デザイン会社 btrax > Freshtrax > CES 2025 ガイド 世...
CES 2025 ガイド 世界最大のテックカンファレンスの基本情報と注目したい10のテクノロジートレンド
2025年もテクノロジーの最前線を知る絶好の機会として、世界中のテクノロジー企業が一堂に会する「CES(Consumer Electronics Show)」がラスベガスで開催される。
毎年、次々と発表される革新的な製品やサービスが注目を集め、未来のテクノロジーを垣間見ることができる。CES 2025では、どんな画期的な技術や製品が登場するのだろうか。
CES 2024の様子
CESの歩き方と2025年のテクノロジー予測
本記事では、CES 2025で期待されるトップ10の技術とトレンドを紹介し、どのようなイノベーションが私たちの生活を変えるのかを予測する。
要注意!会場がデカすぎる!
現場での発表や展示エリアが東京ドーム4個分と膨大すぎて何から見て良いかわからくなりがち。
CES 2025の基本情報
開催時期: 2025年1月7-10日 (Media Dayは5, 6日)
開催場所: ラスベガスコンベンションセンター、Venetian Expo. Venetian, Aria, Mandaley Bay等
出店社数: 3,500以上 (見込)
来場者数: 13万人以上 (見込)
公式サイト: https://www.ces.tech/
イベント・展示エリア
CESでは、LVCCだけではなく、ストリップと呼ばれるラスベガスの中心エリアに複数のイベント・展示エリアを設置する。それらは大きく分けて3のエリアに分布し、それぞれのエリアの複数の建物の中で開催される。
時間節約のコツ3選
これだけ膨大なエリアを回らなければならないので、時間がいくらあっても足りない。なので本題に入る前に時間を節約するためのコツ3つほど紹介する。
1. スケジュール管理は公式アプリで
まずはどこに行ってどの展示やセッションを見るかを事前に決めておくのが良い。というのも、現地に到着してからだとあまりにもバタバタしすぎてて、それどころでは無いから。
ここで問題になるのが、同じ時間に複数のセッション・展示が同時に行われていおり、それも前後の予定の場所とかなり離れている可能性もあるということ。
一つずつのセッションをWebで確認して、カレンダーに入れていくのは気が遠くなるレベルの作業になる。
ここで便利なのが、公式アプリ CES App。こちらをダウンロードしてログインすれば、日時に合わせたスケジュールが表示され、”Add to Agenda” をタップしておくだけで、 事前に、そして自動的にスケジュールが生成される。
2. 入場バッジのピックアップは空港で
イベント会場に到着してまず最初の難関は入場バッジの引き換えプロセスだろう。事前にメールやアプリ経由で受け取ったQRコードを紙の入場バッジに変えるのだが、かなりの列になっていることが多い。
そこで便利になるのが、空港に設置された引換所だ。
飛行機を降りて荷物を受け取るエリアの駐車用に近い側、エスカレーター横に設置されており、フライトごとに到着時間が異なるので、大きな混雑になることが少ない。
また、開催日の前日や、結構夜遅くまで開いているので、かなり便利で時間の短縮につながる。
3. LVCCの建物間移動は無料のTeslaタクシー (Vegas LOOP) で
イベントの会場が複数の建物に点在しているため、建物間の移動だけでもかなりの時間を要する。また、タクシーやUberなどのライドシェアを捕まえようとも、なかなか時間がかかってしまう。
加えて、交通渋滞も予想されるので、予定していたセッションに間に合わないケースが多発する。
それを解決してくれるのが、通称 Teslaタクシーと呼ばれるVegas LOOPだ。これは3つあるLVCC間をトンネルを通じてつないだルートをスムーズに移動してくれる便利な乗り物。それも完全無料!事前予約も要らないし、待ち時間もほぼ無い、かなり画期的な移動手段である。
では、CESの基本をカバーしたところで、本題の見どころをいくつか紹介する。
CES 2025で注目したいテクノロジートレンド
CESで、テクノロジーのさまざまな分野を議論する幅広いセッション複数ある。 ざっと考えても、デジタルヘルス、AI、サステナビリティ、ゲーム、自動車テクノロジー、サイバーセキュリティ、フィンテック、さらには宇宙テクノロジーなどが含まれる。
そんな中でも、今回特に注目したいセッションはこちら。
CES 2025の注目セッションの一部をご紹介:
- AI搭載デバイスとソフトウェア
- 革新的な複合現実(MR)体験
- ウェアラブル技術の突破口
- 携帯型ゲーム機
- スマートホームの革新
- ヘルステクノロジーの進展
- 持続可能な技術とグリーンソリューション
- 次世代電気自動車(EV)
- 量子コンピュータの進展
- ロボティクスと自律システム
1. AI搭載デバイスとソフトウェア
人工知能(AI)は消費者向け電子機器にますます統合されており、CES 2025では個人アシスタントからゲーム用ハードウェアに至るまで、さまざまな分野でAIの可能性が示されるだろう。
