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海外ファッション・コスメブランドに学ぶPinterestキャンペーン10選
現在アメリカでのPinterestのユーザー数は、1,200万人。そのうち女性のユーザーは80%。アメリカのインターネットを利用する女性の5人に1人がPinterestを使っており、こちらにPinterestに関する統計のインフォグラフィクスがまとまっています。
5 INFOGRAPHICS FOR MASTERING PINTEREST MARKETING
前回の記事伸び続けるアメリカファッションEコマース市場【注目の5つのトレンドを探る】でも述べました通り、今やEコマースにおいてPinterestとの連携は必須となってきています。その一例として、米ECサイト大手Zapposのユーザーは、購入した商品の写真をFacebookにシェアする回数よりも、Pinterestにシェアする回数の方が13倍多いとレポートしています。最近、楽天がPinterestに多額の出資をしたのも、Pinterestの日本展開へのサポートに加え楽天IDとの連携もあると考えられます。
Pinterestの最大の特徴である”イメージをシェアする”という点は、特にファッションブランドのソーシャルメディアマーケティングとの相性がとても良いです。そこで今回は海外ファッションブランドの、消費者とのインタラクションをうまく使ったPinterestマーケティングキャンペーンについてまとめました。
1. Vespa × Kate Spade New York | Ride Colorfully
イタリアのバイク会社VespaとファッションブランドKate Spadeが行ったキャンペーン。参加者はRide Colofullyという名前のピンボードを作り、自分がVespaのバイクに乗ってツーリングしたい場所の画像をピンしていきます。優勝者に選ばれたユーザーには好きなカラーのVespaがプレゼントされました。
2. Oscar de la Renta | Live Pinning Before, During & After the Show
Oscar de la Rentaは2012年4月NYのブライダルショー中に、バックステージの風景をピンタレストで”Live-Pinning”する取り組みを行いました。ここ最近USTRAMでショーを中継するというのはよく見られるようになりましたが、その一歩先を行ったアイディアですね。このブランドは以前にもTumblrやInstagramを用いてユーザー参加型のキャンペーンを行っていて、ソーシャルメディアマーケティングを得意としています。
3. Sephora | Color Wash Sweepstakes
コスメブランド大手のSephoraは、”Sephora Color Wash”というキャンペーンを行い、$250(約2万円)のギフトカードを10名にプレゼントしました。ユーザーはSephoraのオンラインショップやPinterestからアイテムをピンしてSephora Color Washのボードを作って抽選に参加します。このときSephoraはユーザーに”Hair&Beauty”カテゴリでSephora Color Washのボードを作るよう指示しました。これにより、Seporaのプロダクトがキャンペーン期間中”Hair&Beauty”カテゴリにたくさん現れることになり、このキャンペーンを知らない多くのユーザーにもリーチ出来るという仕掛けを作ったのです。ルール詳細はこちらからご覧になれます。
4. ModCloth | Something ModCloth, Something You
アメリカのヴィンテージテイストの服をメインに扱うECサイトModClothが行ったキャンペーン。ModClothがウェディングヴィンテージをテーマに20のお題を提示し、ユーザーはそれぞれにインスパイアされたイメージをピンしていきます。ハッシュタグをつけてModClothへメールで送信して参加完了。$100のギフト券が当たります。キャンペーンのタイトル”Something ModCloth, Something You”というのはこのブランド側と参加者との両方のインスピレーションを取り入れて理想のウェディングのイメージをつくり上げて行きましょうという意味が込められています。
5. GUESS | Color Me Inspired
アメリカのファッションブランドGUESSは新発売のデニムのカラーに合わせたキャンペーンを行いました。参加者は“Noir Teal”, “Hot House Orange”, “Red Hot Overdue”, “New Plum Light”の4つのカラーをテーマにボードを作り、#GUESScolorを付けてGUESSのPinterestアカウントに投稿します。 GUESSのスタイルブロガーによって優勝者が決められ、デニムがプレゼントされました。それぞれのテーマカラーの優勝者のボードが、こちらで見ることができます。
6. Harrods | Street Party Window Inspiration
Harrodsのショーウィンドーイメージを、Pinterestを使ってユーザーに投稿・投票してもらい決めるというキャンペーン。他のブランドのキャンペーンは投稿のみで、優勝者はブランド側が決めるというものが多い中、このキャンペーンは投票までユーザーに行わせています。このもう一段階インタラクションを仕込めるカギはHarrodsが既にFacebookページファン20万人、Twitterフォロワー10万人獲得していて、そのファンたちをPinterestにうまく流し込めたところでした。投稿だけでなく投票まで行ったことでHarrodsのPinterestアカウントへのエンゲージメントを高めることに成功しました。
7. Shopbop | ANNIVERSARY CELEBLATION CONTEST
