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カンファレンスシーズン到来!サンフランシスコ訪問時のおすすめスポット
btraxは、20年以上にわたり、日本企業のシリコンバレー進出や、アメリカのスタートアップの日本市場参入を支援してきました。
今年も『モスコーニ・センター』ではSalesforceのイベントであるDreamforceが開催されますが、我々は『モスコーニ・センター』で数え切れないほどのカンファレンスに参加してきました。
良いこと、悪いこと、そしてちょっと緊張するネットワーキングも、すべて体験済みです。本記事では、そのなかで私たちが知ってきたことをシェアしようと思います。
カンファレンス参加者向けのガイドはたくさんあります。その多くはイベントで学びを得る方法として、基調講演や大手スポンサーのブース、スマホをいじる人だらけの講堂をすすめがちですが、フォーカスすべきポイントを間違えています。
btraxメンバーの経験上言えるのは、本当に意味のある出会いや会話が生まれるのは、朝のコーヒーの時間や、喧騒から離れたランチタイム、そして夜の落ち着いた場所での会話の中だということです。
もちろん、公式セッションに価値がないわけではありません。ただし「人とつながる」ことを目的にするなら、大人数の中では難しいものです。
これは単なる「生き残りガイド」ではなく、サンフランシスコ特有のテックエコシステムの中で、どうすれば本当のつながりを生み出せるのかを、言語だけでなく文化を翻訳してきた私たち独自の視点からまとめたものです。
私たちがSoMaを選んだ理由
btraxがサンフランシスコに拠点を構えた際、ベイエリアのどこでも選べた中で、私たちはSoMa(South of Market)を選びました。この街は、私たちが大切にしている「国境を越えたビジネスのあり方」を体現しているからです。
洗練されつつも泥臭く、国際的でありながらサンフランシスコらしさを失わない。常に進化しながら、本質的な魅力を保っています。モスコーニ・センターがこの地区の中心にあるのも偶然ではありません。
DreamforceやGDCといった大型カンファレンスが街全体のエコシステムを形成しています。ホテル、レストラン、カフェ、オフィスまでもがこのリズムに合わせて進化しました。
多くの訪問者が見落とすのは、SoMaはカンファレンスを「開催する」のではなく、「呼吸している」ということ。
この街のDNAは「人と人をつなぐ」ことにあり、まさに私たちが日々実践していることです。会期中、そのエネルギーは何倍にも膨らみ、活かし方次第でビジネス戦略そのものを変えることができます。
コーヒー文化がつなぐ会話
日本のビジネス文化では、関係構築はゆっくりと、階層や形式を重んじながら進みます。一方で、サンフランシスコのネットワーキングは光の速さです。
その中で、コーヒーミーティングは大きな役割を果たします。カジュアルで、短時間ながら深い話ができ、形式にとらわれません。
この街では、私たちも無数のコーヒーミーティングを通じて紹介や打ち合わせを行ってきました。そして、どこで会うかは非常に重要です。理想的なのは、落ち着いて会話ができ、気取らず、それでいて「観光地感」がない場所です。
Blue Bottle Coffee(SoMa内に複数店舗)
モスコーニ・センターから徒歩数分という立地で、朝のミーティングにぴったりです。
その利便性だけではなく、ブルーボトルが築き上げたカリフォルニアのコーヒーカルチャーそのものが魅力となっています。カウンターで注文し、席を取って、新しいクライアントとの最初の会話をリラックスして始められます。
Sightglass Coffee(7th Street)
少し歩きますが、自動車修理工場を改装したインダストリアルな空間が特別な雰囲気を醸し出しています。大きなテーブルは単なるデザインではなく、「ネットワーキングのためのツール」です。
はじめは知らない人と席を共有するのにためらいがありましたが、今ではそれがサンフランシスコ流の“オープンで協力的、そしてセレンディピティを生む文化”だと理解しています。
Golden Goat Coffee(3rd Street)
チームの中でも特に人気がある場所です。通りの小道にひっそりと佇む隠れ家的なカフェで、静かに散歩しながら話したり、公園でゆっくり座って話すのに最適です。