注目すべきポイントは、効率性を高め、ユーザー体験を向上させるために特別に設計されたチップを搭載したAI搭載ノートパソコンである。
例えば、AIは使用パターンに基づいてバッテリー寿命を最適化したり、写真やビデオ編集をAI支援で改善することが考えられる。
具体例:
- 起死回生を狙うIntelの「プロジェクトアテナ」は、バッテリー管理をAIで強化し、システムの反応性を改善することで、ユーザーの使用状況に基づいた電力管理を予測する
- Microsoftの「Surface」シリーズは、AIを活用してタッチ操作を予測し、パフォーマンスを向上させるデバイスを登場させる
- AIを搭載したスマートフォンのカメラは、ユーザーの好みに合わせて自動で色合いや明るさを調整し、より鮮明な写真を撮影できるように進化している
2. 革新的な複合現実(MR)体験
複合現実(MR)はCES 2025で大きな進展が期待されており、Microsoft、SONY、Metaなどの企業がリーダーとして登場する
次世代のヘッドセットが発表され、より快適で軽量なデザイン、解像度の向上、視野角の拡大、さらにAI技術を駆使したインタラクションが可能になる
また、ビジネスでのリモートコラボレーションやエンターテイメントで新しいMRアプリケーションが登場する
具体例:
- Metaは、ARアプリとの統合が強化されたQuest Proの後継機を発表し、エンターテイメントやビジネス向けの新しいプラットフォームを提供する
- Microsoftは、HoloLensの新しいバージョンを発表し、製造業や医療業界向けにMR技術を活用したソリューションを提供する
- SONYは、PSVR 2の後継機を発表し、VRゲームの体験を一層リアルに進化させる
3. ウェアラブル技術の突破口
CES 2025では、ウェアラブル技術の進化が大きな注目を集めるだろう。
新しいセンサーを搭載したフィットネストラッカーや、心臓問題やストレスレベルを予測して管理するAI搭載のスマートウォッチが登場するかもしれない。
ウェアラブルデバイスは、健康監視やフィットネストレーニング、ゲーム体験の領域にも広がりを見せ、さらに高度な機能を提供する可能性がある。
具体例:
- Garminは、血中酸素レベルや呼吸数、ストレス指数をリアルタイムで監視し、フィットネスや健康状態を最適化するためのアドバイスを提供するウェアラブルデバイスを発表する
- Ouraは、睡眠の質を深く分析し、ユーザーの睡眠パターンに基づいて改善方法を提案するウェアラブルリングを進化させ、さらに多機能化する
- スマートリング型のウェアラブルデバイスが、心拍数や血糖値をリアルタイムで監視し、ヘルスケアデータをモバイルアプリに送信する機能を提供する
4. 携帯型ゲーム機
コスメや美容のフィールドは長い間テクノロジーをあまり活用していないと思われていた。
しかしここ数年で、CESで発表・展示されるプロダクトの中にもいくつか興味深いビューティーテック系のものが増えてきている。
特に注目したいのは、CES 2023で昨年はコンピュータ化されたメイクアップアプリケーターと自宅用電子眉毛アプリケーターを発表したロレアルと、スマートミラーやメイクアップ支援ロボットなどを提供する韓国の複数のスタートアップ。
具体例:
- スチームデック2や新しいスイッチが、より高解像度のディスプレイ、より高速なプロセッサー、そしてクラウドゲーミングを統合し、どこでもコンソール並みの体験を提供する
- ASUSは、新型ROG Allyを発表し、より長時間のバッテリー駆動と5G対応のクラウドゲーミングを提供する
- SONYは、携帯型PS5のようなデバイスを発表し、ユーザーが家庭用ゲーム機の体験を携帯型で楽しむことができるようになる
5. スマートホームの革新
CES 2025では、スマートホーム市場がさらに成熟し、便利さ、セキュリティ、エネルギー効率を高める製品が登場するだろう。
新しいスマートサーモスタットやAI駆動のセキュリティカメラ、キッチン家電が発表され、Google Assistant、Alexa、Apple HomeKitなどのスマートホームエコシステムとシームレスに統合されることが予想される。
スマートホーム技術は、日常的なタスクの自動化、持続可能性の向上、音声やジェスチャーコントロールを通じて、ユーザーのインタラクションを向上させることに焦点を当てるだろう。
具体例:
- Googleは、家のライトやサーモスタットだけでなく、ユーザーの習慣に基づいてニーズを予測するスマートスピーカーを発表する
- Amazonは、Alexaを搭載した新しいロボット型掃除機を発表し、家中を自動的に清掃するだけでなく、音声操作で家電の管理も可能にする
- LGのスマート冷蔵庫が、AIで食材の在庫を管理し、買い物リストを自動生成する機能を提供する
6. ヘルステクノロジーの進展
ヘルステクノロジーはCESで急成長している分野であり、2025年にはAIとデータ分析を統合した新しい個人向けヘルスケアデバイスが登場するだろう。
リアルタイムで健康状態を監視し、病気の早期兆候を察知できるウェアラブル健康モニターが発表されることが予想される。
AIを活用したヘルスケアアプリは、ユーザーに対して睡眠パターンやフィットネス、食事のアドバイスを提供する可能性がある。
具体例:
