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これからの企業に不可欠な: ユーザー、ユーザーデータ、ユーザー体験
「GAFAの脅威」という言葉を聞いたことはあるだろうか?世界的に最も注目されている企業4社の頭文字をとった表現である。
その4社とはGoogle, Amazon, Facebook, Appleである。これらの企業はその時価総額が高いだけではなく、ものすごい勢いで様々な業界に進出し始めてる。元々は”IT”企業であったこの4社であるが、最近では自動車、金融、物流、リテールなど、様々な事業領域に対しての展開を始めている。それにより、市場の期待力時価総額は右肩上がり、他社は大きな脅威を感じ始めている。
そして、その勢いはどんどん加速し、世界規模で様々な業界を飲み込み始めている。正直、客観的に見てみても、日本の企業が束になってかかっても彼らに勝てる見込みは非常に少ない。
2016年度のGAFAの年間売上と2017年8月時点での時価総額
- Google – 売上: 約900億ドル, 時価総額: 約6,550億ドル
- Amazon – 売上: 約1,360億ドル, 時価総額: 約4,744億ドル
- Facebook – 売上: 約276億ドル, 時価総額: 約4,926億ドル
- Apple – 売上: 約2,160億ドル, 時価総額: 約8,080億ドル
* data by YCharts
どんどん広がるGAFAの事業領域
下記の図を見ても分かる通り、これらの企業は素早い買収や新規事業の立ち上げを通じ、異なる事業領域での展開を進めている。それも世界規模で。この図に加えて、医療やモビリティーなどの産業への進出の噂もあることから、近いうちに世界の異なるビジネスを牛耳りしのぎを削る、まるで三国志ならぬ、四国志状態になる日も近いと思われる。
彼らの本当の強みとは?
それだけの勢いのあるこの4社であるが、他業種にも展開を可能にする彼らの本当の強みはなんなのであろうか? これまでの常識におけるビジネス資産とは「ヒト」,「モノ」,「カネ」であった。しかし、この4社が必ずしも他の企業と比べ、その3つの資産を多く持っていたわけではない。特に4社のうち、Amazon, Facebook, Googleの3社はインターネットが普及してからスタートした企業である。初めから豊富な資産があったわけではない。
21世紀ビジネスに不可欠な三種の神器
では、無敵モードのこの4社の共通点とは何か。恐らく彼らは現代ビジネスにおける「三種の神器」を共通して持ち合わせているということであろう。その3つのアイテムとは:
- ユーザー
- ユーザーデータ
- ユーザー体験
である。
まずはユーザー
これは疑う必要もないぐらい、この4社がしっかりと抑えている。Googleは世界のインターネットユーザーの大部分を、Amazonはオンラインで買い物をする世界のユーザーを、FacebookはInstagramを含め膨大なるソーシャルメディアのユーザーを、そしてAppleは自社プロダクトを通じ、スマホとパソコンの利用者を獲得している。
そしてユーザーデータ
21世紀における良い企業と素晴らしい企業を分けるのが、データの取得量と活用方法であろう。この辺はセキュリティーうんぬんで、日本企業が結構苦手としているところ。しかしアメリカでは積極的にユーザーデータを取得し、ビジネスの改善や展開に活用するのが一般的。GAFAも検索、買い物、ソーシャル、プロダクト利用などにおける膨大なユーザーデータを日々取得し、他の事業への活用を進めている。
最後にユーザー体験
1990年代後半からWebが急速に普及し、オンラインショッピングが定着し始めた頃には多くのEコマースサイトが存在してた。その中でAmazonが勝ち残った理由。そこに彼らの優れたユーザー体験が存在する。例えば一度支払い情報の登録をすることで、次回からワンクリックでチェックアウトができるのもその一つ。Appleは最初からユーザー体験を最優先していたし、GoogleやFacebookも優れた体験を提供するための研究、改善を日々行っている。
イノベーションを生み出し、企業価値を高めるのは「ユーザー中心的考え方」
この3つに共通するのは「ユーザー」が中心になっているということ。技術やコンセプト、ビジネスモデルよりもまずはユーザーのメリットを最優先に考えることで膨大な数のユーザーを獲得し、そこから得られるデータを元にユーザー体験を改善する。
最近多くのビジネスマンがユーザー体験 (UX) デザインやサービスデザインなどのフィールドに注目を集めているのもこれが理由。「ヒト、モノ、カネ」を駆使し優れたものを作って売る。そんな時代は随分と昔に終わっていた。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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