「食」を通じた戦略的コミュニケーション
日本の「飲みニケーション」は、食事を通じて関係を深める文化ですが、この発想はカンファレンスでのネットワーキングにも非常に有効です。ただし、実行の仕方次第です。
会場の食事は、単にカロリーを提供してくれるだけで、関係は生みません。私たちがクライアントとの会食に選ぶ店には、まったく別の目的があります。
Off the Grid(Salesforce Tower前)
サンフランシスコのフードトラック文化を最も手軽に体験できる場所です。市内で最も高いビルのふもとにあり、日替わりで変わる屋台が、都市の食文化の多様性を楽しませてくれます。
フルサービスのレストランに行くほど構えず、海外からのクライアントに「サンフランシスコらしさ」を自然に感じてもらいたいときに最適です。屋外なので、会話の流れも自然に生まれます。
Wayfare Tavern
印象に残るのに気取りすぎない場所を探すならここ。シェフのタイラー・フローレンスによる洗練されたアメリカン・コンフォートフードは、重要なビジネスの話を自然に進められる雰囲気を作ります。
信頼関係を築きながら、満足感のある食事を楽しむには最高の場所です。ランチにもディナーにも適しています。
Quê Việt
私たちが愛用しているベトナム料理店。食べ歩きながらの「ウォーキングミーティング」は、フォーマルな壁を取り払ってくれるのです。
Garaje(3rd Street)
SOMAのフードカルチャーを象徴する場所。彼らの名物「Vorta(トルタ×ケサディーヤのハイブリッド)」は一見奇抜に聞こえますが、この街の“革新と遊び心”を体現しています。
カジュアルな雰囲気が、伝統的なレストランでは得られない素の会話を引き出してくれます。学びはひとつ。「料理」よりも「会話を生む環境」を選ぶことです。
夜のネットワーキングが橋をかける
日本とアメリカのビジネス文化の間で何年もつながりを築いてきた私たちは、夜のネットワーキングが朝や昼のミーティングとはまったく異なる役割を果たすことを学びました。
この時間帯こそ、最初の挨拶が「本当の関係」に発展していく瞬間なのです。
Local Edition
モスコーニ・センターからそれほど遠くない地下にあるカクテルバーです。ここにある親密なブース席は、日中のスケジュールでは話しきれない真剣なビジネスの会話をするのに最適です。
クラフトカクテルと静かな雰囲気が、文化の壁を溶かすような深い対話を促します。
KAIYŌ Rooftop
サンフランシスコの街を一望できる屋上バーで、初めてこの街を訪れるゲストには特に印象的な体験となります。
ペルー料理と日本料理のフュージョンが味わえる場所で、「異文化が出会う」というテーマにもうってつけです。
Spark Social SF
より大人数でカジュアルに交流したいときに最適な選択肢です。Mission Bayに位置する屋外のフードトラックパークで、焚き火台のあるリラックスした雰囲気が特徴。
フォーマルな会議場から屋外の気楽な場へと移ることで、自然なつながりが生まれやすくなります。
移動手段も文化の一部
大型カンファレンスの期間中は、どの人も予定でいっぱいになり、移動が一番の頭痛の種になります。もし近場に滞在しているなら徒歩移動をおすすめしますが、他にもさまざまな公共交通の選択肢があります。
徒歩
体を動かす良い機会であり、健康的で信頼性があり、自然な会話の延長を生み出します。
私たちが紹介した多くのスポットは徒歩圏内にあり、カンファレンスの混雑時間帯には、ライドシェアよりも早く着くことも少なくありません。さらに、歩きながらの会話は人間的なつながりを生む絶好のタイミングになります。
Muni
徒歩圏外の地域へ行く際に便利で、サンフランシスコのローカル体験を味わいたい国際クライアントにも人気です。
多少複雑に感じるかもしれませんが、事前にルートを調べておけば安心です。サンフランシスコの人々は道案内にも親切です。
Uber/Lyft
いつでも利用可能で、海外からの来訪者にもなじみ深いサービスです。手軽で確実な移動手段です。
Waymo
まさに「サンフランシスコのテクノロジー文化」を象徴する存在です。自動運転ライドサービスは、初めて乗る人にとって忘れられない体験になります。