- WithingsやFitbitは、メンタルヘルスのトラッキングや心臓発作の予測ができる次世代スマートウォッチを発表する
- スマートヘルスメーターが体重や体脂肪率だけでなく、血圧や血糖値を測定し、リアルタイムでユーザーに通知する機能を提供する
- ヘルスケア関連のAIチャットボットが、日々の健康管理やフィットネス指導を行う機能を提供する
7. 持続可能な技術とグリーンソリューション
環境意識が高まる中、CES 2025はエコフレンドリーな技術の発表の場となるだろう。
太陽光発電の家電、エネルギー効率の高い家庭システム、電気自動車(EV)などの革新が注目されることが予想される。
企業はエネルギー消費の削減、廃棄物の最小化、カーボンフットプリントの低減を目指した製品を発表するだろう。
太陽光発電のスマートホームやカーボンニュートラルな技術ソリューションなどが登場する可能性がある。
具体例:
- Siemensは、AIを活用してエネルギー消費を最適化し、家庭やオフィスの電力使用を自動的に調整するスマートグリッドシステムを発表する
- サステナブルな衣料品やリサイクル素材を使った製品の新たなラインアップが登場する
- スマート水道システムが、家庭内での水の使用状況をモニタリングし、節水を促進する機能を提供する
8. 次世代モビリティ技術
EV業界が進化を続ける中、CES 2025ではモビリティ技術の最新情報が発表されるだろう。
長距離走行、迅速な充電、先進的な自動運転機能を備えた新しいEVモデルが予想される。
また、新しいバッテリー技術がEVの性能と手頃な価格を向上させ、車内のインテリアも革新されるだろう。
AIを活用したナビゲーションシステムやカスタマイズ可能な車内エンターテインメントも注目されるだろう
具体例:
- RivianやLucid Motorsは、長距離走行を実現した新しいモデルや、AIを活用した自動運転機能を搭載した次世代EVを発表する
- 自動車メーカーが、電動SUVやピックアップトラックの新モデルを発表し、家庭向けの電気自動車選択肢を増やす
- BMWは新型の高速充電システムを発表し、充電時間を大幅に短縮する技術を導入する
9. 量子コンピュータの進展
量子コンピュータはまだ初期段階にあるが、CES 2025ではこの分野の重要な進展が見られるだろう。
IBMやGoogleなどの企業が量子コンピュータハードウェアやソフトウェアの進歩を披露し、暗号学、機械学習、医薬品開発などの分野で実用化が進んでいく可能性がある。
量子コンピュータの性能向上により、企業や開発者向けの新しいサービスやデバイスが登場するかもしれない。
具体例:
- IBMは、安定性と処理能力が強化された新しい量子コンピュータプラットフォームを披露し、従来のコンピュータでは解決できない複雑な問題に挑戦することができるようになる
- Googleは、量子コンピュータを利用した新しいアルゴリズムを発表し、従来のスーパーコンピュータでは解決できなかった複雑なシミュレーションや最適化問題に対応できるようにする
- D-Waveは、量子アニーリング技術をさらに進化させ、金融業界や製造業向けに、リアルタイムでのデータ分析と予測能力を大幅に向上させた量子コンピュータシステムを発表する
10. ロボティクスと自律システム
ロボティクスはCES 2025の重要な注目分野であり、消費者向けおよび産業向けの革新が登場するだろう。
家庭内での日常的なタスクをサポートする自律型ロボット、例えば掃除ロボットやパーソナルアシスタント、食品配達ロボットなどが発表されることが予想される。
また、物流や製造業向けの自律型システムも進化し、複雑な環境をナビゲートして広範囲なタスクをこなすロボットが登場するだろう。
AIと機械学習は、ロボットの能力向上に欠かせない要素となる。
具体例:
- Boston Dynamicsやテスラは、AIを活用して、パッケージの自動配達や高齢者ケアの支援などのタスクをこなすロボットを発表する
- Amazonは、AIを搭載した配送用ロボットを発表し、ラストマイル配送の効率化を実現する
- Foxconnは、自動化された製造ロボットを導入し、製造ラインでの作業をより迅速かつ精密に行うことで、生産性を大幅に向上させる自律型ロボットシステムを展開する
2025年のテクノロジー業界はCESから始まる
CES 2025は、これからのテクノロジーがどのように進化し、私たちの生活にどんな影響を与えるのかを示す重要なイベントである。
AI、MR(複合現実)、ウェアラブルデバイス、そして持続可能な技術など、今後数年間にわたり私たちが体験するであろう技術革新の数々が一堂に会することは、まさに未来を先取りする瞬間と言えるだろう。これらの技術がどのように現実のものとなり、私たちの日常生活にどのように組み込まれていくのかを楽しみにしながら、CES 2025を注目していきたい。
CES 2025の革新を振り返りませんか?
1月11日(土)、btrax SFオフィスで「CES 2025 報告会: After CES Party」を開催します!当日は、CEOのBrandonとゲストスピーカーが CES 2025 で見つけた注目トピックスや最新トレンドを共有します。ネットワーキングや意見交換の場としても最適です!