーへの依頼内容も曖昧になり、完成したコンテンツが何を伝えたいのか分かりにくくなってしまいます。おすすめは、「達成したい目的」「サブ目的」「副次的に得たい効果」という3階層で優先順位を決めておくことです。
目的別に見るべきKPI
目的が定まったら、次はその目的に応じたKPIを設定します。
- 売上・問い合わせ目的: 購入数、売上金額、問い合わせ数、CV率、クーポンコード利用数、獲得単価など
- 認知拡大目的: リーチ数、表示回数、シェア率、ブランド名検索数、SNS経由のサイト流入数など
- 理解促進目的: 保存数、コメント数、商品ページの閲覧数、SNS経由のサイト滞在時間など
- コンテンツ制作目的: 完成した動画・写真の本数、それらを使った広告の成果、制作1本あたりの費用対効果など
すべての数値を追う必要はありません。目的にあわせて、評価期間(投稿から30日間など)、比較対象(インフルエンサーを起用していない時期との比較など)、測定方法(専用UTM、クーポンコードなど)もあわせて決めておくと、施策後の振り返りがしやすくなります。

やりがちな5つの失敗
現場でよく見られる失敗を、5つにまとめました。
失敗1: フォロワー数だけでインフルエンサーを選ぶ
日本では、フォロワー数でインフルエンサーを選ぶことがまだまだ多く、フォロワー数で支払うギャラがおおよそ検討がつきやすかったりもします。フォロワーの人数も大切な指標ではありますが、それだけで判断するのは危険です。
特に米国は英語圏という特性上、米国外のユーザーに広くリーチしているアカウントも少なくありません。中にはフォロワーを「買っている」インフルエンサーも。普段のView数やエンゲージメント率、コンテンツやコメントの傾向まで確認することをおすすめします。そうすると、数万フォロワーしかいないインフルエンサーでもしっかり効果のあるキャンペーンができるはずです。
失敗2: CV設計をしないまま依頼する
認知が目的であれば、View数やエンゲージメント率、シェア数などを指標とすれば良いですが、CVをきっちり追う段階に入っている場合、このCV設計をどうするかで効果測定の良し悪しが決まります。
インフルエンサー専用のURLやクーポンコードを用意していない場合、売上や問い合わせが増えても、そのうちどの程度がインフルエンサー施策によるものなのかを判断できません。どう計測するかを事前に決めておきましょう。
失敗3: インフルエンサーへの指示を細かく縛りすぎる
伝えたい内容や避けたい表現を事前に共有することはもちろん大切です。日本ではよく「オリエンシート」というものが存在し、そこにマストで訴求すること、NG事項、推奨表現などを事細かに指示を出すこともあります。
ただ、インフルエンサー自身の言葉づかいや世界観まで縛ってしまうと、逆効果になることがあります。関係性がぎくしゃくするだけでなく、フォロワーに「らしくない」投稿だと見抜かれ、タイアップならではの説得力が薄れてしまうこともあります。
失敗4: #PR表記を軽視する
米国ではFTC(連邦取引委員会)が開示ルールを定めています。2023年の大幅改定以降、2025〜2026年にかけて摘発が強化されているとされ、違反1件あたり最大5万ドルを超える制裁金のリスクも報告されています。#collab、#ambassador、#giftedといった曖昧なタグだけでは開示として不十分とされる場合もあり、「Gifted by [Brand]」のように、誰が読んでも広告だとわかる明確な表現が求められます。
これはインフルエンサーが知らない場合もあるため、ブランド側が事前に知らせておくことが重要となります。
失敗5: 投稿形式(タイアップ/コラボ)を使い分けない
Instagramには「タイアップ投稿」と「コラボレーション投稿」という2つの手法があります。タイアップ投稿は「◯◯とのタイアップ」と自動表示されるため原則#PRは不要とされる一方、コラボ投稿は報酬が発生する場合に必ず#PR表記が必要です。「まずは認知拡大」ならコラボ投稿、「販売促進・信頼獲得」ならタイアップ投稿、というように、目的に応じて使い分けることが重要です。
日本と米国、ルールは同じではない
日本では景品表示法をベースにしたステルスマーケティング規制が存在しますが、米国ではFTCによる独自の開示ルールがあります。たとえば米国では「#sponsored」や「Paid partnership」などの表示が推奨されており、法律に違反すると制裁を受けることもあります。日米両方に拠点を持つ企業、あるいはこれから米国に進出する企業は、投稿先の法制度を踏まえた対応が求められます。
まとめ
インフルエンサー施策の成功は、フォロワー数やいいね数だけで一律に判断できるものではありません。
- まず、何を達成したいのか目的を整理する
- 目的に応じたKPIと評価期間、測定方法を事前に決める
- よくある失敗(フォロワー数依存、CV未設計、指示の縛りすぎ、PR表記の軽視、投稿形式の使い分け不足)を避ける
- 米国特有の開示ルールを理解し、日本の感覚をそのまま持ち込まない
この4点を押さえるだけでも、施策の精度は大きく変わってきます。
btraxでは、日系ブランドの米国進出における目的整理からインフルエンサー選定、コンテンツ制作、効果測定、そしてコンプライアンス対応までを一気通貫でサポートしています。米国でのインフルエンサー施策を始めたいものの何から決めればよいか分からない方、実施中の施策を改善したい方は、お気軽にご相談ください。
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