話のきっかけにもなり、レポートやSNSに書きたくなるような内容でもあります。特に海外のクライアントにとっては、まだ自国で体験できない先端技術を味わう貴重な機会です。
文化的インテリジェンスがカンファレンス成功の鍵
20年以上にわたる異文化間の仕事を通じて私たちが学んだのは、カンファレンスでのネットワーキングを成功させるには、アメリカのビジネス文化の“暗黙のルール”を理解する必要があるということです。
特にサンフランシスコのような独自のエコシステムでは、その違いが顕著に表れます。
アメリカのネットワーキングは、ほとんどの国よりもスピードが圧倒的に速いです。自己紹介は30秒以内に簡潔に。会社の詳細な説明は不要です。
名刺交換も形式ばらず、場合によっては全く行われません。フォローアップは、相手の記憶に残っている24時間以内に行うのが鉄則です。
さらにサンフランシスコでは、文化的複雑さがもう一層加わります。この街では、「形式よりも本音」「伝統よりも革新」「競争よりも協働」が重視されます。
これらの微妙なニュアンスを理解することで、カンファレンスでの成果を大きく高めることができます。疑問があるときは、率直に尋ねる勇気を持ちましょう。
特にサンフランシスコでは、回りくどい外交的表現よりも、明快で直接的なコミュニケーションが好まれます。
国際的な来訪者がこのテンポや形式の違いに戸惑う一方で、アメリカ側の参加者は、海外ゲストとの出会いが持つ深い関係構築のチャンスを見逃すこともあります。
成功のカギは、現地の文脈に自分を合わせながら、同時に自分らしさを保つことです。
隠れたカンファレンス・サーキット
公式のカンファレンススケジュールは、実はその週に生まれるビジネスチャンスのほんの一部にすぎません。
サンフランシスコのテック・エコシステムは決して止まることがなく、カンファレンス期間中には、並行して開催される非公式イベントが多数存在します。
これらが、しばしば本会場以上に有意義なネットワーキングの場となるのです。
Luma
ローカルなサンフランシスコ・テックイベントを探すためのインサイダープラットフォーム。
検索機能を使えば、スタートアップのデモイベントから投資家ディナーまで、カンファレンスと同時期に行われているイベントを簡単に見つけられます。
私たちは、カンファレンス期間中には毎回チェックしています。なぜなら、限定的で貴重な集まりは開催の数日前に突然告知されることが多いからです。
Eventbrite
より幅広い層のイベントをカバーしています。ワークショップやコミュニティイベントなど、ビジネススケジュールを補完する内容が多く、企業が戦略的にクライアントディナーやプロダクトローンチ、限定ミートアップをこの時期に合わせて開催することもあります。
実際、私たちにとって最も価値あるつながりのいくつかは、巨大なカンファレンスホールではなく、こうした小規模で親密な集まりの中で生まれました。
私たち自身も、LumaやEventbrite上に投稿されたハッピーアワーの告知から、即興的なオフィスミートアップを何度も開催しています。
形式に縛られないこうした場では、より自然で本物のつながりが生まれやすいのです。特に日本からのネットワークにとっては、カジュアルでリラックスした環境で交流できる貴重な機会になります。
モスコーニの人混みに疲れたときに
モスコーニ・センターの人混みに圧倒されたり、重要な通話をしたいときには、私たちのオフィス(665 Third Street)へお越しください。会場から徒歩14分ほどの距離にあり、静かで集中できる環境です。
私たちはサンフランシスコと東京市場をつなぐチームとして、これまで多くの日本からの来訪者を迎えてきました。アメリカのネットワーキングマナーから街のおすすめスポットまで、あらゆる質問に対応しています。
柔軟な利用が可能で、静かな打ち合わせスペースとしても、クライアントミーティングの会場としてもお使いいただけます。
また、日本市場への進出に関心のある方には、私たちの経験から得た知見をいつでも共有いたしますので、お気軽にお問い合わせください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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