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  • Keita Yamana

    Keita Yamana

    UX Designer

    Specialist of UI/UX Design with a acute sensitivity, intuitive and cool interfaces for digital media. I thoroughly understand the life cycle of digital design, and am able to translate any project from concept, wireframes, prototypes to high-fidelity visual mockups.

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  • Jul 22, 2015

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誰にでも分かるUXの基本

btraxの本社が位置するSF、そしてシリコンバレーとよばれるエリアでは、以前からUXデザインの重要性が認識されていて、UXデザイナーもまた、プロダクトやサービス開発において必要不可欠な存在として扱われている。しかし、UXデザインの定義や位置付けはとても曖昧で、人によって捉え方は様々なのではないだろうか。

実際に僕自身、これまでのプロジェクトを通して様々なバックグラウンドを持った人がUXという言葉を使っているのを目の当たりにし、その度に認識のズレを感じている。

結論から話すと、UXデザインについて定義することよりも、この言葉が世間でどのような使われ方をしているのかを知ることのほうが重要である。今回は弊社の提供するイノベーションプログラムやデザインプロジェクトを通して蓄積した経験から「UXとは何か」といった捉え方や基本的な概念部分、そして「なぜUXを考える必要があるのか?」にフォーカスし、いくつかの観点をまとめて紹介する。

一目で分かるUXの関わるデザイン分野

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上のDan Saffer氏(Jawbone創業者)による概念図から、UXデザインはインタラクションデザインやインフォメーションアーキテクチャ、インダストリアルデザインといった分野を広範囲でカバーしていることがわかる。UXを取り巻くデザイン領域は広く、かつ目に見えない部分を取り扱っているため、それを説明するための概念図も数多く存在し、実態が分かりにくくなっているのが実情なのだ。

そもそもUXとは何か?

一言で言ってしまえばサービス利用者の体験そのものを示す。それ以上でもそれ以下でもない。しかしながら、UI、デザインプロセス、マーケティング等異なった観点によるニュアンスが盛られ、さまざまな意味で使われているのも事実なのだろう。

個人的に補足を加えると、UXはあくまでユーザー各々の主観的かつ感覚的なもので、かつ、複数の経験が混在した結果から生じるものだと考えている。良い体験をした、いい経験だった、これは本人にしかわかり得ないことで、人によって感じ方は様々なのだ。

 

では、UXデザインとは何か?

多くの人に利用されるwikipediaでは

“UXデザインとは、ユーザーと製品・サービスの間でのインタラクション、ユーザビリティ、アクセシビリティの改善によって生み出されるユーザー満足度を向上させるための手法である。人間とコンピュータ間のインタラクションを取り巻くデザイン、ユーザーによって認識される全ての製品、またはサービスのあらゆる面、すなわちどのように気づかれ、学ばれ、使われるのかを適用範囲とする。”

と説明されている。

サービス提供者はプロダクトやシステムの品質・機能等を提供し、それらを受け取ったユーザーはその経験を振り返ることで初めてサービス価値を認識する。ここの機能と価値をつなぐ役割こそがUXデザインなのだ。注意したいのが、ここでのデザインとは見た目や雰囲気だけではなく、製品やサービスそのものを設計することが最も重要だということだ。

ユーザーが求めていることを先回りし、結果として喜んでもらえるようなシナリオを設計できれば、良いUXデザインとして評価できるが、逆に失敗すれば、以下の様な実際のデザインとUXの乖離が生じる。

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また、UXは「利用前」「利用中」「利用後」という 時間軸上で発生するという点も重要なポイントとなる。
人間中心設計(Human Centred Design)に関する国際規格のISO 9241-210を参照すると、

”UXには、利用前、利用中、利用後に起こる、ユーザーの感情、信念、嗜好、知覚、生理学・心理学的な反応、態度、達成感の全てを含む”

という記述がある。

開発の過程では利用中のUXばかりフォーカスしがちだが、実は製品やサービスを利用していない期間にもUXが形成されている。利用前・利用中・利用後、そして再利用というこのサイクルを連続的に捉え、利用期間全体の経験を演出する仕組みづくりが重要なのではないだろうか。

UXデザインの必要性について

次になぜUXが重要なのか考えていこう。
唐突だが、ユーザーに対して、サービス提供者の願いとは何だろうか?
いろいろな反応があるかと思うが、結局のところ下記の理由に辿り着くと考えている。

  • 使ってもらう
  • 使い続けてもらう
  • 多くの人に使ってもらう

なぜなら現状のビジネスモデルの多くは、ユーザー数と利用時間が事業価値に直結するからだ。

昔から存在していたUXデザインという概念が重要視されてきたのは最近のことで、注目を浴びてきた最大の理由は「見た目や機能だけで、競合との差別化が困難になってきたから」と言える。

インターネットの普及を始め、Wix・CloudSpaceなど安く手軽にインフラ設計を可能にするフレームワークやクラウドサービスが登場し、またIoTの例をとっても、Shapewaysなど特定の機能を安く提供するサービスが多数市場に登場してきている。飽和したサービスの中で差別化していくには、その機能をより使いやすく、判りやすく提供する必要がでてきたのだ。

今まではWEBサイト・アプリを作る、クールな見た目にする、デバイスに対応する、機能を増やすなどが目標とされていたが、サービス過多の中、評価の厳しいユーザー達にサービス価値を認識してもらうためには利用体験そのものを演出することが求められているのだ。

UI = UX?

