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シェアリングエコノミー:新しい形の消費モデル
シェアリングエコノミーとはサービス・人材・プロダクトの共有することによるビジネスの一種である。日本語では、共同消費や協調的消費と訳される。この市場で提供されるサービスの大半が、有形もしくは無形のものを共有し、利用者に必要な時に、それを利用してもらうビジネス形態が一般的だ。
これまで、ものの共有は家族、友人など限られた人間関係やコミュニティーにおいて行われていたものが、利益を生み出すビジネスモデルへと変化した。このビジネス形態が生まれた大きな要因がインターネットの存在だ。インターネットの発達により、人と人、人ともの、所有者と利用者を結びつけることが容易になった。
さらに、インターネットの恩恵により、情報、もの、人材の管理・運用がコスト削減に寄与し、今までビジネスモデルとして実現が難しかったものが可能になった。これらが大きな影響を与えたのではないだろうか。
シェアリングエコノミーを利用したサービス:
このシェアリングエコノミーのビジネスは、車や部屋など有形なものを共有する形をとるものから、車での移動や日々の雑事という無形のものを共有するという形まで多種多様である。
以下にシェアリングエコノミーに関連した11のサービスを紹介する。
1.Getaround
設立者:Sam Zaid, Elliot Kroo, Jessica Scorpio
設立年:2009年
サービス概要:所有する車を貸し出したい人がこのサービスを利用し、getaroundが車を借りたい人にその車を貸し出すP2Pサービス。
収益構造:Getaroundは40%の仲介手数料を車を貸し出す側からもらい、利益を確保している。
2.Zipcar
設立者:Robin Chase, Antje Danielson
設立年:1999年
サービス概要:利用者となる会員に、必要な時に車を貸し出すカーシェアリングサービス。
収益構造:Zipcarは年会費とレンタルカーの使用料を利用者から受け取っている。
3.Scoot
設立者:Michael Keating, Matt Ewing, Dan Riegel
設立年:2011年
サービス概要:カーシェアリングを倣い、スクーターシェアリングを行うサービス。サンフランシスコ市内に数箇所のスクーターステーションを設け、利用者となる会員に貸し出す。
収益構造:会費とスクーターの使用料を利用者から得て、収益を確保している。
4.Bay Area Bike Share
オーナー:主にベイエリアの地方政府機関
運営企業:Alta Bycicle Share, Inc.
サービス概要:ベイエリアでの自転車シェアリングサービスの提供。
収益構造:$88の年会費、$22の月会費、$9の一日利用料を受け取っている。
5.airbnb
設立者:Nathan Blecharczyk, Brian Chesky, Joe Gebbia
設立年:2008年
サービス概要:空き部屋や空き家を所有し、それを貸し出したいオーナーが、airbnbが旅行者(利用者)に対し、ちょうどホテルの部屋を予約するように、その空き部屋もしくは空き家を貸し出せるよう仲介するサービス。
収益構造:airbnbは3%の手数料と6~12%の予約料を貸し出す側と借りる側の両者から取る。
6.Lyft
設立者:John Zimmer, Logan Green
設立年:2007年
サービス概要:スマートフォンアプリを通じ、車を持つドライバーと乗客を結びつけ、旅客サービスを提供する。
収益構造:乗客が寄付金としてドライバーに支払い、そのうちの20%を手数料として受け取っている。
7.Uber
設立者:Garrett Camp, Travis Kalanick
設立年:2009年
サービス概要:モバイルフォンアプリを通じ、車を持つドライバーと乗客を結びつけ、旅客サービスを提供する。
収益構造:乗客から距離・時間により料金を受け取り、そのうちの数十%を手数料としてUberは受け取る。
8.Venuetastic
設立者:Helen Belogolova, Christine Yen
設立年:2010年
サービス概要:イベントプランナーがイベント開催地(イベントスペース)を立地、収容可能数、雰囲気などを見て、検索でき、イベントプランナーとイベントスペースとを仲介するサービス。
収益構造:仲介手数料として契約一件につき12%の手数料と追加のオプションで利益を確保している。
9.Vayable
設立者:Shelly Roche, Jamie Wong
設立年:2010年
サービス概要:当サービス利用者となる旅行者に、一風変わった、ユニークな、観光イベント、観光の体験を紹介、また提供者に斡旋する、仲介するサービス。
収益構造:旅行者に対し、3%の手数料と、ガイドに15%の手数料を受け取っている。
10.Taskrabbit
設立者:Leah Busque
設立年:2008年
サービス概要:家の掃除などの雑事をかわりに行ってくれる人を求めている利用者と、そのようなことを代理に行ってくれる人を結びつけるサービス。
収益構造:Taskrabbitは一件ごとの依頼に対して、15%の手数料を受け取っている。
11.DogVacay
設立者:Aaron Hirschhorn, Karine Nissim Hirschhorn
設立年:2012年
サービス概要:ペットを飼っている人が旅行などでペットを見れない時に、代わりにペットの世話を見てくれる人を紹介するサービス。
収益構造:一件につき、一日15ドルから45ドルの料金を利用者から受け取り、そのうちの5%から15%を手数料としてDogVacayが受け取っている。
最後に:
シェアリングエコノミーには、そもそも車やスクーターを所有するほどの必要性がないと感じる人々に車やスクーターを共有という形で提供するZipcarやScootのように、ものを共有することがビジネスの根幹にあるものもあれば、airbnbのように所有者がものを利用者に貸し出すことを仲介するサービスを提供するビジネスまで多岐に上る。
後者のairbnbでは、サービス利用者は単にものを消費するだけではなく、製品・サービスを提供する役割を担うのである。
シェアリングエコノミーには、まだまだ紹介されていないサービスを提供する企業が数多存在する。これからもシェアリングエコノミーという特性を持ったさまざまなビジネスモデルが生まれることだろう。それは、これからのまったく新しい発想や、まだ見ぬ技術、時代背景により生まれ出てくるのではないだろうか。
参照記事:
- The rise of the Sharing Economy
- Share and Share Alike: A Time of Collaborative Consumption
- The rise of the sharing economy
- The Sharing Economy Hits the Mainstream Media, and That’s a Good Thing
- 11 sites that want to rule the share economy
- 7 Start-ups Changing Peer-to-Peer Commerce
- Scoot Launches Electric Scooter-Sharing Program in San Francisco!
筆者: Yoshimasa Sato
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