デニムから始まった注目のECサイトShopbopがウェディングアイテムの取り扱いを始め、アニバーサリーを記念して行った、キャンペーン。$10,000, $5000, $2,500(約80万円、40万円、20万円)のギフトカードがプレゼントされるというかなり豪華なものですが、参加するためにすることはShopbopのアイテムを3つ以上ピンしてボードを作り、リンクを記したメールをキャンペーンアドレスに送るだけと、とてもシンプルなものでした。
8. Kotex | Woman’s Inspiration Day
イスラエルの広告会社が衛生用品会社Kotexのために作ったPinterestキャンペーン。下記のキャンペーン動画で詳細説明を見ることができます。KotexはPinterestで影響力の高い女性ユーザー50人を選び、彼女たちのボードからイメージしたそれぞれの好みに合ったものを作ってプレゼント作りました。そしてのプレゼントをKotexのPinterestアカウントにアップし、それぞれのユーザーがRepinしたら実際にギフトが家に送られてきます。Pinterestを自分の個性・感性の表現の場として使っている女性たちのインサイトをうまく突いた仕掛けで、結果50人全員がRepinしてギフトを受け取り、Twitter, facebook, Instagramへこのキャンペーンに関してシェアをして、合計インタラクションは694,853にのぼりました。また、下記のまとめ動画を作ったおかげでこれまでのPinterestキャンペーンの中で最も有名なものとなっています。
9. BCBGMAXAZRIA × Ruffled | SAY “I DO”
女性たちに結婚式の準備のワクワク感をもっともっと楽しんでもらいたという思いから、仏大手アパレルブランドBCBGMAXAZRIAが人気ウェディングブログRuffledとコラボして行ったキャンペーン。BCBGの新しいブライダル専門店オープンに際して企画されました。優勝者には結婚式用の予算として$5,000(約40万円)とBCBGのウェディングドレスがプレゼントされます。ユーザーはBCBGとRulledのサイトから自分の気に入ったアイテムをそれぞれ3つ以上セレクトしてボードを作って参加することができます。
10. UNIQLO | UNIQLO DRY MESH PROJECT
最後は我らがUNIQLOのプロモーション。アメリカでドライメッシュ発売に際し、NYのデザイン会社Firstbornと共に制作し、Pinterestをハックしました。下記のプロジェクト動画をご覧ください。Men’s apparel, Women’s apparel, Geek, Fitness, Sportsの5つのカテゴリに現れ、ユーザーたちを驚かせました。他のブランドの”ピンをしてボードを作って抽選でギフトカードプレゼント”とは一味違った斬新な仕掛けで、ブランドイメージを高めることに成功しました。
まとめ
お気付きになられたと思いますが、10つの事例のうち5つがウェディング関係です。女性ユーザーが圧倒的に多いことから、女性にターゲットを絞っているブランドがより早くPinterestマーケティングに手を付けているということでしょう。
今回はアパレルに絞りましたが、他の業種ではSONYやHONDAなどの日本勢も海外ではすでにPinterestを用いたキャンペーンを行っています。Pinterestユーザーはただ自分の好きなものをピンして自分のHPのように使うだけでも十分楽しいですが、今回取り上げたキャンペーン事例ではブランドと一緒に世界観を作って行くという他のソーシャルメディアでは出来なかった新たな楽しみ方を与え、ブランドへのロイヤリティを高めています。
どのキャンペーンも基本的に、①ボードのタイトルを決める。②ユーザーにテーマにインスパイアされた画像をそれぞれのボードに投稿してもらう ③ブランド側にリンクを送ってもらう。 ④抽選でプレゼント! の4ステップで、そこまで複雑ではありません。そして、ほとんどのキャンペーンが2012に入ってからのものです。
日本ではまだまだユーザーが集まり始めているといった段階でキャンペーンを打つには早いでしょうが、一番乗りをどこがやるのか非常に楽しみですね。
参考URL:
http://www.pewinternet.org/~/media//Files/Reports/2012/PIP_OnlineLifeinPictures.pdf
http://mashable.com/2012/04/16/oscar-de-la-renta-pinterest-live-bridal-show/
http://www.psfk.com/2012/03/guess-pinterest-campaign.html#ixzz279MQ3IXI
http://wallblog.co.uk/2012/04/11/harrods-and-confused-com-launch-pinterest-campaigns/
http://www.psfk.com/2012/03/kotex-pinterest-goodie-bags.html
http://creativity-online.com/work/uniqlo-dry-mesh-project/28251
http://justcreative.com/2012/05/31/pinterest-marketing-campaigns/
http://www.creativeguerrillamarketing.com/social-media-marketing/5-interesting-pinterest-marketing-campaigns/
http://mashable.com/2012/06/26/uniqlo-pinterest/
筆者:小口 弘太郎 (@Ogu_Chon)
Photo by KEXINO
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