またUIとUXの関係についても、ここで触れておこう。
まず3つの実例をピックアップしたので見ていただきたい。

銀行ATMでの体験例
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いくら使いやすく、わかりやすく、間違えにくく、美しく、丁寧な説明によるUIデザインを施したとしても、そのATMの操作に時間がかかるとしたら、預金・引出し経験は悪くなってしまうという例。

 

ヒューストン空港空港での手荷物受取での体験
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以前、ヒューストン空港では手荷物引渡所での待ち時間が長いという苦情を受けていた。
スタッフ増員など対応していたにも関わらず、中々問題が解消されないという課題を長期間に渡り抱えていたのだが、わざと手荷物引渡所までの距離を延ばし、客に空港内で長い距離を歩かせるようにしたことで顧客体験が解決したという面白いケースとなる。これは、敢えてUIのクオリティーを下げて、UXを向上させた例である。

 

TVリモコンでの体験

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これは自作でUIを改造しUXを改善した例。
TVリモコンの操作に苦労した経験については多くの方にも共感いただけるかと思うが、普段操作する機能としては、これで十分なのではないだろうか。

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Apple TVのリモコンではよく使う機能以外を、画面の中、つまりソフトウェア上で処理し、最小限のボタンに留めることでユーザーにとって使いやすい、高いUXを実現している。

 

以上のように良いUI=良いUXという関係は成り立たないのだが、UXとUIの間に切り離せない関係性があるのも事実で、良いUXの演出に良いUIが必要不可欠となってくる。
ユーザーにとって、機能やシステム、見た目なんて関係なく経験そのものが大切。しかし、その経験を生み出しているのは、機能やシステム、見た目のそれら全てなのである。

UXを取り巻く概念図いろいろ

ここまでで、UXの捉え方についてイメージを持っていただけただろうか。
最後にUXデザインを取り巻くいろいろな概念図についてご紹介していこう。

User Centered Design
これはUXデザインの軸として存在するユーザー中心デザインをプロセスで分解した図である。
各プロセスの中で適宜、ユーザーテスティングを行うことで検証を行い、何度も繰り返しこのプロセスを行うことで、洗練されたサービスを創り上げていく。

 

User Experience Honeycomb
これは考えるべきUXの要素を分解した図 (ハニカム) で「役に立つか、利用できるか、望ましいか、見つけられるか、アクセスできるか、信用できるか、価値があるか」といった7つの要素に分解できると定義され、またこれらの要素をバランスよく含んだものが、高いUXを実現するとも説明されている。

 

UX Treasure Map
これはUXの成果物をトレジャーマップ調に表現した図である。プロジェクトで抑えるべきポイントの確認や他の成果物との関係性を俯瞰して見るために用いられる。

 

このように他にもUXに関連した概念図は多数存在し、今後も新しいUX概念図が次々と出てくるであろう。

 

少し強引だが、概念図を紐解くときに以下のようにまとめてみることもできるのではないだろうか。

 このようなプロセスをたどって、

 

これらの要素を考えて、

 

出来上がった成果物。

 

これらの成果物がUXデザインのすべてを物語っているわけではないが、個々のプロジェクトごとにふさわしいチェック項目を考える際に参考になるのではないだろうか。

冒頭でも述べたが、UXデザインの定義や位置付けはとても曖昧で、観点によって様々な捉え方が存在する。UXの理解に最も重要なのは、情報を提供している作成者達の意図を正しく理解し、世間でどのような使われ方をしているのかを知ることなのである。UX デザインを定義するということは、世の中のサービスやプロダクトの在り方がどんどん複雑化し、多様化していく中で不可能なのかもしれない。しかしサービス提供するものにとっては、そもそもUXデザインを定義することが目的なのではない。究極的な目的は、ユーザーにとって良い経験を演出することである。

次回はユーザーの利用体験が形成されるポイントについてフォーカスし、具体的なメソッドについて説明していこうと思う。

参考記事
https://en.wikipedia.org/wiki/User_experience
http://semanticstudios.com/user_experience_design/
http://www.iso.org/iso/catalogue_detail.htm?csnumber=52075
http://www.uxbooth.com/articles/8-must-see-ux-diagrams/
http://www.slideshare.net/Hienadz.Drahun/50-visual-definitions-of-user-experience
http://semanticstudios.com/user_experience_deliverables/
http://www.persistent.org/me/?p=389
http://www.79er.com/blog/articles/The-value-of-UX-design–6-principles.php

日本の企業に世界最高のイノベーションメソッドを

イノベーション創出サービスを提供するbtraxでは、イノベーションの最先端を行く本場サンフランシスコ・シリコンバレーにて、デザイン思考や、ユーザー中心デザインなど、新プロダクト・サービス発案のメソッドを通じ新規事業の創出サポートを提供しています。このプログラムはイノベーションを生み出すための人材開発にも貢献します。

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